後のピノコである。「テラトーマ」   ~STAP細胞よもやま話~

日経サイエンス3月号発売記念まとめ第3弾。 引き続き、縞うさぎさんこと詫摩雅子さん@shima_usa96とお馴染みY Tambeさんが解説してくださいました。 お題は「テラトーマ」。 「腫瘍」のことみたいなのですが、これがSTAP細胞とどう関係するんでしょうか。
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ピノコとおなじように、双子ってこと?

ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@shima_usa96 @y_tambe まって。多様性細胞からテラトーマができるのはなんとなくイメージできるんですが、自然にってどういうことですか。やっぱり双子なの。

2015-02-02 22:51:12
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @y_tambe いえ、今は双子ではなく、生殖細胞の腫瘍と考えられています。普通の腫瘍は、体細胞(肝臓の細胞とか、胃の細胞とか)の腫瘍と考えられるのに対し、生殖細胞(卵や精子になる細胞)の腫瘍というわけです。生殖細胞なので、いろんなものに分化できる。

2015-02-02 22:55:51
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @y_tambe テラトーマって、精巣や卵巣にできるんです。胎児の場合は、ほかの場所にもできますが、身体の中心線に沿った場所にできる。胎児(というより胚かな)の身体の中で、将来、生殖細胞になるはずの細胞(始原生殖細胞)が卵巣や精巣へ移動していくのですが

2015-02-02 23:03:14
ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@shima_usa96 @y_tambe はー、生殖細胞って万能なんですね。って…なるほどそういうことですか。

2015-02-02 23:04:00
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @y_tambe そのルートが身体の中心線(正中線)に沿っているためだと考えられています。ルートの途中で、先に進まなくなって、そこでテラトーマになってしまう。

2015-02-02 23:04:58

テラトーマは「多能性のある細胞の腫瘍」。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @y_tambe テラトーマは「多能性のある細胞の腫瘍」なわけですが、もとの細胞がみんなほかの細胞に分化してしまったら、それ以上は大きくならないので、腫瘍としては良性です。でも、もとの細胞が多能性「幹」細胞だったりすると、分裂するたびに分化もするけれど、

2015-02-02 23:07:46
Y Tambe @y_tambe

@shima_usa96 @Butayama3 この辺の図だとわかりやすいかなあ。 ascii.jp/elem/000/000/1… 生物学での「発生」の話。僕らが生まれてくるとき、細胞が分裂して数を増やすときには、割と早い段階で「将来、どの細胞になるか」のグループが決まるのね。

2015-02-02 23:04:23
リンク ascii.jp 拡大画像【ASCII.jp】
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@y_tambe @Butayama3 あ、シンプルでわかりやすいですね!胎児のテラトーマは、まさにこの図の「多能性細胞」が腫瘍になって、中にいろんな組織ができちゃう。

2015-02-02 23:11:45
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @y_tambe 一方は「多能性幹細胞」として残るので、腫瘍はどんどん大きくなる。この書き方は実は後知恵で、こういう悪性の奇形腫(区別してテラノカルシノーマと呼ぶ)の中に、増え続ける多能性幹細胞があるはずだ!って探した人がいます。1960年代後半の話です。

2015-02-02 23:19:35
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @y_tambe で、1970年についにマウスから見つけています。それが胚性がん腫細胞(EC細胞)。これが、培養できる最初の多能性幹細胞でした。

2015-02-02 23:24:40

ここでミケ先生のツッコミ。
×「テラノカルシノーマ」
○「テラトカルシノーマ」

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @Micheletto_D あ!やらかしてしまった……!>ミケ先生、ありがとうございます。>ぶたやまかーさん、修正してください……じゃ、ないや。私のやらかしツイートのあとに、このミケ先生ツイを入れることってできますか?

2015-02-03 00:39:33
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @Micheletto_D ごめん なさい! 誤:テラノカルシノーマ 正:テラトカルシノーマ

2015-02-03 00:42:03
バイクくん@超お嬢様のパグ @Micheletto_D

@shima_usa96 @Butayama3 僕も「テトラカルシノーマ」って言っちゃうんで(^^;

2015-02-03 00:43:18

培養できる最初の多能性細胞は癌から生まれた。
なるほど、癌てどんどん増える。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @y_tambe 5年後にはこのEC細胞からはキメラマウスも作られていたようですが、もともとが腫瘍の細胞なので、やはり、キメラマウスも腫瘍を起こしたり、正常に産まれてこなかったり。それで、腫瘍由来ではない多能性幹細胞がほしい!というので、ES細胞が作られます

2015-02-02 23:28:11

そして、ES細胞が。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96

@Butayama3 @y_tambe やっぱり、ノーマルな細胞で研究したかったんでしょうね。ES細胞が初めて作られたのは1981年で、もちろんマウスです。ヒトのES細胞は17年後の1998年。このときのことは、覚えている方も多いと思います。

2015-02-02 23:31:19

さらにiPS細胞が。

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