男子凍結 第一部

空耳から思いついた、SFの設定とプロローグ。 ---- 本編が書かれることはない、って言ったけど、書いちゃった(^^) この後は、多分、ない。はずだけど、思いついたら続くかも(^^; ---- 続きを読む
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夢乃 @iamdreamers

卵子凍結を男子凍結と空耳した昨日・・・

2015-02-07 13:06:47
夢乃 @iamdreamers

男女の出生率の差に人間が気付いたときにはすでに遅かった。以前より、女に較べて男の出生数が少なくなっているのではないか、という話題は出ていたものの大きく取り上げられることはなかった。問題視され始めたのは、男の出生数が女の8割程度に落ち込んでからだった。 #twnovels

2015-02-07 13:07:12
夢乃 @iamdreamers

それでも、問題とされた最初の頃には一時的な現象と考えられ、個別に対策の検討を進める者はいたものの、社会全体としては静観といったところだった。けれど、男の出生数が女の六割を割り込むと、流石に世界各国の政府も無視できなくなってきた。 #twnovels

2015-09-12 22:55:52
夢乃 @iamdreamers

国家機関や民間のシンクタンクの大規模な調査にも関わらず、原因の特定はできなかった。未知のウィルス説、宇宙線説、某国の兵器説、人類の寿命説、果ては他星人の侵略説など、およそありとあらゆる説が挙げられたが、誰も決定打と言えるものを示せず、原因究明は難航した。 #twnovels

2015-02-07 13:08:09
夢乃 @iamdreamers

それでも男の出生数の低下は留まることを知らず、出生率の男女比が3:7ほどになる頃には抜本的な対策が求められた。この頃には各国政府も企業も、それを支える人々はほとんどが女で占められていた。特に危険な作業からは男は遠ざけられ、大切にされるようになった。 #twnovels

2015-02-07 13:08:39
夢乃 @iamdreamers

そんな中、一つの研究機関が冷凍睡眠、コールドスリープの技術を確立した、と発表した。未だその原因がわからないため抜本的な対策とはならないものの、男性減少現象への対策の一つとして、実用に向けてさらに研究が進められた。 #twnovels

2015-02-07 13:09:07
夢乃 @iamdreamers

男の減少は進み、もはや結婚制度は意味を失った。男は人類の、というよりも女たちの共有財産となり、大切に保護されることとなった。一部の女はようやく実用的となってきた冷凍睡眠を使って好みの男性冷凍保存し、触れ合いを求めるときには解凍して愛でるようになった。 #twnovels

2015-02-07 13:09:30
夢乃 @iamdreamers

中には、冷凍保存した男を金を取って別の女に貸し出したり、金に飽かして複数の男性を冷凍保存するような女も現れ、社会問題にもなったことは、当時のニュース記事からも確認できる。 #twnovels

2015-02-07 13:09:56
夢乃 @iamdreamers

男女の出生率が1:9となるに至り、ついに政府は男性保存法を全会一致で採択した。この法案により、三十歳を越えた男は男性保存センターにて冷凍保存され、女は男性との触れ合いを求めるときや子供を望むときにはセンターを訪れ、一時的に解凍された男と情事を持つことになった。 #twnovels

2015-09-12 22:57:10
夢乃 @iamdreamers

男の出生数の減少は更に進んだ。そのため、時を追うごとに男の冷凍保存年齢は引き下げられていった。原因の究明と他の対処方法の研究も進められていったが、遅々として進まなかった。 #twnovels

2015-02-07 13:10:51

夢乃 @iamdreamers

男の出生数が女の1%にも下がった今では、男は完全に国家の管理下に置かれている。男児が産まれるとすぐに専用の施設に保護され、大切に育てられる。学校には専用の男性クラスが用意され、さらに、小学校の間は二年ごと、中学では一年ごとに別の学校に転校させられる。 #twnovels

2015-09-12 22:59:05
夢乃 @iamdreamers

高校は女性とは完全に別に用意され、専門の教育が施された。 そして、高校を卒業した時点で男性保存センターに登録され、冷凍保存される。男の自由は完全に奪われ、人類の、すべての女の大切な宝物として大切にされた。 #twnovels

2015-08-18 19:11:09
夢乃 @iamdreamers

そんな中、一人の女が男性保存センターを訪れた。 #twnovels

2015-02-07 13:13:21

 

夢乃 @iamdreamers

・・・ってな世界を舞台にしたSFを思いついたじゃないか(^^)

2015-02-07 13:14:11
夢乃 @iamdreamers

そして続き。というか、プロローグ。

2015-02-08 17:13:58

プロローグ

夢乃 @iamdreamers

「もーやってらんないっ」 榊多キリナはホテルに戻るなり、ベッドに身を投げ出して悪態を吐いた。 「ま~ったく、あのババア共、現場のことなんて何にもわかっちゃいないんだから」 郊外の研究所から突然本社に呼び出され、研究の遅延について報告させられたところだ。 #twnovels

2015-02-08 17:14:20
夢乃 @iamdreamers

「だいたいTV会議で済むのに、何でわざわざ私がこんなところまで来なきゃいけないのよ。直接聞きたいなら、お前らが研究所に来いっつーのっ」 本社の対応が余程腹に据えかねるものだったらしく、キリナの悪態は止まるところを知らない。 #twnovels

2015-02-08 17:14:58
夢乃 @iamdreamers

(あー、むかつく。何かすっきりしたいな。・・・久しぶりに男を抱こうかしら。この街にもセンターはあるわよね) しばらく本社の上司に対する暴言を吐いたあと、気を紛らすためにもう一度外にでるかどうか、少し逡巡した。思い立ったが吉日。そんな言葉がキリナの頭に浮かんだ。 #twnovels

2015-02-08 17:15:27
夢乃 @iamdreamers

「よし、行こう。膳は急げとも言うし」 部屋に入ってから靴を脱いだだけだったので、鏡の前で少しだけ身なりを整えただけで、またすぐに部屋を出た。 フロントで男性保存センターの場所を聞こうかとも考えたが、どのみちタクシーを使うだろうから鍵だけ預けてホテルを後にした。 #twnovels

2015-02-08 17:15:53
夢乃 @iamdreamers

ホテルの前でタクシーを捕まえると、 「男性保存センターまで」 とだけ伝えた。 「これからお楽しみですか?」 五十代と思しきタクシー運転手のオバサンが聞いてきたが、キリナは無視した。運転手はつまらなそうに前を向くと、ハンドルを握った。タクシーが音もなく滑りだす。 #twnovels

2015-09-12 23:01:28
夢乃 @iamdreamers

センターは意外とホテルに近かった。歩いたら少し遠い、程度だろうか。料金を支払ってタクシーを降りると、センターの扉を抜けた。 #twnovels

2015-02-08 17:16:46
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