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中東人質事件について。あの二人はムラに二つ迷惑をかけた。一つはムラが脅迫を受けた。一つはそんなムラビトでもムラがかばってやらないと国際社会つまり世間から「冷たい」「情がない」と言われるからかばってやらないといけなくさせた。この二つ。それで「自殺しろ」と極論まででた。
2015-02-10 04:31:50むろん日本という国家はムラではない。しかしながらニュースを知って私たちの多くは無意識に「うちのムラに迷惑かけさせやがって何様だ」と思った。
2015-02-10 04:34:19吉良邸討入りはテロか武士のほまれか?当時の倫理学にして法学である朱子学で解釈すると、どっちの結論でも正解になる。それで綱吉将軍は裁きを出せなかった。
2015-02-10 04:40:58少し時間をおいて以下、続き。
自国のジャーナリストが中東で人質になって殺害される。と、国によって公的発言に違いが出る。十年ほど前にそういう事件があったとき小泉総理は否定的コメントを残した。一方で違う国ではそこの責任者が「誇りに思う」と発言した。
2015-02-10 15:20:32誇りに思う?「このスカタンが自分から捕まりにいったためにうちの国はいろいろ損害を被ってしまった。行くなって事前に念押ししてるのに」とその国の最高責任者なら思うものではないのか。それがなぜに「勇気を誇りに思う」と発言するのだろう。
2015-02-10 15:22:49どうも国家的損害(日本語でいうと「迷惑をこうむる」かもしれない)よりも大切なものがあって、それで「勇気を誇りに思う」という不思議な結論に達するようです。
2015-02-10 15:25:15それはなんだろう。この方はこう述べます。"Truth, justice, and the American way!" pic.twitter.com/1Y3nxhDuN1
2015-02-10 15:28:27このあいだ人質になった二人(後に殺害)が日本でバッシングされたのが理解できない人々も世界にはいます。「その二人は truth, justice, and the Japanese way のために危険な土地に向かったんだろ?なぜ叩くんだ」と。
2015-02-10 15:31:57あの二人は自分なりの truth と justice を信じて向かったことは疑わない。しかしながら the Japanese way には沿わなかった。逸脱していた。
2015-02-10 15:33:37ムラに迷惑をかける個人はもうムラの者ではない。これが the Japanese way だから。
2015-02-10 15:35:31町内会への入会は強制ではなく任意。最高裁でそう判断が下って以来、入会拒否者が増えています。私のとなりの校下では、町内会に入っていない住人が多いとかなんとか。最高裁つまり西洋的システムによって入会拒否が肯定されたから。国家はムラよりも上位なのです。
2015-02-10 15:37:57しかしながら中東の砂漠に日本という国家の力は及ばない。そこにぽんと放り出されたのがこの二人。 pic.twitter.com/P4qACO7uhi
2015-02-10 15:40:00これがもし中東の砂漠をバックにしていなくて、どこか日本の風景だったら、私たちはきっと「警察は何をしているんだ。早く救出しろ!」と思ったでしょう。
2015-02-10 15:41:28ところがこの場合は遥か異郷。警察すなわち日本という国家のエリア外。すると普段は国家の存在によって覆い隠されている私たちのムラの論理がむらむらとわきおこる。そしてこう思う。「危ないから行くなって言ったのに行って捕まったのならもうムラの責任ではないわ」と。
2015-02-10 15:43:50ムラってムラの掟に従わないものを完全排除することはないんですよ。よく言いませんか、二大不幸(火事と葬儀)についてはムラが協力してやるのが人情だと。人道ではなく人情。
2015-02-10 15:46:50自分から捕まりにいったような間抜け者であっても、ムラとしてはなんとかしてやらないといけない。人情だから。それになんとかしてやらないとよそのムラから「あそこは薄情だ」と陰口を叩かれる。それは好ましくない。なんとかしてやらないといけない。
2015-02-10 15:48:40「ムラの掟に背いて出ていった奴らをなぜなんとかしてやらないといけないのだ?」 この葛藤からこんな発言さえとびだす。「お前ら自決しろ」 そうすれば我々の葛藤は消えるから、と。
2015-02-10 15:50:12