朝日新聞アフリカ特派員三浦英之氏の「取材」

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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

㉑その夕、大使館前でヨルダン市民による後藤さんの追悼集会が開かれた。現場で取材したが、日本を思うヨルダン市民の気持ちは間違いではないものの、あの演出は過剰だと感じた。参加者の多くが政府系組織の要請できていることを半ば認めた pic.twitter.com/0oYyG7X4BO

2015-02-10 00:20:56
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

㉒私が知る限り、集会があったのはあの場だけ。彼らは大型バスに乗ってやってきた。ヨルダンは日本から多額の支援を受けている。しかし今回交渉は失敗に終わった。政府主導。ろうそくの火を見ながら、厭な味が舌に残った。 pic.twitter.com/itta4yYri4

2015-02-10 00:22:39
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

㉓後藤さんの殺害で日本メディアが帰り始めた。直後、操縦士殺害の映像が流れる。まるで映画のように効果を狙った上で生きた人間を焼き殺す。すぐに父親が待機している集会場に向かった。外では千人の市民が怒りの渦のようになっていた pic.twitter.com/uWyjlrEhWp

2015-02-10 00:24:53
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㉔多くが政府を非難していた。一触即発の状態になったとき、死刑囚の死刑執行の情報が流れた。すると人々は一気に沈静化し、死刑執行と復讐、政府を支持する掛け声だけが延々と続いた。私は恐ろしくなった。政府による情報操作。コントロールされている pic.twitter.com/w9fznchagQ

2015-02-10 00:28:51
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民衆が暴徒化し政府がコントロールできない状態、無政府状態を望む三浦特派員のホンネが垣間見えます。

三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

㉕翌日、再び操縦士の故郷に向かった。午前9時に行くと、死後一度も姿を見せていなかった父親がいた。カメラマンと2人で単独会見。日本への感謝を口にした。地元のテレビ局が2社いたが、海外メディアとしては初のインタビューだった pic.twitter.com/VuZIFYZFFL

2015-02-10 00:31:10
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下衆しかやらない取材だからです。

三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

㉖村の中心にテントが張られ、村人ら600人が詰めかけた。追悼礼拝の最中、爆音をあげて戦闘機が村の上空を飛び去った。カメラマンの話ではその瞬間、父親が「おお、息子よ」と叫んだという。父親が感情をむき出しにしたのは、最初で最後だった pic.twitter.com/ft0TfEgBSc

2015-02-10 00:32:58
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㉗少し書きすぎたかもしれない。でも今回は思い切って書くことにした。日本は潮流に巻き込まれていくと思う。アフリカで取材するものとして、この「悲劇」が日常化しないことを願わずにはいられない。日本はすばらしい国です。誰がなんと言おうと(終) pic.twitter.com/lLQHhuhGpD

2015-02-10 00:36:24
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①イスラム国による人質事件を取材し、昨日ヨルダンを離れた。今回の事件は日本の将来に恐らく大きな影響を及ぼすだろう。備忘をかねて約20日間に及んだ個人的な取材記を残そうと思う。少し長くなるかもしれない。 pic.twitter.com/0eUeuTYQ8x

2015-02-09 22:57:56
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②カイロで後方取材をした後、ヨルダンの首都アンマンに入ったのは1月25日。イスラム国が後藤さんの映像を掲げ、ヨルダン政府にサジダ死刑囚の解放を求めてきた翌日。同僚は3人。2人が日本・ヨルダン両政府の動きを追い、私は一般市民を取材した pic.twitter.com/hwXaW2a80k

2015-02-09 23:09:41
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③イスラム国が死刑囚の解放を求めたとき、市民は中心部を埋め「死刑囚と操縦士を交換すべきだ」と求めた。日本では「後藤さんも操縦士も一緒に」と報じられたが、現場の雰囲気からすると、確かにそういう声も少なくないものの、大多数の人が前者だった pic.twitter.com/AM8tkWLdvl

2015-02-09 23:18:43
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④ヨルダンは親日国。王室と皇室のつながりが深く、多くの市民が日本を愛し尊敬している。例えば入国審査。私は外国人の窓口ではなく、ヨルダン人窓口に並ぶように指示された。それでもしかし、自国の操縦士の救出を優先させる気持ちは当然だと私は思う pic.twitter.com/Z8FY7splxF

2015-02-09 23:22:24
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⑤ヨルダン市民の感情については少し説明が必要だと思う。日本とヨルダンは似ている。歴史的に米国寄りで米国の強い影響を受ける。シリアやイラクと隣接し、市民は自国が紛争に巻き込まれることを懸念。だから米国主導の有志連合の参加に反対した pic.twitter.com/4jWGrmuMpd

2015-02-09 23:27:45
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⑥ヨルダン政府は昨年9月、国民の声を押し切って「参戦」を決めた。昨年12月に戦闘機が撃墜され、中尉が人質に取られたとき、ヨルダンの人々は、「これは政府の決定が導いた惨事だ」と政府に強く抗議した。 pic.twitter.com/mhMRD6AFus

2015-02-09 23:29:10
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⑦今回、地元報道はメチャクチャ。例えば死刑囚の所在。「トルコ国境に向かった」「イラクにいる」「交換された」。全部デタラメ。私は刑務所に足を運んで確かめた。治安責任者は「死刑囚は刑務所にいる。実際に確認に来たのは、君と共同通信だけだ」 pic.twitter.com/fb5i1Q38ad

2015-02-09 23:34:44
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⑧事態が動いたのは28日。イスラム国は後藤さんの映像使い、交換の期限を日没に設定。政府は日没直前に急きょ記者会見を開いた。会見を数度にわけて人数を絞り、質問を制限して一方的にコメントだけを伝えるという「メディア対策」の元での発表だった pic.twitter.com/64WREMcWcB

2015-02-09 23:42:41
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ヨルダン政府、当然の対応。

三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

ヨルダン政府の苦しさがにじみ出た会見だった。発表の趣旨は2つ。操縦士の生存を示せ。死刑囚はヨルダンにいる。日没の期限が来ても交渉が進展していないことの証左だった。担当相は唇をかみ、質問を振り切って逃げるように去った pic.twitter.com/1dyYXn3f8D

2015-02-09 23:46:40
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑩日没後、操縦士の父が市内の集会場で記者会見を開いた。「息子の安否だけでも教えて欲しい」とカメラの前で懇願し、「政府から情報は無い」と暗に政府を非難した。集会場の外では同郷の若者たちが政府に非難の声を上げ始めていた pic.twitter.com/6wk7EskkKx

2015-02-09 23:48:51
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑪その夜、操縦士の故郷カラクに車を飛ばした。操縦士の救出を求める市民の一部が暴徒化し、警察車両などに投石。あちこちで火が上がり、治安部隊が催涙弾で鎮圧に乗り出していた。人々は焦っていた(写真は現地助手撮影) pic.twitter.com/Xlsjlqb7Wa

2015-02-09 23:53:49
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⑫翌日、イスラム国は猶予時間を24時間に再設定。私は操縦士の父親が待機する市内の集会場に張り付いた。100人強のメディアと数百人の市民が取り囲み、情報を待った。そこに後藤さんのあのおぞましい殺害映像が流れた pic.twitter.com/mKifuOG82S

2015-02-09 23:56:06
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⑬直後、現地対策本部のある日本大使館前に張り付いた。午後10時すぎから車の出入りが激しくなり、未明まで続いた。気温数度。寒い。午前4時半に大使館前で記者会見が設定されたが、結局午前7時半までずれ込んだ。一睡もせずに記者会見を待った pic.twitter.com/8ClXyNVV5x

2015-02-09 23:57:43
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⑭午前7時半、中山外務副大臣は拳を握りしめ、苦悶の表情で現れた。肝心なことは何一つ言わない。質問が飛ばないので、私が「日本政府はイスラム国と交渉できていたのですか」と口火を切った。大臣ははぐらかす。再度「明言を」と詰め寄ると無視された pic.twitter.com/HaJUBDK8ld

2015-02-10 00:00:50
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人質事件であること、外交上の機密であること。どちらの面でも正しい中山外務副大臣の対応に逆ギレする三浦特派員。