バレンタインデート

キャバ嬢ソウちんbot @kyabasouchin

今日は出勤前にメガネくんとスカシくんのお店に寄ってくよ。ちょっと早いけど二人にバレンタインのチョコ渡しにね。…メガネくんには二人のお店に行かないと渡せないからね。あと大事な話もしたくてね。

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「こんばんはー。スカシくん、メガネくん、ちょっと早いけどハッピーバレンタイン！」 『おや、わざわざ有り難うございます』 『…お、おう、わりぃな』 「ちゃーんと美味しいチョコ選んできたから味わって食べてね」

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『夕食はもう済ませました？まだでしたら食べていきませんか？』 「そのつもり。あ、でもこのあと出勤だからお酒はいいかな」 『分かりました。いつもの席へどうぞ』

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『でも随分と早いバレンタインでしたね』 「明日は金曜だから二人とも忙しいかなって思ったし、土曜はちょっと寄ってる時間なさそうだったからね。遅れるよりはいいでしょ？」 『バレンタインにもしっかりと同伴か。売れっ子は忙しいな』 「同伴じゃないんだけどね」 『ん？』

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「…二人にはちゃんと報告したいなって思って今日来たんだよね」 『おや？もしかして…上手くいきましたか』 「うん。無事お付き合いすることになりました！」 『そうか…良かったな』

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「二人が背中押してくれたおかげだよ」 『いえ、大したことはしてませんよ。おめでとう、沖田くん』 「…これからもさ、一緒に飲んでくれる…よね？」 『ったりめぇだろ』 『ええ、沖田くんがキャバクラ辞めたって仲良くしたいと思ってますよ』 「…うん、ありがと」

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『で、土曜はそいつとデートか』 「うん。僕が出勤するまでの時間だけだけど」 『…今度、そいつ連れてこいよ』 『てめぇに見合う奴か俺が見極めてやる、ってことですか？』 『なっ！別にそんなんじゃねぇよ！あと俺のマネとかしないでくれよ桂さん！』

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「スカシくん、お父さんみたい」 『誰がてめぇの親父になんかなるかよ！』 「えー、こんな美人な子供いたら鼻高くない？」 『そうだな…ってそういう話してんじゃねぇ！』

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「フフ、じゃあ土曜に来ちゃおうかな。いい？」 『構いませんよ。お席用意して待ってますね』 『…ほ、本当に来るんだな？』 「自分から誘っといてビビッてんの？やっぱりスカシくんってヘタレー」 『そんなんじゃねぇよ！首洗って待ってろ！』 『ちょっと違うと思いますが…』

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土曜日に土方さんを二人のお店に連れてこうと思うよ。…スカシくん、土方さんに噛み付いたりしないよね？

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「土方さん、夕ご飯なんですけど行きたいお店があるんです」 『ああ構わないぞ。総司がオススメするならきっと美味い店なんだろうな』 「もちろん美味しいですよ。まぁご飯だけが目的じゃないんですけどね」 『うん？』 「さぁさぁ行きましょう！」

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「こんばんはー」 『いらっしゃいませー！あぁ沖田くん！お待ちしてましたよ』 『…よう』 『こちらへどうぞ。コートはお預かりしますね』 『有り難うございます』

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『総司はよく来るのか？』 「うーん…月一くらいかな？」 『一人でこんな落ち着いた店に来るのか…案外大人だな』 「案外ってどういうことですかー！もう！」

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『フフフ、楽しそうですね沖田くん』 『…まぁな』 『ちょっと複雑、ですか？』 『んなことねぇよ』 『素直じゃないですねぇ』

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「スカシくん、さっきから顔怖い」 『総司、何かしたのか？』 「人聞き悪いなぁ！」 『…あんた、土方っつったか』 『あ、ああ』 『…その…なんだ…』 『…？』

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『…お、沖田のこと、ちゃんと好きなんだよな？』 「スカシくん！？」 『…ああ、好きだ』 「っ！」 『泣かすんじゃねぇぞ』 『分かっている』

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『良かったですね、沖田くん』 「…うん」 『フフ、顔真っ赤ですよ』 「うるさいなぁ…」 『おや、恋人の前だと沖田くんも牙を抜かれちゃうんでしょうかね』

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『何？高杉さんも総司の客なのか？』 『高杉でいい。桂さんがあそこの店に指名がいてな。俺も連れて行かれるから…知らねぇ奴と話すならそいつでいいかなってな』 『総司…いいのか？他の客に会わせるなんて…』 「スカシくんとメガネくんはいいんです。それに…」

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「土方さんに告白出来たのも二人が背中押してくれたからなんで。だからちゃんと報告しておきたくて」 『沖田は大事な飲み友達ですからね』 『そいつのしょぼくれたツラ、見てて気分いいモンじゃねぇからな』 『…そうか。良かったな総司。良い友人を持ったな』 「…はいっ」

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『…沖田くん、時間は大丈夫ですか？』 「え？…あ！ヤバ！メガネくん、お会計！」 『総司、店に電話しておけ』 「え？」 『同伴なら出勤時間遅れても問題ないだろう?』 「いいんです？」 『長居は出来ないがな』 「ごめんなさい…でもちょっと嬉しいです」

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「バタバタしちゃってごめんね？また来るから」 『いえ、私達もまた遊びに行きますね。土方さんもまたいらして下さいね。今度は二人で飲みませんか？』 「メガネくんやめて！土方さんナンパしないで！」 『失礼な。私は人のものには手を出さない主義です』

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『またお邪魔します。高杉も、またな』 『おう』 「ご馳走様。またねー」

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「土方さん、お店に行く前に…これ」 二人のお店を出てエレベーターに乗ったときに土方さんにチョコを渡した。 『ん？…そうか、今日はバレンタインだったな。有り難う』 「お口に合えばいいんですけど」 『店に着いたら一緒に食べよう。…お返し、になるかは分からんがこれをやる』

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「…鍵？」 『うちの鍵だ。好きなときに来い』 「い、いいんですか！？」 『あまり会う時間が取れていないからな。このくらいしかしてやれなくてすまない』

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「いえ！嬉しいです！フフ、じゃあ今度ベッドの中からおかえりなさいしますね」 『……』 「冗談ですからそんな微妙な顔しないでください！」 合鍵！合鍵貰っちゃった！