鋼鉄の咆哮×艦隊これくしょんSS「超兵器の金剛 2」

横須賀鎮守府に着任した戦艦金剛の戦いははじまったばかり。
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さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

艤装が砕けようと、体が傷つこうと、お互い相手が倒れない限り砲撃をやめることはなかった。 そして先に膝をついたのは……長門のほうだった。 彼女の主砲はすべて破壊され、艤装は砕け、服ははぎ取られたかのようにボロボロであった。 #超兵器の金剛2 (50)

2015-02-15 04:17:16
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「ふ、ふふ……」 膝から崩れ、腰まで海に使った長門が小さく笑う。 超兵器は忌々しげに顔をゆがめ、残っていた砲をその頭につきつけた。 「……ああ、なんだ。意外と馬鹿なんだな、お前」 ≪アアッ!?≫ 「"私以外にも敵はいるだろうが"」 ≪!!≫ #超兵器の金剛2 (50)

2015-02-15 04:18:53
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「はああっ!」 超兵器の背後から高速で接近していた吹雪が、持ちうるすべての魚雷を叩きこむ。 回避行動をとる暇もなく、魚雷を受けた超兵器が痛みにのたうちまわった。 「私だって巡洋艦なんですっ!」 大淀が15.5cm砲と高角砲を連射し、吹雪を援護する。 #超兵器の金剛2 (51)

2015-02-15 04:22:14
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

≪アア! アアア!≫ 超兵器の艤装もすでに限界を迎えていた。 反撃するたびに軋み、歪み、ついにはヒビまで入って可動自体ができなくなっていた。 照準を合わせられず、体ごと向けて砲撃する姿はまさに獣。 頭に血を登らせて叫ぶその様子は狂気の塊であった。 #超兵器の金剛2 (52)

2015-02-15 04:24:40
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「ドレッドノートォ!」 超兵器がその声に振り返る。 蒼い稲妻を奔らせた砲身が自身に向けられているのを確認したとき、彼女は力の限り叫んで身をよじった。 ≪アアアアアアアアアア!≫ 「拡散荷電粒子砲、ファイアァ!!」 光の束が、ドレッドノートを貫いた。 #超兵器の金剛2 (53)

2015-02-15 04:27:28
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

≪ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァ……ァ……≫ 血にも似た色の燃料をまき散らしながら、ドレッドノートは沈んでいく。 その姿が完全に没したと同時に、大爆発が起こった。 金剛は、足元に流れ着いた何かを拾いあげ、胸を張って言った。 「超巨大潜水戦艦、撃沈ネ!」 #超兵器の金剛2 (54)

2015-02-15 04:30:15
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

「ふふ、やった、な」 苦しそうにえづきながら、長門が近づく。 金剛はすぐに手を伸ばし、その体を支えた。 「気に、するな。あいつを沈めることができて、満足だ。ありがとう」 「礼を言うのは、こっちのほうネ。ワタシを信じてくれて、アリガトウ」 #超兵器の金剛2 (55)

2015-02-15 04:33:54
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

こうして、第零遊撃艦隊の初任務は終わった。 超巨大潜水戦艦「ドレッドノート」は撃沈され、鎮守府海域は再び静寂を取り戻した。 だが、彼女たちの戦いが終わる気配は、無かった。 #超兵器の金剛2 (56)

2015-02-15 04:35:22
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

<<どこかの海、どこかの氷山>> 「ふうん……沈んじゃったんだドレッドノートも。"この世界にも"強い艦がいるようね。ふふふ……」 #超兵器の金剛2 (57)

2015-02-15 04:37:22
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

獲得アイテム <新型対潜誘導魚雷、61cm誘導魚雷、45.7cm65口径> (58)(終わり) #超兵器の金剛2

2015-02-15 04:39:28