睡眠と睡眠薬について

鈴木映二先生の連ツイです。
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鈴木映二 @suzuki_seishink

「睡眠と睡眠薬についての連ツイです」①今や日本人の5人に1人以上は不眠症だと言われていますが、実際に不眠症という診断が客観的につく人はずっと低い数字になるのではないかと思っています。ご自分が本当の不眠症かどうかを判断するには、まず睡眠について正しく知ることが大切です。(続く)

2015-01-14 13:38:28
鈴木映二 @suzuki_seishink

②年齢が高くなるにつれ睡眠の深さも浅くなります。これは自然な事で病気ではありません。若い時にはもっとよく眠られたということを訴える方がいらっしゃりますが、それ自体は病気ではないのです。すぐに寝付かない、すぐ起きてしまうという事をあまり気にすることもありません。(続く)

2015-01-14 13:38:38
鈴木映二 @suzuki_seishink

③しかし、年齢が行っても非レム睡眠の時間は比較的保たれるので、睡眠時間が短くなっても、それほど気にすることもありません。60代になると5時間くらい眠られればほぼ平均に近いとお考えください。4時間くらいになってしまう人も珍しくはありません。睡眠時間にこだわる事はありません。(続く)

2015-01-14 13:38:53
鈴木映二 @suzuki_seishink

④不眠症の診断基準は複雑ですが、大切なのは「昼間の弊害がもたらされる状態」であるかどうかです。勿論家事も出来ない、出かける事も出来ないというのでは大問題ですが日中に多少眠たくなったりするのは病気ではありません。つまり、何でもかんでも不眠症だと自分で病気にならないことです。(続く)

2015-01-14 13:39:05
鈴木映二 @suzuki_seishink

⑤不眠の原因になる事をあげてみます。生活習慣、ストレス、アルコール、カフェイン、精神疾患、身体疾患、→当てはまる事は改善してみましょう。ひとつも当てはまらないのに昼間の生活が支障を受けるほど眠られないのであれば不眠症かもしれません。(続く)

2015-01-14 13:39:14
鈴木映二 @suzuki_seishink

⑥また、特殊な不眠症として「睡眠時無呼吸症候群」と「ムズムズ足症候群」があります。この二つの頻度は結構高いので、いびきがひどい人や睡眠中に呼吸が止まる人は耳鼻科に相談し、足がムズムズ、ヒリヒリして眠られない人は当院や神経内科などに相談してください。(続く)

2015-01-14 13:39:22
鈴木映二 @suzuki_seishink

⑦私が、なぜ不眠症の診断に慎重かというと、むやみに睡眠薬が処方される傾向が日本では強いからです。特に、よく診断もせずに眠られないからということですぐ睡眠薬を処方する医師が少なくありません。私の経験では患者さん思いの優しい医師に限ってその傾向があるように思います。(続く)

2015-01-14 13:39:35
鈴木映二 @suzuki_seishink

⑧睡眠薬は飲み始めの1週間が一番効く時期で、その後は段々効かなくなります。半年もすればほとんどプラセボ効果と言って、薬を飲んでいるという安心感だけの効果に近くなります。(続く)

2015-01-14 13:39:44
鈴木映二 @suzuki_seishink

⑨実際に睡眠薬がどれくらい効くかというと、脳波などで客観的に判断した場合、寝付く効果はせいぜい10分くらい、睡眠を持続する効果でも30分程度に過ぎないことが分かってきています。睡眠薬に過度に期待してはいけないのです。(続く)

2015-01-14 13:39:54
鈴木映二 @suzuki_seishink

⑩しかも、睡眠薬は起きた次の日もずっと体に残っています。次の日の仕事の能率に影響する可能性もあります。法律上は睡眠薬を飲んだ次の日は運転してはいけないことになっています。睡眠薬を飲んだ日の夜中に起きると転んだりする確率が高くなります。(続く)

2015-01-14 13:40:02
鈴木映二 @suzuki_seishink

⑪なるべく睡眠薬を飲まずに以下のような工夫をして、良い睡眠をとるように心がけてください。痛みなどの原因を取る。眠ろうとあがかない。睡眠時間を気にしない。起きる時間を一定にする。生活リズムを一定にする。日中の運動。寝室の静けさ、温度、湿度、臭い、暗さ、寝具など。昼寝しない(終了)

2015-01-14 13:40:12