胡蝶巡りし希いの淵　一日目の現実

悪魔《ファルドル》 @DemonFabelwesen

「……であればこそ。貴女には悔いのない決断をしてほしい。まだ時間はございます。……私は、ええ。そう。契約が成れば、申し出の通り……」 「貴女の、すべてを」 すべてを。海色の彼女が言うままの音で。 「――奪い尽くしましょう。それを、貴女が望むなら」

悪魔《ファルドル》 @DemonFabelwesen

「だからこそ、今は時間が必要です。ディアドラ」 「――我が黄金」 囁きは闇色に溶けて――

人間《ディアドラ》 @actSkbz

──反論を返す前に、姿は闇色へ紛れ、溶けるように消えて行き。 可愛らしいだとか、何とか。 例え戯れの言葉とて、言われ慣れねば気も恥ずかしく。 窓辺に干した薬草を、見やりながら。 「──んっと、ばかじゃないの……！」 真っ赤に染まった頬を隠すように、顔を両の手で覆った。

人間《ディアドラ》 @actSkbz

. ──夢魔の手招く、二度目の夜は、もうすぐそこに。 .