九州全体の銀行の話 by @tsuchie88

怪僧つっちーさんの九州の銀行の話をまとめました。
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九州全体の銀行の話 by @tsuchie88 (怪僧つっちーあるときは17歳のJK)

怪僧つっちーさんの九州の銀行の話をまとめました。

(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

Reading:肥後銀と鹿児島銀の統合名「九州FG」に NHKニュース nhk.jp/N4Hr6W0f 昨日話題にしたばっかりなのに、肥後銀と鹿児島銀の統合の話が・・・。それにしても、「九州FG」ですか、「九州親和HD」を思い出しますぬ

2015-02-17 19:41:44
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

さて、まぁ今日も地銀とシステムの話でもしようかと思ってたけど、ちょうどいいので九州全体の銀行の話をしてむる

2015-02-17 19:44:05
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

九州の地銀というのは、結構個別で見ると面白いところがたくさんあるんだけど、全般的な概況を見ると疲弊する地方経済を反映して、結構経営環境が厳しいところが多い。だからこそ、ユニークな経営のところが多いという側面があるのだが、貸し出しが厳しいのでどうしても他県で貸し出しを行うようになる

2015-02-17 19:45:35
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

とはいえ、他県でも環境が厳しいので、どうしても進出先というと、福岡や長崎といった資金需要のあるところ、ということになる。が、その福岡や長崎もかなり状況が厳しい。長崎の場合には、かつて地銀2行、第二地銀2行がある状態で、県外から進出してきてもなかなか営業を拡大しにくい。

2015-02-17 19:47:45
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

長崎に比べて、福岡は格段に人口も多く、産業も集中している上に、トヨタや日産が新たに進出しはじめるなど、産業としても成長性のある地域なんだけど、その福岡にあっては、最大地銀の名門福岡銀行を筆頭として、戦後地銀で規模が大きい西日本銀行第二地銀の雄といわれた福岡シティ銀行があった

2015-02-17 19:49:40
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

この他に、さらに地銀と第二地銀が1行ずつあり、合計で5行が県内にひしめき合う状態にあった。これだけに止まらず、北九州市には隣県の名門地銀山口銀行が進出していて、それなりにシェアがある。つまり、福岡経済圏は多数の有力地銀が競いながら、旧州全域の地銀ばかりか山口からも進出される激戦区

2015-02-17 19:51:40
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

こういう厳しい環境なので、バブル後の経営問題を抱えるところも少なくなかった。長崎の場合だと、第二地銀の長崎銀行が福岡シティ銀行の支援を受け、やはり経営問題を抱えていた佐世保地盤の地銀親和銀行が、県内の第二地銀九州銀行と共同持株会社を結成し後に合併したのが、九州親和HD

2015-02-17 19:58:01
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

その親和銀行も、巨額の不良債権の重みに加えて、頭取がスキャンダルで逮捕(後に獄中で死亡)するなど経営が混乱し、結果的に福岡銀行に救済されることになる。同様に、熊本の第二地銀福岡ファミリー銀行を傘下に入れた福岡銀行は、福岡FGを結成する

2015-02-17 20:00:40
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

積極的に九州圏内の問題地銀を傘下に組み入れることで、地盤の福岡圏内での競争を緩和させる策に出ている福岡銀行であるが、システム的にも非常にユニークである。90年代に、地銀協の中では地銀の基幹系システムを単一の共同システムへ統合させる構想があった。いろいろ難しいので、ぽしゃったのだが

2015-02-17 20:02:54
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

の構想は、いくつかの銀行で、共同システム化という発想に繋がっていくのだが、その一つに福岡銀行と広島銀行の共同システム化がある。両行は、直接には営業地域がかぶらない。そして、山口銀行という共通の敵がある

2015-02-17 20:07:32
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

そこで、両行のシステムを共同化して、システムコストを削減しようとした。両行とIBMは、共同でCSOLというシステム運用会社を設立して、広島銀行のセンターを使って共同運用システムを構築して、福岡銀行のセンターにバックアップサイトと開発センターを開設した。

2015-02-17 20:09:27
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

両行は、保有するシステム資産を持ち寄ったが、基本的には福岡銀行の勘定系(IBM)をベースに構築されている。初期は、MVSベースのシステムだったが、OSをz/OSにバージョンアップしているし、IMSベースのシステム環境はかなり先進的なシステム

2015-02-17 20:11:03
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

こうして、システムコストが安くなったところで、九州圏内の地銀を持株会社傘下の子会社化していくと、システムを自行ベースのシステムに置き換えていった。共同化システムは、傘下行が増えるとどんどんコストが安くなる。しかも、業務手順が統一できるので、調達コストも安くなる。

2015-02-17 20:12:37
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

この手法は、米国のスーパーリージョナルバンクと呼ばれる地域銀行が良く採る手段で、グラススティーガル法下では州際銀行に規制が加えられていたところに、規制緩和の波がくると、買収した銀行のシステムを統一システムに置き換えて間接コストを安くして競争力を高めていったのに似ている

2015-02-17 20:14:10
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

さて、一方の九州県内のライバル行はというと、競っていた西日本銀行と福岡シティ銀行が経営統合して西日本シティ銀行が誕生する。共に、不良債権を抱えてはいたものの、経営統合で勢力を挽回、福岡FGの有力な競争相手として現存している。

2015-02-17 20:21:45
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

システム戦略で見ると、元々福岡シティ銀行は第二地銀ながら先進的なシステム開発で知られていた。特に勘定系システムのコスト低減よりも、情報系システムへの投資が積極的で、当時の都銀でもまだ未開拓だったDWHの構築で、営業部門のてこ入れを行っていた

2015-02-17 20:23:18
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

一昔前は、地銀のシステム部門が先進的な銀行の見学に行く先といったら、八十二か福岡シティだったりした時期があった。共に、長野詣で、福岡詣でとかいわれてたりしたのよね

2015-02-17 20:24:22
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

福岡シティのDWHは、勘定系や情報系から生データを1時間置きにDWHに集めて、営業現場が必要とする顧客の取引情報をだいたいリアルタイムに近い形で得られるというすごいシステムだった。このシステムを武器に、福岡シティは高い収益率を誇っていた

2015-02-17 20:27:05
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

経営統合後、システムは西日本シティベースの勘定系に置き換えられ、しかも勘定系システム自体がNTTデータの地銀共同センター(BeSTA系)に置き換えられてしまうんだけど、この辺りの思い切りの良さがさすがだと思う。

2015-02-17 20:28:32
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

コストのかかる勘定系などとっとと捨ててしまい、経営資源をクソ金をこく情報系やDWHへの投資に集中させるという戦略をとったわけだ。システム共同化したとはいえ、西日本シティのシステム部門は昔以上に温存されていて、かなり強力

2015-02-17 20:30:17
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

では、福岡以外の地銀はどうか。良く引き合いに出されるのが、いわゆる九州三地銀肥後銀行の話。肥後銀行は昨日やったので、三地銀の話をする

2015-02-17 20:32:04
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

九州三地銀問題とは、老朽化した勘定系システムを抱えた十八銀行(長崎)、佐賀銀行(佐賀)、鹿児島銀行(鹿児島)の地銀システムの刷新問題。この三行は、元々かなり優秀なシステム部門を抱えていて、第二次オンラインシステム時代に、それぞれ苦労してシステムを構築していた

2015-02-17 20:35:48
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

すみません、九州三地銀は、十八銀行(長崎)と佐賀銀行(佐賀県)、筑邦銀行(福岡)でございます。謹んでお詫び申し上げます

2015-02-17 21:03:08

ちょっとオンライン・システムの先進性の話に脱線(前フリ?)