鋼鉄の咆哮×艦隊これくしょんSS「超兵器の金剛3」

さのすけ @_SANOSUKE_SAN_

そうだ。そうだった。 こんなものじゃなかった。 思い出せ。あの空を。 ヘルキャットがいた。コルセアがいた。ヘルダイバーが、アベンジャーが……私を襲ってきた。 あの地獄に比べれば……こんなもの、こんなもの。 「そう、よね！　こんな攻撃、へでもないわ！」(50) #超兵器の金剛3

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「大和さん！　その主砲はどうすれば撃つことができますか！？」 「一瞬、ほんの一瞬でもいいから隙を作って！　必ず、あいつに叩き込んで見せる！」 二人の会話を聞いていた金剛は、口元に笑みを浮かべた。 「部の悪い賭けは大好きデス！　乗りまショウ！」(51) #超兵器の金剛3

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再び艤装が電気を帯びる。 「ファイアァー！」 金剛が荷電粒子砲を放った。 自らの、真下に。 次の瞬間には海面が爆ぜ、大きくしぶきを上げた。 魚雷艇が数十艇吹き飛ばされた。 「今なら！」 大和の主砲がデュアルクレイターを狙うが、残った魚雷艇が彼女に殺到した。(52 #超兵器の金剛3

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「させないって、言ってるんですー！」 雪風の魚雷発射管から、誘導魚雷が飛び出した。 魚雷艇の推進音を完璧にとらえ、次々に沈めていく。 『フフフフフフフウウウウウウ！』 再びロケットが放たれたが、大和は口元に笑みを浮かべた。 「遅いイイイイいィィィィ！」(53) #超兵器の金剛3

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二基四門から放たれた18インチ砲弾は、ロケットがはじける前にそれらを貫き、そのまま威力を落とすことなく、デュアルクレイターの胸元へ吸い込まれる。 直撃だった。 『ブグウアァアァ……！！』 デュアルクレイターが、大きく穴のあいた体を両腕で抱きしめる。(54) #超兵器の金剛3

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忌々しげに表情をゆがませて顔を上げれば、そこには大和が砲口を向けて立っていた。 魚雷艇は、デュアルクレイターがダメージを負った影響か、すべて停止していた。 『グ、グググ……！』 その頭に、砲が突きつけられる。 「この世界に来たことを、後悔するといいわ」(55) #超兵器の金剛3

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プラチナブロンドが、宙を舞った。 デュアルクレイターの体が大きく仰け反って後ろに倒れ、そのまま沈んでいった。 「はあ……はあ……？」 大和は足に当たった銀色のコンテナを拾いあげ、艤装に固定した。 超巨大双胴強襲揚陸艦「デュアルクレイター」は、撃沈された。(56) #超兵器の金剛3

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第零遊撃艦隊が横須賀に帰還できたのは月が夜天に輝くころだった。 港では彼女たちを心配した艦娘が大勢、というより鎮守府に所属するすべての艦娘が集結していた。 すぐさま艦隊全員がドックへ入れられ、入渠を行った。 湯船につかると、緊張が解け顔がほころんだ。(57) #超兵器の金剛3

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「イヤー、それにしても大和サンの最後のセリフ、かっこよかったネー」 「そ、そうですか？　あの時は私も無我夢中で……」 「金剛さんの言うとおりです！」 「もうっ！　ゆ、雪風まで……」 すっと、雪風が大和に寄り添う。 「大和さん……」 「ん、何……？」(58) #超兵器の金剛3

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「雪風は、後悔してませんよ……？」 見上げるその顔を両手で抱きしめる。 「私もですよ……」 離れた場所で二人を眺めていた金剛が、ふふ、と小さく笑った。 「それは、ワタシもデース……」 その小さな小さな返答は、誰に聞かれることもなく、掻き消えた。(59) #超兵器の金剛3

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＜＜どこかの海、どこかの氷山＞＞ 「あらあら、デュアルクレイターも沈んじゃったわ」 「意外と役に立たなかったわね。お姉さま」 「ええ。次の子は、もっとうまくやってくれるでしょう……ふふふ」 「それは楽しみだわ、お姉さま……ふふふ」(60) #超兵器の金剛3

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獲得アイテム　＜30cm墳進砲、多弾頭墳進砲、57mmバルカン砲＞　(61)(終わり) #超兵器の金剛3