学校給食―その根深い問題

「給食を満足に食べられない・・・。」そんな子どもたちもいるようです。 学校給食にまつわる問題や言説についてまとめてみました。
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一宮市教職員労働組合(一宮市教組) @138shikyoso

【給食費値上げの問題点①】最大の問題点は、一宮地区と尾西・木曽川地区の値段を統一するために、一宮地区の保護者に1食当たり10円の不当な値上げが押し付けられている点です。統一しなければ、一宮地区は1食当たり10円安くてもやっていけます。

2015-02-25 17:52:15
一宮市教職員労働組合(一宮市教組) @138shikyoso

【給食費値上げの問題点②】保護者への値上げ通知は、各学校から出された紙一枚。そこには、両地区の給食費を統一するための値上げである旨が記載されていませんでした。自分の地区の値段しか載っておらず、他地区の値段は分からないようになっていました。

2015-02-25 17:55:46
一宮市教職員労働組合(一宮市教組) @138shikyoso

【給食費値上げの問題点③】自治体によっては、給食費をいくらか補助しているところもあります。今回も、値上げ分を市が負担することはできないのでしょうか。特に、給食費統一のための不当な値上げ分を保護者に負担させるのは全く道理が通りません。

2015-02-25 17:58:56
一宮市教職員労働組合(一宮市教組) @138shikyoso

【給食費値上げの問題点④】市教委の議事録を見ると、学校給食審議から答申された内容について一切議論されることもなく、そのまま原案通り可決されました。

2015-02-25 18:01:31
一宮市教職員労働組合(一宮市教組) @138shikyoso

【給食費値上げの問題点⑤】給食費統一の先にあるのは給食方式の統一、すなわち、自校方式の廃止=センター方式への一本化です。尾西・木曽川地区の先生方、このままではおいしい自校給食が食べられなくなってしまいますよ。一宮の給食の問題を一緒に考えていきませんか?

2015-02-25 18:03:32

学校給食、基本の「キ」

そもそも、日本の学校給食の調理方式は、以下の通りとなっています。

単独調理方式(自校方式)
学校に給食室を設置して給食を調理する方式。

共同調理場方式(給食センター方式)
複数の学校の給食を1つの調理場で調理し、専用の配送車で各学校へ配食する方式。施設・設備・人件費や給食事務を合理化して経費を節減できるという長所がある反面、各校への距離と配送時間の関係から調理時間が限られ献立に制限がある、給食を食べるまでに時間があるため温度管理などが難しい、各校の献立に対する要望が反映されにくい、食中毒が発生した場合には広範囲に及んでしまうといった短所もある。

外部委託方式
外部の給食業者に委託し給食業務を分散して行う方式。給食は、長らく施設の一部として管理運営がなされてきたが、非効率的であるとして管理運営の一部を給食産業へ委託するケースも見られるようになってきた。「外部委託により質の低下が起こるのではないか」と保護者の心配もあり、自治体と保護者などが協議会を作り、委託状況を監視している所もある。その一方で、学校給食は、学校の地位を高めるとして、ホテルに給食サービスを委託する動きもある(京都の同志社小学校と立命館小学校がホテルに給食を委託した。

(Wikipedia「日本の学校給食」より一部抜粋)

リンク:http://ja.wikipedia.org/wiki/日本の学校給食

 今回の例で言えば、北九州市も大阪市も、外部の給食業者に給食の製造を委託していたため、いずれも「外部委託方式」の調理方式に当たります。この調理方式では、学校や保護者の側から調理の過程が見えにくく、管理しにくいというデメリットがあるようです。(給食センター方式でも同様かもしれません)。

 一宮市教職員組合が主張するように、確かに自校方式で給食費の削減を考える手も一見ありそうですが、生徒数の少ない田舎の公立学校ならともかく、給食づくりに携わる人員を、生徒数の多い都市圏の学校単位で雇うというのは、給食費の高騰以前に余計なコストが掛かりそうです。

相次ぐ学校給食問題に対し、こういう意見も。

タツコマ@一夫多妻※太め好き @TATukoma1987

前々から思うんだけど、大都市圏の教育関係者ってのは食というものがどれだけ教育に多大な影響を与えているのかって事を理解していない気がしてならない。生きるために給食食ってる貧困層はまだしも、中間層以上は飯がマズいとやる気に関わるんだよなあ。

2015-02-27 17:58:13

対策は?独自の取り組みは?

例えば、富山県砺波市教委「学校給食危機管理マニュアル(異物混入編)」
http://www.city.tonami.toyama.jp/shisetsu/kyushoku/ks_hp/kikikanri/ibutumanyuaru.pdf

また、
相次ぐ異物混入受け学校給食衛生管理講習会
(OBS大分放送ニュース,2/6 19:04)

相次ぐ異物混入を受けて学校給食に携わる職員を対象に衛生管理講習会が大分市で6日、開催されました。
6日の講習会は相次ぐ異物混入を受けて県教育委員会が初めて実施したもので、県内各地から調理員やパン・炊飯工場、食材の納入業者などおよそ300人が参加しました。
講習会では2014年度県教委に報告された学校給食の異物混入事案が31件にのぼることが説明されました。
原因で最も多かったのは虫の混入で9件、次いでビニール片、金属片などとなっています。
異物混入は調理の時だけでなく加工品の製造過程でも起こることがあります。
参加した業者は衛生管理の重要性を改めて認識していました。
県教委はこうした講習会を通じて学校給食の安全・安心の確保に繋げていく方針です。(記事全文)

リンク:http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=02060029207&day=20150206

食育防災センター4月8日稼働へ 町議ら招き内覧会
(苫小牧民報社web,2015年 2/19)

白老町が石山工業団地に建設を進めていた白老食育防災センター(仮称)が完成し、町に引き渡された。19日には町議会議員などを対象とした内覧会が開かれ、最新設備や防災機能を盛り込んだセンターの役割に理解を深めた。外観はアイボリーを基調とした配色で、内部も衛生環境で最新のシステムを導入。最大1300食の学校給食に対応している。災害時の食糧配給機能も持たせた複合施設として4月8日から稼働を開始する予定だ。

 敷地面積6132平方メートル。鉄筋コンクリート造り2階建て床面積は1715平方メートルの広さを誇る。給食調理のほかに防災、食育の機能を併せ持ち、非常食も備蓄したり、災害支援部隊の連絡調整や待機場所としても活用することが決まっている。

 1階部分は給食用の炊飯室をはじめ、調理室、下処理室などを設けており、アレルギー食に対応する専用の調理室も設置している。肉と魚、野菜で食材搬入場所を分けているほか、処理室、洗浄ラインも別。衛生環境を考慮して床面を乾燥させておくドライシステムを導入し、場内を汚染と非汚染区域に分離するなど細心の衛生管理を取り入れている。 

 2階は会議室や備品庫などを設けているほか、窓越しに調理している様子が見える見学者用通路も設けた。施設全体では通常は給食調理が中心業務となるが、防災教育に関する学習での利活用も視野に入れている。

 現在の給食センターは職員数11人で稼働しているが、移転後は新たに7人を増やして18人体制で運用する考え。初回は4月8日に約1200食前後の給食を調理し各小中学校に配送する予定。将来的には新たなメニュー開発にも取り組む意向で、町民の見学機会を設けたり、食育学習で調理の様子を見学できる時間の導入も検討中という。

 施設については町議会定例会3月会議で設置条例案が提案される予定で、審議の中で施設名も協議する。(記事全文)

リンク:http://www.tomamin.co.jp/20150222387

俺たちが白老を変える @oreshira

ついに4月から稼働ですね。白老町の新しい取り組みとして、大きな効果を期待したいですね! 食育防災センター4月8日稼働へ 町議ら招き内覧会 ow.ly/JA6Bm

2015-02-25 17:10:14

私見・総括

何か、学校給食問題で世間を騒がせるのって、都市圏が多いような気がするのですよね・・・(事例で取り上げたのも北九州市、大阪市ですし)。気のせいだとも思いますが。

私の通っていた小中学校では、学校に「給食室」というのがあって、そこでちゃんと全員分の給食が作られ、出来立ての状態で配膳されていました(いわゆる「自校方式」)。田舎の公立学校というのもあって、人数が少なかったからこそできたというのもあるかもしれません。たまに、いつも給食を作って下さるおばさんたちに感謝の手紙を書く授業も行われました。

この記事を書く中で、いかに私の環境が恵まれていたのか、同時に学校給食一つでここまで根深い問題があるのかと、痛感いたしました。色々な対策や対案があると思いますが、私自身の口からは、せいぜい「出来立ての給食が安心な形で運ばれると、子どもたちもそのために学校に行きたくなるものだよね」くらいのことです。けれども、これが大事なんだと思います。「学校給食が子どもたちの学習意欲に関わる」とコメントしていた方もいらっしゃいました。現在様々な「学校改革」が行われようとしていますが、給食から始める学校改革の在り方も、児童生徒の学ぶ姿を直視して考えていくべきなのかもしれません。