ズンズン運動などの無免許マッサージ・医業類似行為撲滅のための訴訟を考える。

ズンズン運動の施術を行っているNPO法人、キッズスタディオンの代表が業務上過失致死傷罪で逮捕されたが、刑事裁判であはき法第12条(医業類似行為の禁止)の最高裁判例を変更するのは困難と思われる。 そのため検察・警察任せでは「怪我人や死人が出るまで放置」という状況は変わらない。 そんなわけで民事であはき法第12条の解釈を問えないか、考えてみた。 弁護士費用などの訴訟費用も考えた場合、ズンズン運動セミナー受講者に、NPO法人を訴えてもらうのが贖罪としてもいいのではないかと考えた。 続きを読む
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このまとめで出てくる「あはき法」とは
「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」
です。

第一条  医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

第十二条  何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法 (昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。

医師法第17条
医師でなければ、医業をなしてはならない。

びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

過去のまとめでも述べているが、無免許マッサージや整体、カイロなどが被害者が出るまで放置されているのは最高裁の判例により 医業類似行為の禁止処罰には 「人の健康に害を及ぼす虞(おそれ)」 の証明が必要だからである。 そしてその証明は面倒くさい。

2015-03-09 02:00:58
まとめ なぜ整体やカイロ、無免許マッサージは放置されているか。 国家資格を持たない施術者による独自マッサージにより乳児が2人死亡。 なぜこのような業者が野放しになっているのか、また一般の方ができる自衛策などをつらつらと。 タグの編集は禁止しておりますのでいいタグがあれば@願います。 2014/09/10 モトケンさんとのやりとりを追加 新潟の事件は新潟地検が不起訴処分にしたことが報道される。 2015/3/4追加 大阪府警は4日、施術を行った新潟県上越市のNPO法人理事長・姫川尚美容疑者(57)を業務上過失致死容疑で逮捕した。 2015/06/08 新潟での死亡事件に関し、3月5日、新潟地方検察審査会は「起訴相当」の議決を行った。 2015/06/09 大阪地裁での2回めの公判で起訴内容を認める。 2015/08/04 大阪地裁で有罪判決 禁錮1年執行猶予.. 192971 pv 2004 349 users 2899
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

今回の事件は被害者が出たから業務上過失致死傷罪として逮捕されたのである。 業務上過失致死傷罪で有罪判決を得るには施術と死亡の因果関係を証明する必要がある。 つまり施術が人の健康に害を及ぼす虞がある旨、証明するのと同義である。

2015-03-09 02:01:39
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

なので有罪判決を得ても、「被害者が出るまで放置」という状況はこれまでと変わりない。

2015-03-09 02:02:00

2015/3/26
大阪地検が業務上過失致死傷罪で起訴。
医師法違反は起訴猶予。
あはき法には触れられておらず。

びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

マッサージ後乳児死亡、元理事長を起訴 業過致死罪で  :日本経済新聞 s.nikkei.com/19PQbhE 「加害者はいまだに亡くなった息子に謝罪や反省の意思を示そうとは一切していない。国家資格を持たないものが危険な施術を行うことを厳罰化できるよう法改正してほしい

2015-03-26 12:14:58
リンク www.nikkei.com マッサージ後乳児死亡、元理事長を起訴 業過致死罪で 大阪市で昨年6月、乳幼児向けマッサージを受けた神戸市の生後4カ月の男児が死亡した事件で、大阪地検は25日、NPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」元理事長、姫川尚美容疑者(57)を業務上過失
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

では今の状況を放置するしかないのか? 刑事がダメなら民事があるじゃない。 刑事では問題なくても民事で違法というのはグレーゾーン金利や名誉毀損で、刑事処分はされてないのに賠償判決が出てたりするのを考えてもらえば良い。

2015-03-09 02:02:28

法的責任について

びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

法的「責任」とは何か - 弁護士 小川義龍 の言いたい放題 ogawalaw.hatenablog.com/entry/2014/05/… "刑事裁判で無罪となっても、それは犯罪として罰せられなかったというだけで、民事責任は発生する場合がある。"

2015-03-08 00:29:01
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

@binbo_cb1300st "刑事責任<民事責任<道義的責任 右側から左側を包含する階層構造になっているのが法的観点で見た場合の責任である。" 図にするとこんな感じ。赤線から外は合法のゾーンである。 pic.twitter.com/8UBOwZ273E

2015-03-09 01:16:27
拡大
リンク http://ogawalaw.hatenablog.com/ 法的「責任」とは何か - 弁護士 小川義龍 の言いたい放題 法的責任って理解してますか? 法的な意味で「責任」を追求するという場合、世間にはその責任をごちゃっとひとかたまりで捉えている人が多そうだ。 このため、例えば借金を返済しない者に対して、警察に訴えたい、捕まえて欲しいと言う人が出てくる。しかし、この責任の取らせ方はちょっと違うのだ。 そこで、法的に「責任」といったとき、それは一体なにを意味するのかということを一般向けのイメージとしてごく簡単に語ってみたい。法学的に正しい理屈を語ろうとするものではないので念のため。 3つの責任 およそ「責任」と言った場合、法的
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

最高裁判例は変えられないものではない。 実際、尊属殺人の重罰規定や婚外子の相続差別も過去には合憲判断がされており、時代の変化の中で違憲判決となったわけである。 行政官である検察と違い、民間人の訴訟は最高裁判例に背くのも可能である。

2015-03-09 02:03:03

今日の状況を生み出した最高裁判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51354

判決文より引用

それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであつて、このような禁止処罰は公共の福祉上必要であるから前記法律一二条、一四条は憲法二二条に反するものではない
(略)
原判決は被告人の業とした本件HS式無熱高周波療法が人の健康に害を及ぼ す虞があるか否かの点についてはなんら判示するところがなく、ただ被告人が本件 HS式無熱高周波療法を業として行つた事実だけで前記法律一二条に違反したものと即断したことは、右法律の解釈を誤つた違法があるか理由不備の違法があり、右の違法は判決に影響を及ぼすものと認められるので、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものというべきである。

びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

判決文では人の健康に害を及ぼす虞という条件を示す際、「禁止処罰」という文言を使っている。 「禁止」又は「処罰」、「禁止」及び「処罰」ではない。 なので禁止規定自体に条件を付けているかどうかは不明である。

2015-03-09 02:03:33
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

もちろん、禁止規定自体に条件を付けている、という解釈も可能だし、世間はその前提のようだ。 しかし当時と現代の状況の違いを考えると判例を変えることは不可能ではないはず。 判決は昭和35年。原審裁判は昭和29年。 まさに戦後であり、国家の規制よりも個人の自由を重視したとも言える。

2015-03-09 02:05:05
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

現代はどうか。 国民生活センターの報告書も出たように、取り締まられずにいた無免許業者により健康被害が出ていることが明らかになっている。 kokusen.go.jp/news/data/n-20… 無免許業者が施術ではなく、有害なアドバイスをして死に至らしめても法的責任が問われない状況である。

2015-03-09 02:06:00
まとめ 医療系国家資格の有無と標準医療の否定・不作為の責任の違い 医療系国家資格の有無によって、標準医療を否定した場合の責任が異なります。 ホメオパシーに傾倒した助産師(国家資格)によりK2シロップが与えられずに子供が亡くなった事件と、ディプロマミルの薬学博士を持ち、医療系国家資格は所持していない教祖が信者の子供が1型糖尿病であるにもかかわらず、インスリン投与を否定し、結果として死亡させた事件。 この2つの事件・裁判を比較し医療系国家資格の有無による責任の違いについて説明します。 2015/2/14 柔道整復師(国家資格者)が医師法違反、業務上過失致死傷罪に問われた刑事裁判の話を追加。 最終的に業務上過失致死傷罪で有罪である。 3614 pv 20 1

判例を変えようと思っても裁判を起こすには色々とハードルがあります。