国際報道 2015「裁かれる科学者 地震リスクをどう伝えるか」

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特集開始。

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多くの地震学者にとって想定外だった東日本大震災。地震予測の難しさを改めて突きつけた。そんな中で注目を集めているのがイタリアで行われている裁判／「研究者は恥を捨てて、予測の不確実性をきちんと伝えるべきではないか」。纐纈さんに同行 nhk.or.jp/kokusaihoudou/

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纐纈一起さんがスタジオに。 BS1

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BS1 国際報道2015 特集「裁かれる科学者　地震リスクをどう伝えるか」nhk.or.jp/kokusaihoudou/… ＞約300人が犠牲になった2009年のラクイラ大地震。直前に地震学者が「大地震発生の危険性は低い」と発表したことに対して、一審で有罪判決が出された

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東大 地震研究所の纐纈一起は、長年日本の地震調査に関する委員を務め、地震の評価をしてきた／纐纈さんは今、イタリアで起きた地震と、その予測をめぐる科学者の責任に関心を寄せており、調査に行った。今回の特集は、その同行取材。 BS1

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纐纈さん（イタリア現地で）「なかなか的確な予測はできないという限界を持っています。そういう状況の中で、科学者が社会とどう付き合うかは非常に重要な問題」「遺族のかたや、イタリアの科学者から学びたいと思います」BS1

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イタリアで6年前に起こった地震。300人以上が亡くなった。数か月前から群発地震が発生。政府は科学者5人を含めて議論、大地震につながる危険性を評価。科学者は、群発地震の多くは大地震に結び付いていない。だが、大地震にならないとは限らないと分析。大地震の危険性を否定しなかった。 BS1

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だが、行政担当者は、メディアのインタビューで「危険は全くない」と広報。当時のニュースがそのまま伝えている様子「この安全宣言は、ラクイラ市民には朗報です」／その6日後に大地震が起きた。 BS1

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危険がが正しく伝えられていたら、たくさん助かった人がいたのではないかと、地震の翌年に科学者と行政担当者が過失致死罪などで起訴された。一審は全員有罪。二審では、行政担当者1人以外の6人は無罪。この結果に起こっている人「亡くなった人は帰ってこない」BS1 イタリア地震と科学者

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イタリアの科学者は自身の責任をどう考えているのか、纐纈さんが委員の一人ボスキ教授（ボローニャ大）に会いに行った。纐纈さん「今後同じ状況になった時、科学者はどうすべきとお考えですか？」 BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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ボスキ教授「 あの時と同じようにどんな地震が過去に起こり、そして将来どんな地震が起こり得るか、可能な限り情報を出します」／ボスキ教授はあの時誤った情報が伝わっていると知らなかったと主張、知っていても自分には行政をただす権限はないと主張。BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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纐纈さんがボスキ教授に。「科学者がもう少し別の行動を取ったら、このような混乱した事態にならなかった可能性があるとも考えています。その点についてお考えをお聞かせください」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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ボスキ教授が纐纈さんに。「私には行政に命令する権限がないのです」／別の日、奥さんと娘さんを亡くした男性（コラさん）に会いに行った。コラさんは今でも後悔している「”安全宣言” 以降、群発地震が起きても家の外に避難しなかったことが致命的でした」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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大地震で家族を亡くしたコラさん続き「安全だと言われたので、私たちは習慣を変えてしまったのです」（石造りの古い建物が多いラクイラ地方では、昔から群発地震で屋外に避難する習慣があった）BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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纐纈さんがコラさんに「5名の科学者はどういう行動をとるべきだったでしょうか？」 コラさん「”安全宣言”ではなく、警戒のメッセージを出してほしかったです。地震学の権威である専門家のことを信用しないなんてありえません。私たち家族は信じてしまった」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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「誤った情報が流れたなら、科学者は打ち消してほしかった。愛する家族を失った遺族の重い言葉でした」リポーター NHK大阪 中村さんのナレーション。BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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纐纈さん（スタジオで）「（イタリアの裁判については）科学者は科学的に正しいことを言っているなと改めて感じました。一方、災害に遭われたかた、遺族のかたにお話を聞くと、科学者が言っていることが正しく伝わっていないと感じました。そのギャップが、」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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纐纈さん「そのギャップが、今回の悲劇の一番大きな原因ではないかと思います。イタリアの科学者は、そのギャップをあらかじめ知ることができなかったが、日本の今後を考えれば、科学者自身が、どういうかかわり方を下かフォローする必要があるかなと感じます」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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纐纈さん「（科学者の在り方）科学的な情報を伝えていれば十分ということではなくて、いろんな仕組みができるまでは、きちんと、それが住民のかたにどう伝わるかまでフォローして」続く BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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纐纈さん （科学者の在り方 続き）「もしイタリアのように間違った情報が伝わっていたら、（科学者自身が）例えば記者会見などを開いてそれを訂正する必要があるなと、教訓としては感じました」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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有馬キャスターから、日本の地震予測技術について質問。纐纈さん「起こった地震を非常に詳しく分析するというのは、ものすごく進歩していると思います。ただ残念ながら、将来起こる地震に関して、かなり精度高く予測するというのは、現状は依然として厳しい」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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纐纈さん（地震研の先生）「阪神淡路大震災で短期的に予知は難しいということになりましたので、その後我々も方針転換して、長期的な予測を社会には伝えていこうとしたわけですけれども、東日本大震災ではそれもなかなか厳しいということがわかってしまった」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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有馬キャスター「我々はどういうふうに科学者の地震予知予測を聞けばいいんでしょう？」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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纐纈さん「あのー、これは研究者としていうのは心苦しいんですけれども、地震の科学にはある程度限界がある。そのことを念頭に置いて我々の話も聞いていただきたいというのが、科学者側からのお願いです」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割

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有馬さん「地震学者というのは人の命に直結する、大変な仕事ですね」 纐纈さん「あの、（大きく頷く）大変な仕事だと改めて、震災を経て感じておりますけれども、（何回も頷きながら）それでも精一杯、研究は一所懸命やっていきたいとおもいます。その上で」BS1 イタリア地震裁判 科学者の役割