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榊一郎 @ichiro_sakaki
先日の某専門学校での講義でやった話。何というか、「小説は書きたい。でも何を書いて良いのか分からない」という人が結構居ます。まあ、「そこからかよ!?」と昔は呆れていたもんですが、今はちょっと考え方を変えました。怠惰なのではなく本当に分からないのではないか、と。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
まあ言われてみりゃ、ある程度は皆、義務教育で日本語の扱い方は習っている訳で、だからこそ「日本語なんだから書ける」と思ってしまう。その思い込みがあるだけに余計に気持ちが先走るのかなあ、と。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
で――「好きな作品」を問うてみたところ、生徒の一人がアニメの「コードギアス」を挙げていたので、それをネタに。(私も一応見た事あるもので扱いやすかった) #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
その生徒が一番印象に残っているシーンは、第一期、だったかな? とにかく従姉妹の皇女様に間違ってギアスを掛けてしまい、結果として望まぬ大殺戮を起こしてしまうシーンだそうで。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
「あんなシーンを自分で書きたい?」「書きたいです!」という訳で、あのシーンの何に、人が感情を揺さぶられるのか、を分解しようと考える。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
そもそも、基本的に視聴者は主人公であるルルーシュに感情移入している可能性が高い。大抵の部分はルルーシュ視点で描かれている事からも、それを裏打ち出来ると思う。となると、「自分がルルーシュだった」としてあの場面を見ると、どんな感情がそこに在るか。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
昔好きだった人を殺人者にしてしまった? 勿論それはある。けれどそれだけであの盛り上がりは多分、演出できない。ルルーシュの立場に立ってみると、恐らくあれは彼が決定的に「自分の拠って立つ能力に裏切られた」瞬間だと思う。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
そもそも他人の意志をねじ曲げられる彼の能力は、好きな人、好意を抱く人に使えば使うだけ、彼を孤独にする。本来ならば決して侵されない筈の人間の内面の自由が操作可能ならば、自尊心とかそういうものに対する価値観も崩壊するのだから。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
ともあれ、それ以前からもルルーシュは自分の能力のしっぺ返しをちょこちょこ喰らっては居た訳だけど、それはむしろ「能力の限界」という形で彼は学習していき、より使い方を向上させていった。この段階ではしっぺ返しはあくまで「つまづき」程度でしかない。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
ところが。自分の目的を邪魔し、敵視もしていたけれど――結果としてより良い形で日本の事実上の独立を勝ち取りつつあった従姉妹に、主人公は最終的に負けを認める。それはつまりギアスの無価値さと自分の無力さを認める事になったわけだけど #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
それにしっぺ返しとして、ギアスは、全てを台無しにする。彼の素直な「負けを認める事」も「幼い頃の恋心」も「芽生え掛けた許す気持ち」も何もかもを、ぶち壊す。彼が、一度はそれを以て全てを手にできると錯覚し、その後、一度は負けを認める事で「棄てた」筈の能力に裏切られる #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
無力感、絶望感、色々なものが混じってますが、あの場面の骨子は実は「一度は和解した従姉妹を殺させてしまった」事ではなく、能力に裏切られたが故の無力感と、それでもなお能力を使ったのは自分だという自責の念が骨子なのかなあと。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
だとすると、その骨子を残して別の肉付けをする。例えばルルーシュとまるで逆の方向性に肉付けをしてやれば、骨子は同じでも、全く別物で、しかも同様の感情の揺れを引き出せるのではないかと。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
大事なのは「一度は自分がその能力を使う事で万能感を覚えていた事」「その能力が生み出した状況(人心や社会情勢その他)に最早、彼自身も制御がきかない事」「でも結局、彼自身が引き金を引いたも同然である事」この辺でしょうかね。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
以前書いていた「落差」ですね。「万能感」を感じていたからこそ、「無力感」への急速落下は激しく感情を揺さぶる。また、その無力感を演出する為に、「個人の力では最早どうにもならない状況」というものを利用する。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
例えば――そうですね。ルルーシュと逆で正義の味方の熱血っぽいキャラにしますか。それこそ「コードギアス」でいえばスザクみたいな。。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
何らかの超常能力を与えられる主人公。それは彼が心の底に秘めていた鬱屈を根刮ぎ吹っ飛ばしてくれる様な素晴らしいものだった。当然、主人公はそれに酔い痴れる。。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
この場合、虐げられた人々を助ける為に、圧政を敷く政府の役人だの何だのをぶっ飛ばしていく。熱血とは逆にいえば直情径行なので、目の前の悲劇を見逃せない。それを解決できる力を持っているからと彼はその能力で政府の役人をこらしめていく。。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
彼がそうした「正義の味方」になる事を切望したのは、実は彼が非常に大事にしていた幼馴染みの少女が居て(ルルーシュだとナナリーになるんですかね)、彼女が政府の横暴とかで酷い眼にあって、回復不能な傷を追ったとかそんな過去。。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
で――主人公の能力は政府に反旗を翻す人々にとって、一種の象徴となり、彼が望む望まずにかかわらず、彼は期待されていく。「役人の横暴のあるところ、彼は必ず現れる!」逆に言えば現れなければ何故だと民衆は彼を責める様になる。。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
この辺はアレですね、「予言能力者を皆最初は持て囃すけど、次第に要求がエスカレートして」というパターンと同じ。。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
まあそんでもって。無制限の能力というものはつまらんので、何か代償を設定すべきなんですが。例えば主人公は一つ強くなって能力が補強される度に、何かを「忘れる」あるいは「失う」。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
例えばその能力を与えたのが「悪魔」だったとして。「勿論、ただで手に入るものなんて何もないさ。代償は貰うよ。なに、魂なんてアナクロな事は言わない。君は強くなりたいんだろう? じゃあ代わりに君の弱さを貰おう」。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
ちなみにここで魂だなんだ、としないのは、後で問題のシーンに持ち込む為の伏線。。 #sousaku
榊一郎 @ichiro_sakaki
主人公は例えば「痛み」を忘れる。その事で超人的な力を発揮出来る。また主人公は能力を得る度に友人を一人ずつ失う。死ぬのではなく、彼等の意識から主人公が消えていく。「当然だろう? ライオンは群れない。強いからさ。友達が欲しいというのは弱さだよ」。 #sousaku
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コメント

上野聡 @PrivateUeno 2010年12月16日
わずか数行の投稿、数本分だが興奮と感動
kartis56 @kartis56 2010年12月16日
>使えば使うだけ  ルルーシュのギアスは対象に対して一度しかかかりません。無制限ではないことは、その話までにやってます。だからおもしろい。
gano01@藤巻っことGレコ @gano_01 2010年12月17日
ギアスのあのシーンを分解して数行にまとめただけなのに・・・・すごい。
桂樹緑@猫魔道士 @keijyuen 2010年12月18日
すごい共感できる考察だなぁ
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