3月30日 ワダチと狭間

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狭間 駿 @c_yu_n

【3月30日、夜。帷のマンションにて】

2015-03-18 12:59:00
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】世界との通話を終え、そのまま緋色のところに向かい、帷の総帥の判断を仰いだのちのこと。同じマンション内のことであるため、八尺ワダチの部屋へと足を向ける。 コツリと杖をついたままドアの前に立ち、手を持ち上げて、あまり考えもせずにチャイムを鳴らし、@kankyoizon2

2015-03-18 13:04:39
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】鳴らした後で、ぼんやり気付く。時間はそろそろ二十二時になるところだろうか。人を訪ねるには遅い、非常識な時間である。…時間のことが、ストンと頭から抜けていた。@kankyoizon2

2015-03-18 13:07:32
八尺ワダチ @kankyoizon2

ワダチ】自室で何をするわけでもなく、何が出来るわけでもない。明日再び来る面会時間まで、やることは何もない。治癒屋の手筈、目覚めた彼女への最低限。金額の交渉をしなければと思うが、夜に電話をするのは躊躇われる。

2015-03-18 13:06:16
八尺ワダチ @kankyoizon2

@c_yu_n ワダチ】故に、鳴ったチャイムの主に心当たりはなかった。帷の総帥だろうか、と思いながら、玄関へ向かい鍵を開ける。 外開きの扉をゆっくり開けると、そこに見た青年の姿に一瞬思考停止したあと、意外だ、と思う。 「……久方振りだ」

2015-03-18 13:08:42
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】世界との会話。帷からの許可。彼女に関しての手筈を整える、ということに、のめり込んでどこか興奮していたのかもしれない。明るい蛍光灯の光の中で、時間の感覚とマナーを失っている。自戒せねばならない、と内心で自分に舌打ちをするが、

2015-03-18 13:09:58
狭間 駿 @c_yu_n

@kankyoizon2 狭間】「…夜分に申し訳ありません」 ちいさく頭を下げる。それから頭を上げて、相手の表情を見る。次の言葉を、考えて一瞬口ごもる。八尺ヒヅメの父親が、どういう気持ちを抱えているのか、表情で見て取ろうと、一瞬そうしてしまう。

2015-03-18 13:12:43
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】(………) 父親。父親なのか、と、ふとそのとき思う。オヤ。オヤは、親というものは、子供がこうやって傷ついているとき、どんな思いでいるのだろうか。あまり実感めいた感覚で考えたことのないそれが、ふと、ぼんやりしたものながら輪郭を持って胸に揺らめいて、それでなんだか少したじろぐ。

2015-03-18 13:15:42
八尺ワダチ @kankyoizon2

@c_yu_n ワダチ】無表情というよりかは険しい表情はいつもの通りに、 「何か用事か」 短く問う。意外な来訪客への対応を、思い悩むことはない。ここは帷の中だ。……相手に対して抱えている気持ちは、別にして。

2015-03-18 13:17:44
狭間 駿 @c_yu_n

@kankyoizon2 狭間】「…ヒヅメさんのことで、よければ伺いたいことが、あって。もうお休みのようでしたら、日ィ、改めますが…」 前回見たときよりも、険がある気がする。が、よく分からない。どこか憔悴しているような気もするが、それは自分の思い込みかもしれない。用件を言う。

2015-03-18 13:21:36
八尺ワダチ @kankyoizon2

@c_yu_n ワダチ】「……ヒヅメが今どんな状況なのか、聞いたのか」 情報屋だから無理もない、帷とも懇意にしている彼のことだ。……そう思いながらも聞く。 「話は別に、構わない。中に入るか」 ドアを大きく開けて招き入れる。

2015-03-18 13:25:54
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】相手の顔を見て、ちらと胸に浮かんだ気がするのが自分のハハオヤの顔で、何を話したわけでもないのに、思いがけず現れたそれに、よくわからない罪悪感を感じて怯みつつかき消す。とはいえそれは内心のことで、目の前の相手に向けている表情に、その揺らぎが見て取れることはおそらくないだろう。

2015-03-18 13:26:23
狭間 駿 @c_yu_n

@kankyoizon2 狭間】「聞きました。…お見舞いには、すみません、行ってませんが…ありがとうございます、お邪魔します」 招かれるまま、こつ、と杖を鳴らして部屋に踏み込む姿勢を示す。 生きててとにかくよかった、というべきかそれとも、この度は大変なことで、と言うべきなのか…、

2015-03-18 13:29:38
狭間 駿 @c_yu_n

@kankyoizon2 狭間】迷ったあげく、ねぎらう言葉も気遣う言葉も口に出す前に止まる。彼が室内に招き入れてくれるなら、靴を脱ぎ、杖先を拭いて上がり込もうか。

2015-03-18 13:31:27
八尺ワダチ @kankyoizon2

@c_yu_n ワダチ】杖をつく彼の姿に、生まれつきなのか、それとも情報屋として働いているうちに怪我をしてしまったのか、と考えを巡らせてしまう。働く上では利点にはならないだろうと思いつつ、 「今日意識が戻った。徐々に回復しているらしい。……此れも聞いたか?」 ソファへ誘導する。

2015-03-18 13:33:47
狭間 駿 @c_yu_n

@kankyoizon2 狭間】「だいたいは。……、」 今のところ生命に別状はなさそうなんですよね、という言葉は、口に出す前になんとなく躊躇われて、止まる。八尺ヒヅメの容態を他人に告げない、という、世界にかけられた異能が弱く働いているためだが、自分では気付かない。 →

2015-03-18 13:37:37
狭間 駿 @c_yu_n

@kankyoizon2 狭間】勧められるままソファに座り、さてどこからどう話そうか。相手が腰を落ち着けるのを待ち、 「…ヒヅメさんの容態がもうちょっと安定したら、帷に、移ってもらえれば、と思ってます。…ええと、何から言えばいい、かな…」 我ながらじれったい物言いで言葉を切る。

2015-03-18 13:42:19
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】考える。自分が求めているのは、八尺ヒヅメの異能の、使い方や暴走のことだ。単純に言えばそれを求めれば良いのだろうが、なぜそれがいるのか、だとか、…八尺ヒヅメを取り巻く状況がどのようなものなのか、とかも、伝えたほうが良いだろうか。

2015-03-18 13:44:43
狭間 駿 @c_yu_n

狭間】チョークの存在と、世界の存在。壊しにくるかもしれない相手と、掬うと言っている者の存在。言葉の運びを考える。

2015-03-18 13:47:16
八尺ワダチ @kankyoizon2

@c_yu_n ワダチ】はじめて会った時といい、二度目にここで話した時といい、外見年齢に見合わず随分と落ち着いた話し方をする男だ、と思っていたが、それは周到な準備があってのことで、全く用意がないままに話し始めれば……おそらく……こんなものなのだろうか、と思う。→

2015-03-18 13:48:47
八尺ワダチ @kankyoizon2

@c_yu_n とはいえ今日は別に業務上、情報屋としてきたわけではないと思えば、その辺の若者と話すのと同じだ、と割り切れた。 「……聞きたい事があるのだろう」 こちらから、軽く促す。

2015-03-18 13:49:14
狭間 駿 @c_yu_n

@kankyoizon2 狭間】「ヒヅメさんの、…異能の使い方や、…暴走したことが、あるか、とか。…あったら、そのときの様子や状況を、…教えてもらえれば、と思って。それで、できたら会話も、さしつかえなければ記録させてもらえると、ありがたいんですが」 相手をまっすぐに見て口にする。

2015-03-18 13:52:42
八尺ワダチ @kankyoizon2

@c_yu_n ワダチ】「……何か必要なのか?」 そもそも自分が彼女の異能を目の当たりにしたのは数回しかない。その中で強いて言うべきなのは『あの時』だろうとは思っているが、彼がそれを知ろうとする理由がわからない。考えがあるのだろうか。

2015-03-18 13:55:11
狭間 駿 @c_yu_n

@kankyoizon2 狭間】「ヒヅメさんを『すくう』って言っているヒトから、頼まれまして」 まずはそう伝える。これだけでは納得いかないようであれば、さらに説明を加えるつもりでいる。

2015-03-18 13:58:35
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