意識の低い就活生花宮の世界

5年前の戦いの結果がコレかよ…
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「生贄としてだろ? オレの卑しい犠牲でお前らは仲良しこよしハッピーエンドってワケか。感動的なシナリオだなあ?」 「ヒーローってそんなものですよ。全てを捧げたときにやっと手に入るのが、たった一度の勝利です」 「オレはそんな生き方は御免だ」 「じゃあ、花宮さんは何になりたいんですか」

2015-03-19 14:05:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「キミにはやりたいことも無ければ、もうついてきてくれる仲間もいないのに。ボクとおそろいですね?」 「っ…!」 ぶん殴ってやろうとしたが、寸でのところで拳を止めた。 「ほら、殴れない」 いや、止まった。 “みんなで起業でもしようぜ” 数ヶ月前の健太郎の言葉が今ではあまりに遠い。

2015-03-19 14:10:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「……応募すれば赤司に会えんだな」 「書類選考が通れば、ですが。花宮さんなら大丈夫でしょう」 「…勝てば人事権くらいどうにでもなるよな」 「赤司君が持つ全ての権利があなたのものになります」 微笑んだ黒子はしてやったりという顔に見えた。 「やってくれるんですね」 「勘違いすんな、」

2015-03-19 14:15:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「オレにも元に戻したいことがあるだけだ。オレのと…ダ…ペットが!お前の言う赤司Co.,に未来を奪われた若者っつーヤツでよ。オレはどうしてもソイツを捨ておけない。この悪童(オレ)がだぜ? ふはっ…笑えんだろ」 黒子は何度か瞬きしたあとに、テーブルに身を乗り出してオレの手を取った。

2015-03-19 14:20:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「そんなことありません。そんなふうに思うはずがない」 黒子の手が触れたところから全身が粟立つ。自分とは掛け離れた温度が広がっていく。熱いのか寒いのかわからない。 「言ったでしょう。あなたが誰かの為に戦うことに誇りをもてれば、あなたは誰にも縛られない。あなたは救世主たりうる、と」

2015-03-19 14:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

このざわめきを、いつも通り“虫唾が走る”と形容するか、それとも“鳥肌が立つほどの感動”と呼ぶのか、全てはオレ次第なのかもしれない。

2015-03-19 14:30:13

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「詳しい選考内容(ルール)は黛さんから聞いてください。基本的に情報を漏らすのはタブーなので絶対に傍受されない方法がいいんですが…」 「それなら、オレが運営してる学内SNSがある」 「…何ですかソレ」 「ノートの貸し借りしたりすんだよ。んでオレに仲介料が入る仕組みだ」 「うわぁ」

2015-03-19 14:45:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「共通アカウント使って下書きで会話すりゃヘーキだろ」 「お任せします。その本にアドレスを書いたメモを挟んどいてください。あとで黛さんが回収にくるので」 黒子が指差す方を見ると、古書が並ぶ棚の中に一つだけ、不自然に真新しい児童書が入っている。背表紙には“デモナータ”と書かれていた。

2015-03-19 14:50:09

意識の低い就活生森山の限界 http://togetter.com/li/579196

就活生高尾bot @Entry4you

「高尾」 手元に影が落ちた。メールチェックを中断して液晶から顔を上げると、さっきまでシュート練習をしてた緑間が正面に立っていた。 「うにゃ、付き合おっか?」 「近頃ケータイばかり見ているな」 「ちょっとね。真ちゃんにはナイショ♡」 「新しい彼女でもできたのか」 「(ブフォッ!)」

2015-03-19 15:00:08
就活生高尾bot @Entry4you

「彼女でもwできたのかw お前はオレのとーちゃんか何かかよ! お父さんは服だけにしてw …心配すんなって、オレは妹ちゃん一筋だ(キリッ」 「むしろ心配になったのだよ。このロリコンが」 緑間に侮蔑のこもった目で見下される。 「熟女趣味の真ちゃんに言われたかねーわw」 「何…だと…」

2015-03-19 15:05:03
就活生高尾bot @Entry4you

「オレの年齢が上がるにつれ“年上”の定義も上がt 「きた!!」 そのとき、手の中のスマホが震えた。 練習前にふざけてロック画面に設定した、今日のラッキーアイテム・モデルの抱き枕を抱える緑間の写真に不意打ちをくらって吹き出しそうになりながら、通知をスライドした。 メールを開封する。

2015-03-19 15:10:09
就活生高尾bot @Entry4you

件名:選考結果のご連絡   本文:高尾和成様 株式会社赤司コーポレーション採用担当でございます。 この度は、弊社求人にご応募いただきまして誠に有難うございます。 厳正なる書類選考の結果、 高尾様にはぜひ面接にお越しいただきたいと思っております。 つきましては、面接日…

2015-03-19 15:15:06
就活生高尾bot @Entry4you

通っちまった… マジでデュエルすんなら中野でカード買い足さねーと… 「聞いているのか、高尾」 「きーてるきーてる」 「ラッキーアイテムが同じだった2013年10月13日と今日の共通点…何か思い当たることはないか」 「うんうん、アラサーの女の人に熟女は失礼だったわ」 「高尾!」

2015-03-19 15:20:06

意識の低い就活生花宮の解禁 http://togetter.com/li/680073

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

少し歩くと皇居の堀に差し掛かった。深緑の汚ぇドブにぽつぽつと透明な雨が波紋を広げる。 シャツから蜘蛛のモチーフが付いたネクタイピンを抜き黒子に手渡した。 「捨てとけ」 黒子は大きく目を見開いた。 「…いいんですか? いつも身につけてる物なのに」 「今日の服に合わねぇ、それだけだ」

2015-03-19 15:30:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ボクは“キミなら”躊躇なく捨てますよ、」 こんなふうに、と言い黒子は腕を振りかぶった。その手から銀色が零れ堀へ向かって放物線を描いていく。 「ちょっ…待っ…躊躇なさすぎだろ!」 「確認したじゃないですか」 祈りは闇へと吸い込まれた。 「これでもう花宮さんは誰にも負けません」

2015-03-19 15:35:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

……まぁいい。あんなもん持ってても未練でかしねぇ。オレは8年前とっくに第一志望に祈られてる。過去も未来も必要ない。 原は三十路を過ぎた後の人生の存在を否定していたが、救世主(オレ)には、学生でなくなった…ひと月後の未来すら疑わしい。 一寸先は闇だ。

2015-03-19 15:40:19

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ポエ峰大輝bot @PoeMinence

@Entry2Hurt アンタはテツに選ばれた そんだけだ

2015-03-20 02:55:35