渡る世間ラスト

いちかわゆうや @yuyaichikawa

【渡る世間ラスト1】どうせ観られないし観る気もないので、妄想でストーリーを作ってみる。出演:えなりかずき、泉ピン子、角野卓造、キャメロンディアス、モーガンフリーマン、アンソニーホプキンス、渡辺謙、アンジェリーナジョリー、他。

Rihito @RihitoSakai

OPテーマ、曲：羽田健太郎　編曲クインシージョーンズ RT @yuyaichikawa 【渡る世間ラスト1】出演:えなりかずき、泉ピン子、角野卓造、キャメロンディアス、モーガンフリーマン、アンソニーホプキンス、渡辺謙、アンジェリーナジョリー、他。

いちかわゆうや @yuyaichikawa

【渡る世間ラスト2】オープニング:テキサスの荒野にただずむえなり。その両手には骨壷を抱えている。慟哭しながら地面にうずくまるえなり。なぜ丸顔の彼がテキサスに？一体あの骨壷は？深まる謎を暴力的に断ち切るように、例のテーマソング、そして、古びた中華屋での日常シーンに移る。

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【渡る世間ラスト3】テキサスの二年前、大学を出たえなりは中華屋で退屈な日常を送っていた。毎日厨房で飛び交う罵声、夜な夜な繰り返される親戚同士の実りのない会合、口だけは達者なブサイクな妹。愛想笑いを浮かべながら、失われていく青春をただ見つめていた。そう、あの事件が起こるまでは。

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【渡る世間ラスト4】夕方。いつものように図書館から帰ったえなり。営業時間のはずの中華屋の明かりがついていない。そして、店から出てきた外人。アンソニーホプキンス。なぜ？急いで店に入ると、満面の笑みを浮かべた角野卓造。もう毎日働かなくていいんだよ。そう言いながら酒を飲んでいる。

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【渡る世間ラスト5】角野卓造が言うには、妹がイギリスの大富豪の息子の目に止まり婚約した、さっきの外人は執事とのこと。あの、口が達者なだけが取り柄の妹が？！話ができ過ぎている。しかし、これは橋田ドラマだ、ありうる。奥の部屋から自信に満ち溢れた表情の妹が現れる。指には大粒のダイヤ。

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【渡る世間ラスト6】奥の部屋から現れた妹は、明らかな侮蔑の表情を浮かべてえなりを見ている。今日も図書館？いいわね、お兄ちゃんは毎日暇そうで。そう言いたげだった。そして、角野卓造は完全なる白痴と化し、無気力な肉塊としてそこに存在していた。えなりは家出を決意する。

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【渡る世間ラスト7】家を出たえなりは、北千住の外れにワンルームを借り、昼間はビラ配りのアルバイト、夜は場末のスナックで浴びるように酒を飲んでいた。家を出て二ヶ月後の深夜、妹の婚約者の執事アンソニーホプキンスが、大柄な黒人と歩いている姿を見かける。えなりは執事に声をかけた。

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【渡る世間ラスト8】えなりが執事アンソニーホプキンスを呼び止めるや否や、隣にいた黒人モーガンフリーマンの拳がえなりの腹に突き刺さる。なぜ？やはり、私はあの時家を出るべきではなかった。朦朧とする意識の中でえなりはそう考えていた…

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【渡る世間ラスト9】自称執事アンソニーホプキンスの陰謀により、囚われの身となったえなり。娘の玉の輿縁談で白痴と化した家族達は、イギリスでの結婚式に向かう船上で行方不明となり、中華屋は餃子の王将に転売され、そこそこの人気を得ている、とのことだった。

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【渡る世間ラスト10】地下牢にて。なぜうちが狙われた、とえなりは問う。理由なんてないのだよ、私は金と暇を持て余しているだけさ。君も永遠に続く中華屋での日常に飽きていただろう？執事はそう答えると、小型の生物をえなりに向って放った。ポチ。えなりが唯一心を許していた飼い犬である。

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【渡る世間ラスト11】君はその犬を連れて出ていくがいい。えなりは地下牢から解放された。外に出たえなりは驚愕する。ここは日本ではない。目の前に広がる広大なジャングル。ポチは尻尾を丸め動かない。足でまといだ。えなりはポチを置き去りにし、一人ジャングルの奥へ進んだ。

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【渡る世間ラスト12】6ヶ月後。肩まで髪が伸びたえなりは幾多の困難を乗り越えてジャングルを抜け、小さな村にたどり着き、村の娘キャメロンディアスと出会う。ジャングル生活で逞しくなったえなりとキャメロンが惹かれ合うのに時間はかからなかった。

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【渡る世間ラスト13】1年後。えなりと村の娘キャメロンディアスとの間に子供が産まれた。えなりはこの村での暮らしに満足していた。この生活が永遠に続くものだと信じて疑わなかった。ピンクのシャネルに身を包んだ中年女がこの村を訪れるまでは。行方不明のはずの母、泉ピン子である。

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【渡る世間ラスト14】なぜここに？えなりは問いかける。中華屋の跡取りでしょ、連れ戻しに来たのよ、とピン子。みんなは船で行方不明じゃ？ピン子は薄笑いを浮かべ、無言のままえなりの子供に近づく。嫌がる子供。そのとき、キャメロンの銃が火を吹いた。よろけるピン子。しかし弾は外れていた。

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【渡る世間ラスト15】ピン子は薄笑いを浮かべたまま不気味に揺れている。村人達がピン子に襲いかかる。しかし、次々とピン子の目前で倒れ動かなくなる。キャメロンの銃が暴発、悲鳴。この子を連れて逃げて。その声を背中に受けつつも、えなりは一人で村で唯一のバイクにまたがり村を後にした。

@shintsm

今ゆうや君が書いてる渡鬼ってスターウォーズで言うとエピソード2ぐらいでテレビでやってるのがエピソード4ぐらいなんだよね、きっと RT @yuyaichikawa 【渡る世間ラスト15】ピン子は薄笑いを浮かべたまま不気味に揺れている。村人達がピン子に襲いかかる。しかし、次々とピ～

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【渡る世間ラスト16】荒野をバイクで疾走するえなり。流れゆく標識から、どうやら南米の奥地に迷い込んでいたことにようやく気付く。村での満ち足りた生活と惨劇は記憶の奥に仕舞い、二週間ハンドルを握り続けた。そして、ペルーの鉱山で日雇い労働者として志願する。

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【渡る世間ラスト17】ペルー落盤事故の生存者のうちの一人がえなりであることはあまり知られてはいない。贖罪を胸に地底で生きることを決意していた矢先の出来事である。テレビ報道により、えなりがペルーに潜伏していることが明るみになってしまった。えなりは搬送先の病院から抜け出す。

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【渡る世間ラスト18】どこにいても、得体のしれない何かが僕を追いかけ、台無しにして行くのだ。病院を抜け出し、夜の雑踏を糸が切れた凧のように歩くえなりに、一匹の犬が寄って来た。置き去りにしたはずの犬、ポチだ。ポチは口に咥えていた物体を落とすと、恨めしそうにこちらを見上げ、消えた。

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【渡る世間ラスト19】ポチの置いて行った物体を拾い上げるえなり。赤黒い糊のようなものがこびり付いたヨダレかけだった。そこには、なぜ連れていってくれなかったの？と書かれていた。全てが筒抜けだった。えなりは日本に戻る決意をする。鉱山で稼いだ金を握りしめ、空港へ向かった。

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【渡る世間ラスト20】日本に戻ったえなりは、かつて暮らしていた北千住のマンションの前に立っていた。部屋のあった5階以上がごっそりとなくなっており、はじめから4階建てであったかのような佇まいでそこに存在していた。えなりの携帯が鳴る。まだ、契約再開をしていないはずなのに。

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【渡る世間ラスト21】もしもし。あなたはしかるべき時期にしかるべき場所にいなかったので、全て抹消させていただきました。わたし？渡辺謙です。今、日本では携帯電話のおじさんとしてそこそこの人気を得ています。電話の声はそう言った。渡辺は一方的に続ける。

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【渡る世間ラスト22】あなたはいつも逃げていました。それはいけません。逃げてもなんとかなるタイプとそうではないタイプがいますが、残念ながらあなたは後者です。それなりの報いを受けなくてはなりません。次は…渡辺は事務的に続けた。えなりは携帯を切った。

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【渡る世間ラスト23】えなりは慣れ親しんだ北千住の夜の街を歩いた。かつての赤提灯街は整備され、チェーン店が立ち並んでいた。えなりは居酒屋に入った。タッチパネルで料理を頼むタイプの店だ。一人で飲んでいると、突然タッチパネルが暗転し、古びた村が映し出された。あの、南米の村だ。