#完全ノープラン艦これ与太話 【オモチ・クッキング・オン・ザ・ラピッドファイア・バラージ】#1～#2

春魔解丼 @vespiking

｢ここに、最初からいた奴が！？｣｢どうだかね……或いは、アタシらと同じ目的で来たか。何れにせよ、仲良くトレジャーハントって訳にもいかんだろうな、接触したら｣デューカリオンは艤装を引き戻す。胸元の四ツ目が、ぎらりと闇に光った。｢下にはもういない。降りるか？｣ #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

－－－－－－－－－－－－－－－－ #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

｢イヤーッ！｣落下してきた鍾乳石へ30mm機関砲を一斉発射し破壊。迷彩装束の艦娘は三連続バク転で距離を取り、背後の巨大カラクリボックス上へ着地。ジョルリ人形じみて手に吊った艦載機をボックスに格納した。複雑に展開したカラクリは見事に閉じられ、モノリス形状となる。 #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

｢偶然かな？それとも、上に誰かいたりして｣艦娘は巨大カラクリボックスを担ぎ上げながら、木製の迷彩メンポに覆われた口で呟く。メンポ。然り。この艦娘、ニンジャである。｢どうしようかな……面倒ね。少し隠れよう｣ニンジャはボックスを先とは違う形状に展開した。 #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

ニンジャはボックスにスルリと入り込み、格納。カンオケめいたボックスは迷彩模様の色彩を変化させ、周囲の岸壁に溶け込んだ。豊満なバストを圧力で歪ませながら、ニンジャはおよそ常人とは思えぬ体勢で存在感を殺し、潜む。2分後。崖の上から2隻の深海棲艦が現れた。 #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

｢艦霊センサに反応なし。もう逃げられたかしら｣戦艦棲姫が艤装を何やら操作し、呟く。｢それッてさ、深海棲艦にも効くの？｣空母棲姫がこれに続いた。｢霊度数35%以上の第三次キメラであれば等しく有効。駆逐イ級とかは無理かもね｣｢じゃ、どっちにしろ問題ないな｣ #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

渓谷の底は、細く長く続く一本道だ。｢さて、一本道のど真ん中に降りて来たわけだが……右と左か。二手に別れるか？｣｢エッ！？待てよ、大丈夫かよ｣空母棲姫、ギニアピッグが狼狽した。戦艦棲姫、デューカリオンはクスクスと笑う。｢な、何だよ。私はこう、作戦遂行の連携を……｣ #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

｢母艦との交信は無理だけど、ここは狭いから好都合ね。反響伝導モードに切り替えて。光ファイバーと同じ原理よ。簡易なモールス信号程度なら、やり取りできる｣｢え、何？反響？｣｢……貸して｣デューカリオンは無線機をひったくり、少し操作して投げ返した。｢これでＯＫ｣ #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

｢わかったよ。でもアブナイだったら即呼べよな。こういうミッションは連携が大事なんだ。私もそうする｣｢ハイハイ、了解了解｣デューカリオンはぐいと艤装の首輪を引く。｢じゃ、アタシこっち行くから｣｢あ、ああ｣ギニアピッグは反対方向へ、壁に張り付きながら歩いていった。 #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

細い道をじりじりと歩くデューカリオンは途中、後方に何度か視線を向け（時折視線が合い、ギニアピッグが万事ＯＫのハンドサインをしていた）、カーブの死角にギニアピッグが入ったのを確認した10秒後。デューカリオンはぴたりと立ち止まり、胸の四ツ目がぎょろりと横を向いた。 #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

直後。デューカリオンの左拳が岸壁へと放り投げられた。だが岸壁は奇妙な形状に開き、デューカリオンの拳をその内側に受け容れる。｢……これで、満足か？｣｢アラ、バレてましたか。ドーモ、戦艦棲姫＝サン。グランギニョルです｣拳を受け止めたまま、銀髪のニンジャはアイサツした。 #KZNPLN

春魔解丼 @vespiking

#完全ノープラン艦これ与太話 【オモチ・クッキング・オン・ザ・ラピッドファイア・バラージ】#2終わり。#3に続く。 #KZNPLN