【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」】

横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」01】 第48話、献帝大冒険の巻。 曹操と呂布、劉備をめぐるゴタゴタはひとまず置いといて、この頃の中央政治はどうなっていたか、というお話です。 董卓亡き後、代わって長安の都を治めたのが、李傕（りかく）と郭汜（かくし）という二将軍でした。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」02】 董卓の失政を反省して、面目を一新…となれば良かったのですが、この二人は董卓に輪をかけて悪政を行います。先のイナゴ騒動で、大飢饉となり、人々は飢えと苦しみの生活を強いられていましたが、李傕と郭汜はどこ吹く風。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」03】 更には、二将軍はどちらも自分一人で長安と政府を牛耳りたいと考え、ついには血みどろの内紛を繰り返す有り様です。 李傕は、郭汜をひと思いに片付けようと、献帝をビウ城に連れ出すことを画策。宮廷に武装した兵を入れ、無理やり連れ出します。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」04】 独自の軍を持たない献帝としては、押し入ってきた李傕に対向する手段はありません。しぶしぶビウ城に移動します。 一方、この動きを知った郭汜の方は、慌てて帝を奪い返そうとします。そのまま李傕と戦えば、帝に弓をひくことになるからです。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」05】 日本でも明治維新の際には、天皇が、幕府側と薩長側のどちらかにいたかで、官軍・逆賊の立ち位置が変わり、その後の戦いに大きな影響を与えましたが、この時代も、帝という存在が、絶対的な正義となっていたわけです。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」06】 ビウ城に帝を迎え入れた郭汜。早速、食事の支度をしますが、なんと、卓に乗っていたのは腐った料理。思わず献帝が指摘すると、郭汜は、イナゴの大発生以来、この国が大飢饉であり、大乱の時だから、贅沢は控えてもらいたいと言います。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」07】 しぶしぶ、役人たちは食べ始めますが、このあと案の定、お食事中の方はごめんなさい状態になります。帝も食べたくないといい、食卓を離れます。「これが李傕の余に対する忠義なのか」と扱いに不満を述べます。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」08】 そんな献帝の耳に、銅鑼の音が聞こえてきます。城の外を見ると、郭汜の軍が押し寄せていました。献帝は、李傕も郭汜も自分の力を大きくするだけで争い、民のことを思ってやせぬ、と嘆きます。どちらの将軍についてもロクなことはなさそうです。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」09】 そこで、献帝はこの城を脱出することにしました。ビウ城にも秘密の逃げ道が作られていることと、李傕の兵は郭汜の軍に気を奪われて警備というか献帝の監視が手薄になっています。献帝はすぐ手を打つように命じます。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」10】 夜になり、脱出準備を終えた部下が帝を呼びにきました。どうやら見張りは酒を飲ませて眠らせたようです。馬車に乗り、扉を開け、献帝ご一行様は一気にビウ城を脱出しました。果たして、献帝は逃げ切れるのでしょうか…

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」11】 帝がビウ城を脱出していた頃、李傕は優雅にディナータイム。帝には腐ったごはんですが、自分は御馳走です。ビウ城には食糧の備蓄も十分ありますからね。帝を味方に付けたいなら、扱いもちゃんとしておけばいいのに、自分のことしか考えていません。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」12】 うん、こりゃうまい料理じゃ、と舌鼓を売っていた李傕ですが、帝が逃げ出したことを聞くと、思わず机を倒してしまうほど驚きます。ああ、料理がもったいない…。帝が郭汜の手に落ちたら、今度は李傕が反乱軍となってしまいます。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」13】 郭汜軍の兵は、李傕が慌てて出動したのを見て不審がります。李傕軍の攻撃を恐れて逃亡するのではなさそうです。様子がおかしいと、一人の兵士が、軍勢に紛れ込んで探ることに。 巧みに聞き出し、帝が城から逃げたとの仰天情報を手に入れます。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」14】 この情報はただちに郭汜のもとに届けられます。郭汜の軍も帝を追い始めました。帝は李傕と郭汜の両方の軍勢から追いかけられることになりました。 一方、逃げる帝。逃亡隊を指揮するのは、帝の側近の董丞です。必死になって逃げます。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」15】 帝が、馬車の御者に、李傕に捕まったらどうなるかと尋ねると、帝には何もしないでしょうが、従っている者はただではすみますまいと答えます。逃げきれるか、という問いに、馬と馬車なので、いずれは追いつかれますと答えます。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」16】 ともかく逃げられるだけ逃げてみると、馬車を走らせますが、とうとう追いつかれてしまいました。そこで、董丞は、馬車の中に積まれた財宝を抱えます。これは、献帝の再起を図るための財産だったのでしょうか。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」17】 追いかけてくる兵士たちは、貧乏兵士ばかりで、金には眼の色を変えるだろうと考え、御車に積んである金銀をばらまき始めます。金目のものは全て投げるんじゃと董丞。命には代えられません。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」18】 これは効果がありまして、金銀財宝を目にした兵士たちは馬を止め、我先にと拾い始めます。仲間同士で奪い合いを開始する有り様です。李傕が早く追うように言っても、兵士たちは自分の給料の何年分もの金が転がっていますので、拾うのが先決です。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」19】 李傕軍の追撃を一時的に食い止めた帝一行は先を急ぎます。しかし、今度は郭汜の軍に囲まれます。すでにばら撒く金銀財宝はありません。董丞は、馬がつぶれるまで逃げろ、としか言えませんでした。ついに馬車の車輪も壊れ、止まってしまいました。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」20】 なんとか無傷だった帝ですが、もう逃げるのはあきらめようと言い出します。しかし、董丞は、崖を降りて逃げるように言います。河岸に沿って歩き、小舟に乗って河を渡ろうと。着物の帯と思われるものをつなぎあわせ、少数の者が降ろされます。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」21】 帝達を降ろすために、6人ほど上に取り残されていましたが、やってきた李傕によって、全員殺されてしまいました。その様子を見た帝は、本当にこの国を憂えてくれる真の勇者がいないのか、と嘆きます。それでも進まなければいけません。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」22】 ようやく、小舟を見つけた帝一行。7人だけが生き残って、河を渡り始めます。こうなると郭汜も李傕も追いかけることが不可能になってしまいました。ひとまず、危機を脱した帝の行く末は…。 今回はここまでのお話です。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」23】 董卓もひどかったが、それよりもひどかった李傕と郭汜。もし、李儒が生きていればもう少し長安もまともに治められていたと思うと、後先考えずに行動を起こした呂布や、いつの間にかいなくなってる王允の責任も追求したいところです。

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【横山光輝「三国志」講座48「長安脱出」24】 漢帝国の存在が、帝の存在にあるとするならば、ほぼ風前の灯火状態です。献帝の逃避行の結末がどうなるか…。続きは次回です。