Plain Truth

はいどら🦋 @hydra_azsa

ホル・ホースが夜の街で何度かデーボを見かけて、その度に人種もタイプも違う綺麗所の女の人を侍らせているから中々やるねえと思ってて、ある時館で酒でも飲みながら本人にそう言ってみる。するとデーボは何でもないかのように「あれは全部ラバーソールの変装だぞ」とか言い出すからホルホル硬直。

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「は？え、あのブロンド美女もエキゾチックビューティも全部か！？そりゃ何でまた…」予想外の発言に仰天したホルがいくら理由を訊いても「ちょっとした下らない賭けをしているだけだ」と言うだけで肝心なことは教えてくれないままその夜はお開きに。

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でもその変装ラバソとデーボが一緒にホテルに入っていく所まで目撃しているホルとしては気になって夜も眠れねえ状態なのでラバソの方に聞き込みに。飯奢ってやるって言ったらほいほい着いて来たラバソに「お前さん、呪いのデーボと何やら賭けをしているんだってな。どんな賭けなんだ？」と問いかける。

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デーボが言い渋っていた割にラバソはあっさり普通にああそのこと？って答えてくれる。「大したことじゃあねえぜ？俺がおっさんの一番好みの顔に化けられるかどうかっていう賭けさ」「で、俺が勝ったらおっさんに抱いてもらえる約束なんだ」「ブッフォオ！？」「おいおいきったねえな」

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「いやいやちょっと待て！お前さん方そっちの趣味だったのか！？」「じりじり距離を取ろうとすんなよホル・ホース先輩～。俺は本命以外の男に興味なんてねーし、おっさんは元々男なんざ対象外だから安心しな」予想外の展開に動揺しまくるホルに笑いながら、酔ってきたラバソが事の経緯を語り出す。

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「俺、それなりに長いことおっさんに片想いしてるんだけど、この前酔った勢いで思わず一回で良いからやらせてくれよっておっさんに言っちまってよ。その気になれねえなら俺の節制でカワイコちゃんに化けてやるからよーって言ったらじゃあ俺の一番好みの顔を当ててみろって言ってきてよ」

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「ぜってーブン殴られて拒否られるだけだと思ってたからこのチャンスは逃す訳にはいかねえだろ？だからもう結構色んなタイプ試したってのに、あのおっさん眉ひとつ動かさねーでやんの」そう言って次はどうすっかなーって呟きながらお酒飲むラバソ。

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好みの顔かどうかなんていくらでも嘘吐けるしそりゃ遠回しに拒否されてるんじゃあないかとラバソの話を聞きつつ思うホル。でもそこで二人が一緒にホテルに入っていったことを思い出して訊いてみるとやはりあっさり返答が。

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「ん？そうだぜ。いっつも変装見せて駄目出しされた後はそのままの格好で飯食いに行ったりしてるぜー。女の格好なら堂々と腕組んでもおかしかねえしなァ。んで飯食った後はそのままおっさんの泊まってるホテルまで押しかけたりな」「…ん？」

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「鍵かけて締め出されても節制で開けられるからおっさんも最近は追い出すこと諦めたみたいで大人しいもんだぜ」「んん？」「でもやっぱ稼いでるだけあって毎回良いホテル泊まってんだよな。風呂も広いしベッドもめっちゃふかふかでよく眠れるぜー。おっさんと一緒だとちと狭いけど」「んんん…？」

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「あー…、ちょっと待て。お前さん、その口ぶりだとデーボの旦那と一緒のベッドで寝ているように聞こえるんだが…？」「そうだぜ？でもおっさんからは指一本触れてくれねーからほんとに寝るだけなんだけどな」聞いてる内にあれこれとんだ茶番じゃねって気付くホル。

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「…なあ、お前さん方って、その、付き合ってる訳じゃあないんだよな？」「だから言ってるだろ、おっさんはそんな趣味じゃあねえって。だから今こうやって気まぐれ起こしてくれてる時にどうにかしようとしてんじゃあねーか」何言ってんだ？って顔してるラバソに頭が痛くなってくるホル。

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（つまり？付き合ってもいないのに腕組んで街に出かけて飯食ってホテル行って風呂入って同じベッドで寝て？それで向こうにゃその気が無いって？女の子だったら間違い無く脈ありの据え膳状態だろうが。しかも相手はあの呪いのデーボだぞ？未だ手前の首が繋がってる事自体が奇跡みてえなもんだろうに…）

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考えれば考える程阿呆らしくて思わず「くっだらねぇ…」と零すホル。「あァん？喧嘩売ってんのかこのビチグソがァ」「違えよ落ち着け。良いか、今からこのホル・ホース様がとっておきのアドバイスをくれてやる。本気であの旦那と事に及びたいってんなら、騙されたと思って聞いてみろ」

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胡乱気な顔をしながらも一応聞く姿勢をするラバソに向かってホルが伝えるのはシンプルに一言。「良いか、逆に考えるんだ。“変装なんかしなくてもいいさ”、ってな」

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その日の夜、デーボが泊まってるホテルにて。いつもなら無駄に扇情的な衣装とかまで着こなしてこれが今日の顔だぜ～どうだ？可愛いだろ？その気になったか？って嬉々として見せに来るのにその夜は何だが戸惑った様子で素顔のままでデーボの部屋にやってきたラバソに目を眇めるデーボ。

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「今日の顔はどうした？流石にもう諦めたか」「いや…そういう訳じゃあなくて…ええと」しばらくもごもご言った後ラバソは意を決したように顔上げて「こ、この俺本体のハンサム顔が今日の顔だ！」ってバァァァン！！って効果音付きでもうどうにでもなれって勢いで叫ぶ。

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「…」デーボは無言でそれを見て、痛いくらいの沈黙が部屋に満ちた後、デーボが一つ大きく溜め息を吐く音が部屋に響く。あっ死ねる今なら死ねる恥ずか死ねるああでもその前にあのビチグソガンマンだけはジャムにしてやる絶対してやるって羞恥のあまり物騒なこと考えつつどうにか誤魔化しにかかる。

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「冗談！冗談だって～！やっぱいくら俺がハンサムだからってデーボのおっさんに限ってそれはね…え？」言葉の途中でぐいっと引っ張られて、気が付けば背にはベッドのシーツの感触があって、目の前にはデーボの顔があって。「やっと分かったかこのトンチキが」鼻が触れるくらいの距離でそんな声が降って

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暗転。暗転ですよ。ここ表なので。ええ。

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つまるところはデーボの方もラバソのことはそれなりに嫌いではなくて告白されて悪い気はしなかったのに、ラバソの方から女に化けてやるからとか言われて自分が抱いてやっても良いと思ったのは女じゃなくてお前だって素直に言えば良いものを言えないまま、

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向こうからそのことに気付くまで手なんぞ出してやるものかって意地張る結果になっていたという話。それで賭けを続けている間に食事したり一緒に寝たりしてる内に「抱いてやっても良い」が「抱きたい」に変わっていって。いい加減気付きやがれあの間抜けがってしびれを切らしかけてた頃だった、という。

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数日後、ホルが夜の街でまた二人の姿を見かける。デーボの方は前と何一つ変わらずいつも通りで、でもその隣にいるラバソは何の変装もしていない本体の姿で。デーボの手に指を絡めて笑うラバソに上手くいったようだなと悟る。

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ラバソが視線を脇に向けている隙にその横顔を見つめるデーボの唇がほんの僅かに緩められていたことを、ホルだけが目撃して。まったく世話のかかる奴らだと自分から首を突っ込んだことは棚に上げて肩を竦めて、ホルは今度ラバソに高い酒でも奢らせてやるかと思いながらその場を去るのだった。

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これで終了。多分この二人は生存ルートに進む二人だから…未来は明るいよ。（ルートの詳細はべったーに）