自我を持たぬ狂気②

雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

【自我を持たぬ狂気②】 長いです 戦艦レ級に関する話 ちょっとわかりにくい表現あり ミュート推奨です

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実はタイトル詐欺だったりする タイトルの要素はあまりない

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〜南方海域〜 サーモン海へ向けて一隻の司令船が航行していた 艦橋の司令室では二人の提督が肩を並べ、外を見ている 瑠奈花｢ザハさん、急な要請に応えてくださって感謝します｣ ザハ｢いやいや、気にしなくていいよ。私なんかで力になれるのなら｣

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ザハ｢それにしても、サーモン海に向かうとは。もしかして、あのレ級かい？｣ 瑠奈花｢知っているのですか？｣ ザハ｢戦艦レ級は極秘中の極秘とされる存在でね。横須賀、舞鶴、呉、佐世保の限られた提督にしか討伐依頼が来ないんだ。まあ人によっては噂を嗅ぎつけて討伐に向かう者もいるのだが｣

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榛名｢そして大半は返り討ちに…｣ 瑠奈花｢なるほど｣ 瑠奈花は静かに海を見つめた。話でしか聞いたことはないが、やはり危険な敵であることに変わりはないようだ ザハ｢とりあえず、榛名と大鳳を連れてきたけど、これで大丈夫かい？｣

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瑠奈花｢助かります。航空戦力はどうも不足しがちなもので…｣ 瑠奈花の後ろには龍驤、比叡、赤城が並んでいる 榛名｢比叡姉さまと一緒に戦えるなんて嬉しいです！｣ 比叡｢危なくなったら私の後に隠れるのよ？｣

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空母三人は既に空母トークを始めていた ザハ｢全部で五人か…さすがにこれだけあれば航空戦力は大丈夫だが…武蔵も連れてくるべきだったかな｣ 瑠奈花｢いや、これでいいです。この作戦にはもう一人、協力者がいる｣ 瑠奈花が合図を送ると、一人の女性が司令室に入ってきた

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榛名｢あなたは…！｣ ザハ｢これは一体…｣ その場にいた全員が驚いた。無理もない。部屋に入ってきたのは戦艦棲姫…幾度となく対峙してきた敵なのだ 大鳳｢…これはどういうことですか？｣ 瑠奈花｢…見てわかるとおり、今回は君たち５人に、戦艦棲姫を加えた艦隊で出撃する｣

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榛名｢そういうことではありません！なぜ深海棲艦がここに…｣ 比叡｢榛名、落ち着いて！｣ 榛名｢比叡姉さま！？｣ 比叡｢…仕方ないんです。事情があって…｣ 比叡が唇を噛み締めているのを見て、榛名はある程度察したらしく、素直に引き下がった。納得はしていないようだが

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瑠奈花｢…とにかく、今回の出撃には戦艦棲姫が手を貸してくれる。納得はできないかもしれないが、少なくとも今は味方だ｣ 大鳳も榛名も黙り込んでしまった ザハ｢…信じてもいいのかい？｣ 戦艦棲姫｢ああ、作戦中にお前たちを斬るようなことはしない。約束する｣

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ザハ｢…わかった。頼りにしているよ｣ 大鳳｢提督！｣ ザハ｢瑠奈花さんを信じよう｣ その時、船員から無線が入った ｢司令官殿！そろそろサーモン海だ。出撃準備をしてくれ｣ 艦娘達は釈然としない表情で外へ出ていった。それほどまでに受け入れ難い状況なのだ

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瑠奈花｢すみません｣ ザハ｢…納得したわけではないよ。ちゃんと事情を説明してくれるかい？｣ 瑠奈花｢ええ、いずれ…必ず｣ ザハと瑠奈花は用心深く海を見つめた。今は、“奴”を倒すことに集中する必要がある

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〜サーモン海〜 瑠奈花『総員、エリア551へ進軍！目標は戦艦レ級！心してかかれ』 ｢｢｢了解！｣｣｣ 龍驤｢戦艦レ級…って見たことないけど、どういう奴なん？｣ 戦艦棲姫｢子供だ。少なくとも見かけはな｣ 榛名｢子供…？｣

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戦艦棲姫｢艤装の実験の際、仮に暴走しても容易に止められるようにと、被験者には未熟な子供が選ばれたのだ。結果はこの通りだが…｣ 大鳳｢ひどい…子供を使うなんて｣ 戦艦棲姫｢…上の連中を止められなかった我々にも責任がある。だから私とお嬢はずっとレ級の動きを観測してきた｣

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戦艦棲姫｢そして今、奴を見つけたところなのだが…｣ 比叡｢…渾作戦の傷のせいで全力を出し切れないと。そういうことですね｣ 榛名｢そうだったのですね…｣ 赤城｢…！索敵機に感あり！早速お出ましのようですね｣ 赤城の報告を聞き、全員が戦闘体制に入る

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赤城｢軽空母が二隻に重巡、軽巡、駆逐艦…ですね｣ 戦艦棲姫｢いや、これは…｣ 戦艦棲姫が前に出ると敵は動揺した 龍驤｢もしかしてこれ、戦わなくても通過できるパターンだったり？｣ 榛名｢どうでしょう…？｣

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戦艦棲姫｢この者達は友人だ。道を開けてもらおう！｣ しかし敵は戦艦棲姫に対して攻撃を仕掛けてきた 戦艦棲姫｢やはりか…！｣ 龍驤｢どうなっとるんや！あんたの仲間やないんかい！｣ 戦艦棲姫｢今は違う。おそらく奴らは、戦艦レ級の手下に成り下がっている！｣

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大鳳｢索敵機から入電！正体不明の敵を発見…とのこと！｣ 榛名達は大鳳の指さす方向を見た。そこにはいまだかつて感じたことのない程の殺気と異様なまでに無邪気な笑顔があった 榛名｢あれが…戦艦レ級！？｣ pic.twitter.com/9qRINQKKdi

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次の瞬間、龍驤の目の前にレ級の艦載機が飛んで来た 龍驤はとっさに防御姿勢を取るが、艦載機のスピードは凄まじく直撃を受けてしまう 大鳳｢龍驤さん！｣ 龍驤｢いたた…うちは大丈夫や！にしても凄まじい威力やな…！｣ 戦艦棲姫｢これがレ級の艤装の力だ｣

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比叡｢よし、私がやる！｣ 比叡は立ちふさがった駆逐イ級を吹き飛ばすと、戦艦レ級に突撃した 戦艦棲姫｢ダメだ！待て！｣ レ級は表情一つ変えることなく比叡を待ち構え、尻尾の形をした巨大な艤装で比叡の首を掴む

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比叡｢…ッ！｣ 比叡は機転を利かせて身体を捻り、レ級の拘束から脱出する。しかし次の瞬間、比叡はレ級からのゼロ距離射撃を受けてしまった 比叡｢ひえぇ！？｣ 榛名｢比叡姉さま！？｣ 戦艦棲姫｢…下がれ！｣ 戦艦棲姫が上空から槍を構えて飛び込み、戦艦レ級を一刀両断した

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榛名｢お姉さま！無茶しないでください！｣ 比叡｢ごめんごめん…あはは｣ 赤城｢龍驤さんは大丈夫ですか？｣ 龍驤｢なんとかな…まあうちは今回攻撃機載せてないし、二人が無事ならなんとかなるやろ｣ 大鳳｢艦載機より身体の心配をしてください！｣

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戦艦棲姫は一人、戦艦レ級の残骸を調べていた ザハ『みんな無事かい！？』 大鳳｢比叡さんと龍驤さんが負傷しています｣ 比叡｢でも、戦艦レ級は倒し…｣ 戦艦棲姫｢いや、まだだ｣ その場にいた全員が戦艦棲姫に振り向いた

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瑠奈花『まだ、とは？』 戦艦棲姫｢艤装の識別番号が違う。こいつは我々が追っていたのとは別の個体だ｣ 赤城｢それって…｣ 戦艦棲姫｢我々の目標は今のレ級よりも遥かに凶悪ということだ｣ 龍驤は思わず戦慄した。先程のレ級の攻撃は受けるまで全く気づかなかった。アレよりも凶悪とは

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戦艦棲姫｢探索は続行だ。負傷している者もいるが…｣ 瑠奈花『大丈夫か？』 比叡｢このくらいなんてことないです！｣ 龍驤｢…ウチも問題ないで！｣ ザハ『…大丈夫そうだね。ではそのまま進軍を』 戦艦棲姫｢任せておけ。お前たちの部下は必ず護る｣