#トラ泊神戸支部～激闘の本土近海決戦編②

ですか @desuka_desuyo

「緊急招集！練度の高い艦娘全員だ！」 俺の言葉に任務娘が通信室へと駆けだした。続けて青葉にも指示を飛ばす。 「青葉は俺と一緒にここの準備だ。今からここを臨時の会議室とするぞ」 「はい！」 #トラ泊神戸支部

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執務室には応接用のソファと机のセットが置かれている。それを青葉と動かしていると執務室の扉を開けて一人の艦娘が飛び込んできた。 「提督、何があったんだ？」 息を切らせて問いかけてきたのは先ほどまで遠征に出かけていたはずの加古だった。 「お前遠征に行ってたんじゃ…」 #トラ泊神戸支部

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「戻ってきたらちょうど招集がかかってさ。走ってきた。それより何があったんだよ」 「その前にこっちを手伝ってくれ。準備が出来次第話す」 加古やその後にやってきた長門達と共に応接セットを片付け、折り畳み机を数脚用意した。その上に日本近海の海図を広げる。 #トラ泊神戸支部

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「ちょっとすいませ～ん」 大きな機械を抱えて執務室に入ってきたのは任務娘だった。その機械も机の上へと置かれる。見たところ通信用のもののようだ。 「われわれが呼ばれたということは、ただならぬ事態が起こったということか？」 キリッとした表情の長門がそう尋ねてくる。 #トラ泊神戸支部

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「そうだ。たった今連絡が入ったのだが、本土近海に深海棲艦の艦隊が接近しているようだ」 俺の言葉に艦娘たちはハッと息を飲んだ。 「現状は？現在どうなっているんですか？」 赤城の問いに答えたのは任務娘だった。 「そちらの説明は私の方から。その前に自己紹介を」 #トラ泊神戸支部

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「本日からこの艦隊所属となりました、任務娘改め軽巡洋艦大淀です。本作戦では提督の補佐としてこちらで指揮に加わります。よろしくお願いします」 大淀はそう言うと一礼してから現在の状況を話し始めた。 「横須賀からの報告によると～」 そう言いながら海図に印をつけていく。 #トラ泊神戸支部

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「ここまで迫られているというの！？」 霧島が眉間にしわを寄せながら呟く。大淀が記した敵艦隊の位置はそれほどまでに日本に近かったのだ。 「現在横須賀から複数の艦隊が出撃しているようです。なのでこれ以上の進行は防げると思いますが……」 「それもじり貧って感じかな～」 #トラ泊神戸支部

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大淀が濁した部分を北上が呟いた。敵の編成には戦艦棲鬼など強大なものも含まれている。たとえ横鎮でもそれを抑えきれるほどの戦力は保持していないだろう。ましてや現在は攻略作戦の真っただ中。あるはずの戦力も減っている。 「AL,MIから呼び戻せはしないんデスカ？」 #トラ泊神戸支部

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「それは無理ですね。今、攻勢をやめ撤退すれば、背中から襲われることになります」 金剛の問いに大淀が即答する。ALもMIもまだまだ攻略にはかかるようだった。 「じゃあ今ある戦力で何とかするしかないのね」 加賀の言葉に大淀が頷く。 「ではー」 「青葉が行きます」 #トラ泊神戸支部

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青葉が加賀の言葉を遮ってそう提案した。 「敵残存戦力がどれほどか分からない今資材消費はなるべく抑えるべきです。まずは重巡主体の偵察編成で行くべきではないでしょうか」 「確かに。他は…」 「わ、私も行きます！」 古鷹が恐る恐る手を上げる。青葉につられてだろうか。 #トラ泊神戸支部

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「大丈夫か？」 俺の問いかけに力強く頷く。なんだかんだ言ってこの泊地のTOP5の一人なのだ。心配するほどではないだろう。 「私達も行きます。行かせてください」 「ちょっ、千歳お姉！」 そう言ったのは軽空母の千歳だった。 #トラ泊神戸支部

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「資材消費なら正規空母の人たちより自信があります。それに…」 そう言って千歳はチラリと千代田の方を見る。 「千代田と一緒なら大丈夫です」 「お姉…」 「千代田、お前は大丈夫か？」 千歳に熱い視線を向けている千代田に問いかけると、力強い返事が返ってきた。 #トラ泊神戸支部

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「はい！お姉とならなんだって出来ます！」 「そうか。じゃあ後は…」 編成表を書き込みながら執務室にいる艦娘を見渡すと、一人の艦娘が手を上げるのが見えた。 「はいは～い！鈴谷たちが行くよ～」 「え゛っ！？なんでアタシも行くことになってんの？」 #トラ泊神戸支部

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北上が鈴谷に非難の目を向ける。 「まぁまぁ、北上っちも行こうよ～」 「誰が北上っちだ！はぁ、いいけどさ～」 「やったねぇ」 二人の様子にすこし不安を覚えつつ、空いた二枠に名前を書き入れる。 「それじゃあ偵察の方よろしく頼む。くれぐれも無理しないこと。安全第一だ」 #トラ泊神戸支部

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俺の言葉に「はい！」と返事をして六人は工廠へと向かった。そこで艤装を装着し、出撃するのだ。 彼女たちを見送った俺たちは、他の鎮守府からの情報の整理を行う事にした。海図に寄せられた情報が書き込まれていく。が、まだまだ分からないことだらけのようだった。 #トラ泊神戸支部

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北上を先頭に当該海域を目指す。執務室でのやり取りで不安に思っていたが、しっかりとやってくれそうで安心した。後ろを振り向いて巻き込んでしまった僚艦に問いかける。 「古鷹～、大丈夫ですか？」 「大丈夫だよ。青葉の方は大丈夫？」 「大丈夫です」 #トラ泊神戸支部

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青葉の返事を聞いて古鷹が嬉しそうに微笑む。青葉の心配よりもうちょっと自分の心配をしてくれないものかと思うのだけれど、そういうところだけは頑固な古鷹が素直に聞いてくれるはずないだろうと肩を落とした。 「もうそろそろだよ～」 北上の言葉で艦隊に緊張が走る。 #トラ泊神戸支部

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偵察用の水偵を飛ばす。青葉の頭上を千歳たちの航空隊が飛んでいくのが見えた。今回彼女たちは戦闘機と偵察機しか積んでいない。情報によると敵機動部隊には空母棲姫がいるらしく、制空権を守るだけで手いっぱいになるだろうということだった。 #トラ泊神戸支部

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「敵艦隊発見！旗艦は……戦艦タ級flagship！」 千歳が偵察機からの報告を伝える。それを聞いた北上が手に持っていた主砲を身構えた。 「面倒だけど、やるしかなさそうだねぇ」 遠くに敵影が見えるのを確認し、全員が戦闘準備に入る。 #トラ泊神戸支部

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敵艦隊との距離が近づき、上空では互いの艦載機による航空戦が始まった。 「じゃ、やっちゃいますか」 そう言って放たれた北上の先制雷撃によって、戦闘の口火は切って落とされた。 #トラ泊神戸支部

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トラ泊神戸支部～2nd season 次回：激闘の本土近海決戦編③ 近日更新予定。 #トラ泊神戸支部