青江怪談

モブ @m_ob38

柳のような風貌に反して自分の見た目を保つことに興味がなく刀を握るのに邪魔だからって爪とか遠慮無くバチバチ切っていくのに髪の毛だけは存外丁寧に扱う青江に君にもそういうこだわりあるんだねと話しかけたら「ああ。これは僕じゃなくて、彼女のものだからねぇ」と何でもないように返された

モブ @m_ob38

きさらぎ駅に着いてしまったさにわマンが携帯で片っ端から電話をかけると母親の電話番号から何故か青江に繋がっておかしいと思いながらも藁をもつかむ気持ちで助けを求めるとそれは大変だと返され「近くのトンネルを抜けた先に迎えの車を用意しておいたから、そこまでは頑張れるかな」と優しい声が

モブ @m_ob38

にっかり青江、現代の怪奇現象になってくれ　下校途中確かに男のはずなのにどこか女のようにも見える髪の長い人物に声をかけられた時とっさに笑顔を作れなかったら「笑いなよ、にっかりと」って声と共に口を切り裂かれるみたいな怪談が小中学生の間で流行ってくれ

iKiwi @angelcrown

田舎の食料品店で働いてる僕が、にっかりさんのおうちに米や酒を届けているうちににっかりさんに懸想して、ある日矢も盾もたまらなくなって無理矢理押し倒してにっかりさんに必死に腰を打ち付けて、ふと我に返ったら交番の前で木に向かって腰を振ってて、おまわりさんに肩を叩かれる話

iKiwi @angelcrown

大学に入って一人暮らしを始めたら、隣の部屋に同日入居してきたにっかりさんと挨拶するようになり、ほどなくして毎晩彼を殺す夢を見るようになる。ある日ついに隣の部屋に侵入して首を締めて締めてついに折ってしまう。翌朝僕が部屋で絞殺死体になって見つかり、ちょっとした騒ぎになった　#青江怪談

モブ @m_ob38

出会いが何だったかは今ではもう思い出せないがいつからか共に住むようになった青江と愛を育み睦み合っていたはずなのに気がつけばボクは手足に枷をつけられたベッドで知らない天井を見上げていて厳重な扉を開けてやってきた白衣の男によるとボクはもう何年も昔からずっと一人だったらしい #青江怪談

モブ @m_ob38

最近隣に引っ越してきた青江さんはいつも色んな男を取っかえ引っかえ部屋に連れ込んではあられもない声を壁越しに響かせていてそれを聞いていく内に段々おかしくなってきたボクは壁に少しずつ穴を開けていってある日とうとう隣を覗いてみるとそこには空っぽの部屋が広がっているだけだった #青江怪談

iKiwi @angelcrown

バーでにっかりさんに声をかけて、ホテル街に向かおうと手を引いたら、曖昧な笑みでついてきてくれた。一晩楽しみ、翌朝彼は既におらず、とりあえず家に帰ろうとしたが、辿り着けない。交番で道を聞いてもそんな住所は無いと言われる。身分証も何故か持っておらず自分の名前も思い出せない。#青江怪談

iKiwi @angelcrown

隣のクラスのにっかりさんから合同授業で消しゴムを借りてから、意識するようになってしまい、毎日目で追うようになり、体操着を盗んだり、隠し撮りをするようになる。隠し撮り写真をプリントアウトしてアルバムに綴じて眺めてみたら、にっかりさんの目線が、何故か全て僕を見ていた。　#青江怪談

モブ @m_ob38

子供の頃近所の廃ビルに遊びに行く度に髪の長い綺麗な男の人(多分)が待っていて去り際に必ず「待っているからね」と笑ってたけどボクが中学生になった辺りでそのビルは取り壊されてしまった　仕事に追いつめられとある高層ビルから飛び降りようとする今のボクには確かにあの声が聞こえる #青江怪談

モブ @m_ob38

同窓会で誰かが「あのさ、一年の時青江っていたよね」「あ～妊娠してやめたんだっけ？」「いやあいつ男だったろ」「確か二年から学校来なくなったよね」「三年生の時俺同じクラスだったよ」とざわつく室内だけどボクだけは向かいの席で笑ってる彼の名前が何だったか思い出そうとしていた #青江怪談

iKiwi @angelcrown

にっかりさんと付き合って、遊園地に行き、山登りして、その度にツーショットの写真を撮って、小さなアルバムを作って持ち歩いていた。同僚にそのアルバムを見せると、軽蔑したように「何股だよ」と言われた。返されたアルバムを開くと、色々な知らない人たちが、僕の隣で微笑んでいた。　#青江怪談

おがぽよ @6677poyo

近所に事故が絶えない交差点があってなんでも昔そこで亡くなった親子の霊が呼んでいるだとか、そんなバカな話…と思いながらある晩交通量も無い子の刻も過ぎた頃その交差点を通りかかると青緑の髪の男が交差点で寝ており、「どんな気持ちなのかなあ」と何度も呟いているのを聞きました　#青江怪談

モブ @m_ob38

中学校の時に青江が使ってるシャーペンをこっそり盗んで舐めながらヌいてたボクは大学で偶然再会した彼に会話の流れで何か書く物はないかと聞かれた時今は何もと謝ると嘘はいけないよと笑いながら「僕のペン、持ってるだろう？」彼の言う通り、それは確かに今でもボクの机の中にあったのだ #青江怪談

iKiwi @angelcrown

人通りのない夜の道端に座り込んでいたので、声をかけて車の助手席に乗せてあげた。具合が悪くなって困っていたらしい。名前を聞いたら「青江」と言った。大きな通りまで送った帰り、車の調子が悪くなったので、ボンネットを開いたら、内部にびっしりと青緑色の髪の毛が絡み付いていた。　#青江怪談

モブ @m_ob38

青江さんと付き合い始めて浮かれたボクは彼を片っ端から友人に見せびらかすんだけど後から話を聞くたびに「優しそう」「ちょっと暗くない？」「お前には勿体ないな」「あれだけはやめといた方がいい」と様々な反応を貰うしボクの隣にいるはずの青江さんの顔はいつ見ても違うような気がする #青江怪談

iKiwi @angelcrown

近所に住むにっかりさんは、僕に時々プレゼントをくれる。どれもどこかに数字の入っているデザインのものばかりだ。僕は彼が結構好きだったので、全て専用の箱に入れて取っておいた。僕はある日大事故に遭い、死んだ。箱の中の品を貰った順に並べたら、僕の命日になったのは偶然だろうか。　#青江怪談

海桜 @kaiou0218

眠れない夜に道すがら歩いていると、古びた鳥居を見つけた。何とはなしに歩みを進め木立を抜けると、月明かりのもと白帷子を纏った男が優雅に舞っていた。あまりの美しさに暫く眺めていたが、気づくと一人家の布団の中にいた。 #青江怪談

海桜 @kaiou0218

もう一度男を探しに出たが、鳥居が見つからないどころか、友人曰く、昨夜は月のない朔の夜だったという。夢だったのではないかと友人が言う。確かに男の顔ひとつ思い出せない。ただ、男の髪が美しい長髪であったと断言できるのは何故なのだろうか。ちょうど、目の前で笑う友人のような。 #青江怪談

海桜 @kaiou0218

「それは夢だよ、きっとね……」って意味深に笑う友人。腹の底が少しも読めないその笑みを見ていると、何故か凝り固まっていた筈の違和感さえも溶けて、やがて本当に夢であったような気がしてくるという話。 #青江怪談

mika @mika_t0

遠い親戚の青江さんとは親類の誰かの葬式でくらいしか会う機会がなく、だからぼくのの中にいる彼はいつも線香の匂いがしてる 初めて彼と会った時小学生だった僕はもう三十路を過ぎたというのに、いくら年を重ねようと陰鬱な微笑を携える彼は会う度記憶の中と全く変わらない姿で現れる #青江怪談

モブ @m_ob38

五年ほど付き合ってた青江とこっちのDVが原因で別れてから暫くしない内にひどい腹痛で倒れて病院に運ばれたボクに医者が「身に覚えはありませんか」と言いながら見せた腹部レントゲン写真には食事に混じって入れられていたらしい溶けきらなかった髪の毛が塊になってぎっしり詰まっていた #青江怪談

🍄 🄽🄸🄲🄷🄾🄻🄰 🐈‍⬛ @nicholano

合宿で古い民宿に泊まりに行った時だった。その日は熱帯夜であったが、民宿の人だろうか 青緑の髪をした青年が「寝る時に窓を開けてはいけないよ」と強く言うものだから僕等は従った。その晩、寝苦しく目覚めた僕はどうにも動けなくて、天上がギシギシと軋む音を一人ずっと聞いていた #青江怪談

joelle🥬🍗🍙 @joelle_tb

覚えのない道を歩いていると、奇妙に妖艶な髪の長い男がどこからか現れて腕を絡ませてきた。僕に着いてきて、という彼の色香に誘われて大人しく従うと、途端に眩い光が目を焼いた。気付けば崖の淵に立っていたけれど、彼に救われたのか落とされそうになったのか未だに判断がつかない #青江怪談

秋崎 @_akisk

夜道を一人歩いていたら電柱の街頭に照らされて女が立っているのが見えて少々ビビったものの近づいてみればそれは美しい長髪の男で、ほっとしたのも束の間、金色の瞳がじっと此方を見つめ、「それ、どこまで連れて行く気だい？」微笑み、僕の隣を抜けた彼を振り返ると其処には誰もいない #青江怪談