大森田不可止さんのゲーム昔話~チュンソフト編~

当時の“百発百チュン”のキャッチコピーに違わずチュンソフトは名作揃いでした。
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大森田不可止 @omorita

当時のWindows95は画期的だった。それ以前にDOS/Vで高解像度画面で、VZというエディターでセタのスーファミ開発環境を使ってた。PC98が全盛の頃、DOS/Vは正に画期的だった。その流れでWindows3.1に移行した人は多いと思う。#chunsn

2015-04-04 17:42:58
大森田不可止 @omorita

街の開発。私はPS担当だったので、サターンのプログラムではサブ。関連ファイルが1万くらいあるんだけど、それらを管理するプログラムをPERLで制作。PERLを教えてくれたのは上野くん。考えてみると様々な技術は友達の相互の影響で身につけたんだな。#chunsn

2015-04-05 17:36:31
大森田不可止 @omorita

街では日に2回ほど、PERLのプログラムで全ファイルをパースして、辻褄の合わない部分をリポート。サウンド、グラフィックの作業指針になってた。日に1回はバックアップ。これはPCに慣れてないスタッフが、ドラッグ&ドロップでファイルをロストすることが多かったから必須。#chunsn

2015-04-05 17:41:24
大森田不可止 @omorita

街ではロンゴロンゴの管理人せいさんで出演。深夜、上野のセガのゲーセンの管理室で撮影。メイクさんが顔のテカリを放置。監督が指摘すると「味だと思って」でOK。ちょっとショックだったが、「味」ならいいかと。ちょっとしたことだけど「プロ」を感じた瞬間だった。#chunsn

2015-04-05 17:45:26
大森田不可止 @omorita

街の撮影は役者さんも大変。私が撮影した頃にはノウハウが出来てたみたい。演技の流れをしながら、撮影ポイントで静止して撮ってた。基本静止画なんだけど、役者さんは静止の演技が出来ない。だから、カメラに映らないこう動くよねという演技をしながら、シャッターチャンスで静止。#chunsn

2015-04-05 17:49:00
大森田不可止 @omorita

街は7億円使った。売れたのは10万本。全く商売にならなかった。私はヤバイなと危機感を高めてた。そんなときに中村社長から街をPSに移植してくれないかとオファー。その時に街がよく分からなかった私はサウンドノベル3部作のPS移植を決意。かまいたちがやっぱり面白かった。#chunsn

2015-04-05 17:57:00
街 運命の交差点

チュンソフト

街 〜運命の交差点〜
渋谷の街を舞台に、8人の主人公とそれを取り巻く登場人物が、物語を繰り広げる。基本的にそれぞれの主人公に面識はないが、あるシナリオで何気なく行った主人公の行為が、別の主人公の未来に重大な影響を与えることがある。時にはそれがバッドエンドなど悪影響を及ぼす場合があり、それを回避するために、ザッピング(zapping)を行ってシナリオを切り替えながら読み進めていく。[Wikipedia]

大森田不可止 @omorita

サウンドノベルの移植では、ひげひげ団人脈で最適な会社に担当してもらった。心配で一旦は辞めようかと思ったかまいたちの移植も、1ヶ月前倒して完成させてくれて、タイトルは変わったけど、12月から3ヶ月連続リリースを実現してくれた。営業受けの悪かったチュンソフトの初快挙。#chunsn

2015-04-06 17:37:14
大森田不可止 @omorita

社内的に売上が期待されてなかったので、保険としてトルネコの大冒険も移植することにした。出来が良かったので2になったけど。つまり、4本のゲームのディレクションを1年間続けた。サウンドノベル3作に関わってたからできたんだと思う。ダンジョンは仲の良かった長畑さんのおかげ。#chunsn

2015-04-06 17:39:24

※株式会社スパイク・チュンソフト執行役員の長畑成一郎さん

大森田不可止 @omorita

ひげひげ団って言うのは、土曜の夜に集まって酒を飲んでたゲーム関係者。最初はナムコOBで飲んでたんだけど、奇跡のような出会いがあり、2004年ころには毎週30人位が集まってた。現役アイドルが優しい感じに共感したり、ゲーム業界で伝説の人が来たり。私もそうか?#chunsn

2015-04-06 17:45:58
大森田不可止 @omorita

サウンドノベル移植で、めちゃくちゃ忙しいのに、土曜日はひげひげ団の主催者もしてた。忙しくても、酒飲み仲間に癒やされる、昭和な空間だったな。#chunsn

2015-04-06 17:47:49
大森田不可止 @omorita

移植会社が五反田、代々木、新大久保、福島。毎日どこかの会社に顔を出して、進行チェック。多分、嫌な客だったと思うけど、こっちは初めての経験だし、必死だった。気持ちは伝わるんだと思う。高いクオリティで、各社が完成してくれた。タイトルの入れ替えはあったけど、予定通り発売。#chunsn

2015-04-07 18:43:03
大森田不可止 @omorita

かまいたちは私も入れ込んだゲームだったので、最初に来たのは正解だった。当時、SONYが圧倒的なCMを流してくれたのも売上に貢献。40万本。「全部で10万本が社内評価での最高値だったから、間違って無かったと安心もした。移植にあたってそれなりの工夫はした。#chunsn

2015-04-07 18:45:46
大森田不可止 @omorita

PSかまいたちではフローチャートを導入。これは私が欲しいと思ったから。PSサウンドノベル移植のテーマは「ゲームは良いのだから騙してでも売ろう」にしてた。チュンソフトは正攻法でゲーム作ってたんだけど、そろそろケレン味があっても良いかと思ってた。#chunsn

2015-04-07 18:46:37
大森田不可止 @omorita

弟切草もフローチャートを入れたかったんだけど、長坂先生が反対。長坂先生は独自の哲学があって、面倒だったけど、お酒を飲むと意気投合するので嫌いじゃなかった。まぁ弟切草はグラフィックを格段に良くしてたから、心配も少なかったし、SFC版がロングテールで売れたので。#chunsn

2015-04-07 18:50:26
大森田不可止 @omorita

4本のプロジェクトを走らせるので、当時新しかったPMBOKを参考にした。私は何事も理屈から入るから。ただ、当時はPMBOKに関して官僚が縄張り争いしてて、原典以外は参考にならなかった。大学の時に経済学部の友達を手伝ってて、経営学・経営分析・ORなどの知識はあった。#chunsn

2015-04-07 18:56:14
大森田不可止 @omorita

PS移植は「かまいたちの夜」40万本、「弟切草」20万本、「街」10万本。街がPSに移植しても、影モードを加えても、フローチャートを加えても、売れなかった事はチュンソフトとしてはショックだった。ここで、街の続編の話は事実上無くなったと思う。#chunsn

2015-04-07 19:01:22
藤原水希 @mizki_f

@omorita 友人ともども「街」は大好きな作品なので、この結果はとても残念ですね。

2015-04-07 21:24:12
ヒロシ @HRH4423

ゲームはやってみなければ分からないものだから、普及していたSFC版で前評判が高かったのことが「かまいたちの夜」「弟切草」と「街」の違いだと思う。いくらSSで評判良くてもPSユーザーには届かなかったのだろうなあ。印象でだけど。 twitter.com/omorita/status…

2015-04-07 19:19:12
吉田 @yo4da

「街」、特に花火のエピソードとか大好きだったので、続編がなかったのは本当残念でした。 twitter.com/omorita/status…

2015-04-07 23:37:12
大森田不可止 @omorita

その後、トルネコ2も、移植から2になって、堀井さんのグラフィックダメ出しや、すぎやま先生の深夜クレームなどがありつつも完成。60万本を売り上げた。全部で130万本だから、街のダメージは完全に回復。当時の外注4社には本当に感謝してる。#chunsn

2015-04-07 19:06:52
大森田不可止 @omorita

外注4社は、ひげひげ団人脈と私のラッキーカード、ゾンビハンターも手伝ってもらったM君の会社。M君の会社は心配したけど結果1ヶ月前倒しで完成して、スケジュールを守ることが出来た。福島の会社はデスクトップPCを持って1週間とか行ってた。すっかり仲良くなったな。#chunsn

2015-04-07 19:11:48