隆平さんのお誕生日（丸山さんと彼女シリーズ11）

∞すみれ∞ @magic88word

26 こんなとこ入れて… この数日の彼女の気持ちを思うと たまらんくなった 彼女の電話には 大倉からの着信とメールが一杯で 留守電に村上さんの声が入ってた 「な、わかってくれた？ あのコンビニは ふたりで行ったことなかったかもな」 『…』 あれ？まだ反応が薄い

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27 『だって…』 彼女が初めて口を開いた 『みんな…ウソついてたら…？』 「 俺がみんなに頼んで？ …そんなことすると思うのん⁈」 『だって…』 「あーもう！」 俯く彼女を抱きしめた 「村上さんが間違えただけ！ おまえ以外おらんねやから」

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28 「でも…不安にさせたんは 俺のせいやな…ごめん…な」 気持ちを伝える術が これしか見つからなくて 隙間がないぐらい きつくギュッとした 身体を硬くして泣いてた彼女が 少しずつ落ち着いて やっと体重をかけてきてくれた

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29 よかった…ほっとした それから… 彼女がヤキモチ焼いてくれたのが ちょっとだけ嬉しかった 「なあ…俺の誕生日…」 遠慮がちに言うてみた 『…あ、ケーキ！』 俺の胸にもたれてた彼女が 弾かれるように突然身体を離した

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30 『誕生日ケーキ… 隆平くんおめでとう…のケーキ 予約した人がもうひとりいたって…』 「へ？」 『それで私…すっかり…』 「その隆平くん、幼稚園やでたぶん」 『え…⁈』 「前に歯医者行ったときおってん 隆平て名前の子…」

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31 「誕生月にプレゼントくれるねん その歯医者… そしたら誕生日も同じで… きっとその子や、ほんまやで」 『ケーキ屋さんに聞いてくる』 「ええで…今から行くか？」 そう言うたら 可笑しそうに笑って言う 『ケーキ…食べる…？』

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32 「…その前に…プレゼントもらうわ」 『なにも用意してな… こっち向けてキスする 「なんもいらんよ… おまえだけおってくれたら…」 愛しさが溢れて めっちゃくちゃ抱きしめた 「幸せやで」 ほんまに… pic.twitter.com/LJDJMMiE5M

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1 「ほんっまにすんませんでした‼︎」 信ちゃんが深々と頭を下げる 「いやいや… もうそんな謝らんといてください」 会社帰り、うちのお店に 丸山さんと彼女が来てくれた 平身低頭して謝る信ちゃんに 恐縮する丸山さん 隣に座る彼女を 困ったように見てる

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2 そんな丸山さんに気づいて にっこりほほ笑む彼女 ほんとに仲良さそうで お似合いのふたり… 「いつやったかなー ○○さんと大倉さんがちびのとこに 一緒におるん見て…もうてっきり… その後も大倉さんひとりでちびに ご飯やりに来たりしてたし」 信ちゃんが必死に弁解してる

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3 「そうなんっすよ！○○のこと 好きやったからー、大倉は！」 「なんかあったん⁈」 「思い出すのも腹立つんやけど 聞いてくれますっ？店長！」 「ふんふん」 「大倉のやつね…」 『ちょっと…隆平さん！』 「あ…ご、ごめん ちょっと興奮してもーた…」

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4 やっぱり信ちゃん ○○さんのこと好きだったんだな… 丸山さんと彼女の話をする 信ちゃんを見てて なんとなくそう思った 今はもうヤキモチとか そんなんじゃないけど…

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5 「丸山さん、ええ人でよかったわ〜」 家に帰ってくつろぐ信ちゃん 『ね…信ちゃんホントははじめ ○○さんのこと好きだったでしょ？』 「え…？」 『勘違いだったけど大倉さんが いてくれてよかったな…って』 「なに言うてんのおまえ」 『ん…もういいの』

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6 余計なこと言っちゃって あわてて立ち上がると 両手を引っ張られて 勢い余って 信ちゃんの膝の上に… 「あのふたり…丸山さんと彼女 めっちゃお似合いやんか？ ええなーと思ってん… でも俺はおまえでよかったで」 『…うん…』

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7 面と向かって そんなこと言われたの初めてで 顔が上げられない 『信ちゃん…離して…』 「あかーん」 『ごめんね変なこと言って…』 「ん、再確認しよか…」 『え…』 「一晩中かかるけどええか？」 pic.twitter.com/W8oVFyjFLP

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1 『ね、そういえば大倉くんと一緒に いた女の人って誰なのかな？』 「さあ…聞いたことないけど… 大体あいつはモテるからさぁ〜」 『隆平さんもモテたいの？』 「お、俺は別に…！」 クスクス笑いながら 食器を片付ける彼女 すっかり機嫌が直ったのはええけど

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2 知らんかったとはいえ大倉は 彼女にキスしよったんやから…！ あの時のこと思い出しただけで またムカついてきた それに… 「村上さんも君のこと 好きやったんちゃう…かな？」 流しに向かう彼女の後ろに ピトッとひっついて 今日気になったことをつぶやいた

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3 彼女は何言ってんのーって 笑い飛ばして洗い物を続けてる 「俺そういうとこ鋭いねんで… なあ〜ってー」 かまってくれへん彼女の肩に 顎を乗っけて腰に手を回す 「村上さんにはもう彼女がいはるから まあ、ええねんけどさー」 ええねんけど気になるねんもん…

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4 後ろからゴソゴソする俺にも びくともせず用事を済ませると 『さっ、そろそろ帰るね』 くるりとこっちを向いてにっこり笑う 「えー！帰んの⁈」 『えーって…明日も会社だよ』 「そ、そうやけど… ほな送ってくからちょっと待って！」

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5 『隆平さん、荷物多くない…？』 苦笑いの彼女 「ええねん気にせんといて …さっ行こか⁈」 ちび、今夜もお留守番よろしく…♡ pic.twitter.com/8wPN9CoilB

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