- sakatamaki
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(「'ω')「◇獅子◇ これから連投するツイートは、ツイッター連載翻訳小説「ニンジャスレイヤー」の私的二次創作小説です。 原作の設定諸々を用いますが、原作ストーリーとの関連は一切ありません。あくまで趣味の物としてお楽しみ頂ければ幸いです。 (「'ω')「◇忍者◇
2015-04-11 21:43:39(「'ω')「◇土曜日の夜◇ 拙いアソビではございますが、お楽しみ頂けましたら嬉しく存じます。 また、もし実況頂けるというブッダ同然な方がいらっしゃいましたら、#shishi_nj タグをお使い下さい。 (「'ω')「◇イカガオスゴシ?◇
2015-04-11 21:44:02(「'ω')「◇蛟空手◇ フロッグ・ジャンプト・イン・オールドポンド #1 togetter.com/li/804322 #2 togetter.com/li/806656 #3前半 togetter.com/li/806657 #3後半 ←昨日のししのツイート
2015-04-11 21:44:33【これまでのあらすじ】 日本の北、マタギ山脈の奥地に存在するドージョー。マスター・セラギ・ニンジャの薫陶を受け、ミズチ・カラテの修行を積む若きニンジャ、リプルリングの前に、モリタと名乗る謎の男が現れる。不吉な予感。師の娘レンゲとの逢瀬。謎のニンジャたちの蠢動。運命は動き始めた。
2015-04-11 21:45:30マタギ山脈の奥地。ミズチ・ニンジャクランのドージョーよりもさらに奥に分け入った、人跡未踏めいた森の泉のほとり。ベアハンターすら訪れないこの秘境に、二つのカラテ・シャウトが絶え間なく木霊し、森の王者であるバイオワシの宸襟を騒がせていた。シャウトの主は、モリタとリプルリングである。1
2015-04-11 21:48:35「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「もう一度だ」 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「もう一度だ」2
2015-04-11 21:51:42リプルリングはモリタのカラテを受け、躱し、返す。その身体能力は鍛え抜かれており、反射神経も技術も研ぎ澄まされていると言っていい。だが、数合、十数合とカラテを打ち合わせれば、倒れるのはいつもリプルリングであった。「ハァーッ…ハァーッ…!」「立て、リプルリング=サン」「ハイ!」3
2015-04-11 21:54:46「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「もう一度だ」 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「もう一度だ」4
2015-04-11 21:56:57「ハァーッ!ハァーッ!」倒されたリプルリングは膝立ちになり、荒い息をつきながらモリタを見上げた。トレンチコート姿のモリタは、悠然としてジュー・ジツの構えを崩さぬ。「立て、リプルリング=サン。もう一度だ」「…ハイ!」5
2015-04-11 21:59:19「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「もう一度だ」 「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「もう一度だ」6
2015-04-11 22:01:43リプルリングとモリタがこのような山奥に鍛錬に来ているのは、セラギ・ニンジャの命による。モリタが訪ねてきた翌日、セラギ・ニンジャはリプルリングを呼んで告げた。『ドージョーよりさらに奥にあるミズチ・ニンジャクランの修行場にて、モリタ=サンに教えを請うべし』7
2015-04-11 22:04:25『己に足りぬものが何か、それをとくと見極めてきなさい。カラテのなんたるかを』。リプルリングは、謎めいた客人であるモリタに教えを請えというセンセイの命が不可解であり、さらに言えば、近来体調の優れぬセンセイと、レンゲのことが心配であった。8
2015-04-11 22:06:43が、師の命は絶対である。支度を整えると、翌日モリタと出立した。「すぐに戻るよ」と言い残したリプルリングに、レンゲは微笑って頷いた…。9
2015-04-11 22:09:04ニンジャ脚力を発揮して一日の旅程を経た二人は、今日の早朝、この泉のほとりの修行場に着いた。それからリプルリングはひたすらモリタとカラテし、その度に打ち倒されていた。10
2015-04-11 22:11:24もう何十回打ち倒されたことだろう。モリタは恐るべきカラテの持ち主であり、ニンジャ装束でもないトレンチコート姿のまま、リプルリングを圧倒し続けた。(((何故だ…センセイならばともかく、どうしてこうも…!)))11
2015-04-11 22:13:42リプルリングは、己の内に黒雲のように湧き上がる疑念を必死に押さえつけていた。いままでの鍛錬が無駄だったはずがない。己のミズチ・カラテは、センセイの教えは必ず通じるはずだ。だがこれは何だ。何故自分は地を這っている?リプルリングは無理矢理に疑念を振り払い立ち上がる!12
2015-04-11 22:16:27「イヤァーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「もう一度だ」 「イヤァーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「……」13
2015-04-11 22:19:05「成る程」不意にモリタがジュー・ジツの構えを解いた。「どうしたんです、モリタ=サン!もう一度…」立ち上がるリプルリングに、モリタは首を横に振って答えた。「少し休憩だ、リプルリング=サン。アグラせよ」有無を言わせぬ口調である。「…ハイ」リプルリングは不承不承その場にアグラした。14
2015-04-11 22:21:54もう昼過ぎだ。早朝から延々とカラテし続けたが、リプルリングはモリタから一度もイポンを取れていない。「フゥーッ…スゥーッ…。フゥーッ…スゥーッ…」ミズチ・カラテに伝わる呼吸法を反芻しながら、リプルリングは己のカラテを見つめた。そして、モリタのカラテも。15
2015-04-11 22:24:53モリタのカラテは激烈な打撃と速度のカラテだ。重く、鋭く、生命を刈り取るような凄みがある。リプルリングはそれを必死で捌くが、五手から十手先で体勢が崩れ、支えきれなくなる。リプルリングにもそれが分かるが、どうにもならず打ち倒される。その繰り返しだった。16
2015-04-11 22:27:25「フゥーッ…。スゥーッ…。フゥーッ…。スゥーッ…」吸うときは、己が限りなく広がる様をイメージし、吐くときは、己が限りなく小さくなることをイメージする。ミズチ・カラテの呼吸鍛錬を欠かしたことはない。呼吸が次第に深く長くなる。リプルリングは徐々にヘイキンテキを取り戻してゆく。17
2015-04-11 22:30:39(((センセイならばどうしただろう?)))師、セラギ・ニンジャのカラテの、湖めいた深さ。センセイは『教えるべきものは全て教えました』と言った。ではなぜリプルリングはモリタのカラテに為す術もないのか?実戦経験か?それもあろう。では、実戦経験の意味するところとは?18
2015-04-11 22:33:44『リプルリング=サン』不意に、数日前のセンセイの言葉がニューロンに浮かんだ。『貴方は何手先で私に倒されるか理解している。違いますか?』その通りだ。自分はどこで己のカラテ防御が破れるかを理解している。だからもっと鍛錬を積み重ねて、懐を深く…何手でも防ぎきれるようなカラテを…19
2015-04-11 22:36:25『教えるべきものは全て教えました』…何手先でも無限に防ぎ続けられるカラテを…『教えるべきものは全て』…呼吸が深まる…『カラテのなんたるかを』……20
2015-04-11 22:38:39