紅の魔王と白の姫【テドイア】

重音テッド×イアの物語。 随時更新。 続きを読む
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大崎巧実(裏) @mboxtw2

このネタ(気高き忠誠、誇る名誉【テドイア】 pixiv.net/member_illust.…)の世界観での物語。 その世界は人も魔物も雑多に暮らしていて、当然のようにファンタジー要素も存在する世界。そこにある一つの大きな街が舞台。

2015-04-17 23:02:15
大崎巧実(裏) @mboxtw2

物語の始まりは、その街にある『白の館』が無くなった事から。 白の館はとてもとても有名な『白の騎士』を代々排出していて、要人はこぞってそこの人間を護衛に欲しがった。 そうして反映していった一族だったのだけれど、ある時莫大な借金を背負い、没落してしまう。

2015-04-17 23:04:18
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その借金は嵌められた物で館の主とは本来関係がない物だった。でも館の主はとてもお人好しでそれを背負ってしまった。 そうして白の館は売却され、残されたのは主人の一人娘だったイアただ一人。 借金を肩代わりしたのはがくぽ。彼は『紫の館』の主人で商人。

2015-04-17 23:06:26
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアの家を嵌めたのはがくぽではないけれど、正当なルートによってイアの所有権を手に入れた。 そうしてがくぽに連れてこられたイアはとある場所に身を寄せる事になる。 この場所ってのが娼館。ちなみにそこもがくぽの持ち物。

2015-04-17 23:08:00
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアは連れてこられたその先が娼館だと知り、自分は娼婦として使われるのか、って絶望するのね。白の騎士としてのプライドもある。 言われるまま館の仕事(裏方)をしながら、もし身体を売らなければいけないのなら潔く死を選ぼうとさえ思ってた。

2015-04-17 23:09:45
大崎巧実(裏) @mboxtw2

けれどイアを娼館に連れてったのは本当は娼婦にするためじゃなかった。 がくぽにはイアを絶対に売りに出すなと伝えてある。そこ場所が『女』にとって一番安全な場所だったから。 娼館という場所の都合上、外から入ってくる事も出て行く事も出来ない作りになっているから。

2015-04-17 23:12:49
大崎巧実(裏) @mboxtw2

がくぽにはイアを売る当てがあった。ってことでそこでテッドさんが出てくる。 テッドさんは『紅の魔王』とよばれ、紅の館を拠点とする魔物。がくぽは魔物しか作れない薬や鉱石をテッドさんに制作してもらったり、テッドさんに欲しい物を売りつけたりしてた。

2015-04-17 23:15:41
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ある日、テッドさんの館に来たがくぽは『白の館』が無くなった話をする。街でも有数の貴族だった白の一族の事だから当然テッドさんの耳にも入ってた。 で、そんなテッドさんにがくぽは商談を持ちかける。「娘を一人買わないか?」って。

2015-04-17 23:17:19
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんはがくぽが経営してる娼館の常連客。普通に性欲の都合もあるけれど、魔物のテッドさんには女の子から魔力やらなんやら色々と補給する都合ってのも実はあって。だから良くがくぽに女の子の都合をして貰ってた。 だからいつものようにがくぽも商談を持ちかけてきたわけだ。

2015-04-17 23:20:14
大崎巧実(裏) @mboxtw2

でも、二人はちゃんとわかってる。そこに出された『商品』がなんなのか。 だからテッドさんも詳しい事を聞かずに「いくらだ」って即答した。 がくぽはテッドさんがそういうだろうって思ってたから真っ先に商談を持ちかけてきた。その確信たるものを知っていたから。

2015-04-17 23:21:50
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ずっと、ずっとテッドさんがイアの事が好きで、なんとか手に入れようとしてた。その事実をがくぽは知ってる。で、しれっと破格の金額を提示するわけだ。 「高すぎだろ?!桁が違う!!」「嫌なら他に売るまでだ。彼女なら欲しいという物などいくらでもいる」「あぁもうわかった!買う!」 商談成立。

2015-04-17 23:24:40
大崎巧実(裏) @mboxtw2

がくぽはッドさんが桁違いの金額吹っ掛けても絶対出す、って事を知ってたから思いっきり足下見てる。テッドさんもわかっているけれどそれに乗らざるをにない。 悔しいのは先にがくぽにかっさらわれてしまった事。

2015-04-17 23:26:13
大崎巧実(裏) @mboxtw2

「そいつは処女なんだろうな?!」「無論、傷一つ無い事は確認済みだ」そんな感じでイアたんが傷付けられていないかともしっかり確認してほっとするテッドさん。 そうして、イアたんの所有権はテッドさんに渡るのでした。

2015-04-17 23:28:55
大崎巧実(裏) @mboxtw2

で、イアたん。娼館での生活にも少し慣れてきた頃。分は娼婦としてじゃなくて裏方の仕事をするに連れた来られたんじゃないか、って思い始めていた。 娼婦をいに来る男達を裏から見ながら、嫌だ嫌だと心に積もらせて。 でもそんなイアたんに非常の言葉が下されるわけだ。

2015-04-17 23:30:56
大崎巧実(裏) @mboxtw2

「客がついた」ってその一言がイアに告げられる。 その時が来たのかと、自分も他の娼婦達と同じように身体を売って暮らす事になるのか、と。 そうしてイアは部屋に連れて行かされ、客を待つ事になったのです。

2015-04-17 23:33:21
大崎巧実(裏) @mboxtw2

着せられたのは余所行きの綺麗な服。一人待たされるその場所でイアは思うのです。 身体を売って生きるくらいなら、って。そうして死のうとしたイアをテッドさんが止めてくれるんですね。 「此処で死なれたら金が無駄になる」って。

2015-04-17 23:34:47
大崎巧実(裏) @mboxtw2

「私は娼婦にはなりたくない」って泣くイアを半ば無理矢理自分の館にテッドさんは連れて帰る。 出迎えたのはモモ。混乱してるイアを落ち着かせて、躾をしておけと命令されたモモちゃんはイアたんの介抱をする。 そうしてイアはテッドさんちのメイドになるのです。

2015-04-17 23:37:19
大崎巧実(裏) @mboxtw2

訳もわからないままなイアたんにモモは館のルールとメイドとしての心得とかを教えていく。 そうして漸く、自分は新しい『主人』の元で働くんだ、ってイアは落ち着くわけです。 まだこの時点ではテッドさんがイアを好きだから連れてきたって事を知らない。

2015-04-17 23:38:58
大崎巧実(裏) @mboxtw2

メイド服を着て、研修中のイアたんをテッドさんは何度も見てるんだけどモモに「まだイアは来ないのか」って愚痴る毎日。 モモも慣れてるからさらっと聞き流すけれど。もう少しお待ちください、って。 モモ自ら教育してるから出来は上々。

2015-04-17 23:40:26
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ある日の朝。モモがいつもの様にテッドさんを起こしに行くとメイドの一人連れ込んでテッドさんが寝てた。二人とも全裸なままで。 モモは慣れてるからいつものようにカーテンを開けて、主人を起こして、着替えをさせて、とてきぱきと。 寝惚け眼のテッドさんはイアがいないのにがっかり。

2015-04-17 23:41:42
大崎巧実(裏) @mboxtw2

「いつになったらイアが起こしてくれるんだろうな」っていうテッドさんに「こんな光景を見せるにはまだ早すぎです」って返される。 「少しは焼いてくれるかもしれないだろ」「……焼かせたかったんですか」そんな会話。少しはイアの表情が変わる所を見たいらしい。

2015-04-17 23:43:22
大崎巧実(裏) @mboxtw2

「こんな光景見せたら逆効果ですよ」ってモに諭されるけど。 「気にしてほしいなら夜に女性を連れ込むのをおやめくださいな」「それは無理だ。抱き枕無しでは眠れない」「でしょうね」 慣れきっててスルーしまくりのモモちゃんだった。

2015-04-17 23:44:51
大崎巧実(裏) @mboxtw2

で、研修中のイアたん。 不思議に思っている事があった。それは館の中が凄く緩い事。空気が。 主人とメイド達が普通にきゃいきゃい会話してて。まるで友達の様で。 イアの屋敷ではまず考えられない。ゆるーい雰囲気に包まれた場所。

2015-04-17 23:46:47
大崎巧実(裏) @mboxtw2

お休みくださいって普通にテッドさんに進言してるメイド。「何処に行くんだ?」って世間話が続く。「あぁ、あそこだったらアレが有名だったよな、買ってきてくれ」ってぽんって札渡したり。釣りは駄賃代わりにやるよ、って。 勿論そのメイドはちゃんと言われた通りお土産ですって買ってきた

2015-04-17 23:48:45
大崎巧実(裏) @mboxtw2

でもこんな緩い雰囲気でお客様が来た時大丈夫なのかしら?って凄く不安だったイアたんだったけれど、いざお出迎え!ってなると全ての召使い達が一斉にキビッと動く。 所謂スイッチ切り替え型なテッドさんの館なのでした。

2015-04-17 23:50:55