仮面ライダー BRACK RISING 第二話 「いくつかの夜明け」

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じょう @jou110

!◆二次創作劇場◆!

2015-04-08 22:28:45
じょう @jou110

前回のあらすじ:霞のジョーは破壊し尽くされた町中で目を覚ました。町を彷徨う子供達をチャップから守り安全な場所へとたどり着いた霞のジョーだったがその後を謎の怪人が付けていた。子供達を守るためフグ怪人に立ち向かう霞のジョーだが、怪人の吐く粘液に絡め取られ身動きが取れなくなってしまう。

2015-04-08 22:29:34
じょう @jou110

絶体絶命の危機に陥る霞のジョーの前に現れたのは黒き戦士、仮面ライダーBLACKこと南光太郎だった。光太郎はフグ怪人を打ち倒し霞のジョーとの再会に喜ぶ。しかし、平和だったはずの世界になぜ、滅びたはずのゴルゴムとクライシスが再び現れたのか。再び激しい戦いが、始まろうとしている。

2015-04-08 22:31:18
じょう @jou110

仮面ライダーBLACK RISING 第二話「いくつかの夜明け」

2015-04-08 22:33:25
じょう @jou110

前回までの仮面ライダーBLACK RISING 第一話「太陽の復活」 togetter.com/li/805045

2015-04-08 22:32:28
じょう @jou110

その空間の中心に有るのは玉座である。深い闇に包まれた神殿内にあってその玉座の周辺だけが、神秘的なまでに輝いていた。光に照らされて、地面に漂う瘴気の舞う様子がはっきりと見て取れる。玉座の前には三人の人間……否、怪人が跪き王の言葉を待っていた。 1

2015-04-08 22:38:23
じょう @jou110

「ダロム、バラオム、ビシュム」玉座の上の存在が眼下の怪人に声をかける。深々と首を垂れた三人の名は、大怪人ダロム、大怪人バラオム、大怪人ビシュム。それぞれがゴルゴムの怪人達を束ねる大いなる存在である。では、その三人を従える玉座上の存在は……? 2

2015-04-08 22:43:16
じょう @jou110

大怪人ダロムが重々しく口を開く。「恐れながら創世王様、我がゴルゴムの優秀な怪人が、我らの同胞がまた一人……」その報告を聞く玉座上の存在、創世王と呼ばれた者はダロムの発言を遮った。「もう良い、死んだ者は必要ない。私のゴルゴムに必要な者は最後まで生き残ることの出来る者だ」 3

2015-04-08 22:50:59
じょう @jou110

大怪人達は玉座を見やることが出来ない。彼らが跪くのはは敬意からのみでは無い。掟に則り即位した新たな創世王は、これまでのゴルゴムの歴史の中で最も強大であると彼らは感じている。即位に当たってゴルゴム最強の剣士ビルゲニアを歯牙にも掛けず切り払った冷酷な目を、彼らは忘れられないのだ。 4

2015-04-08 22:57:29
じょう @jou110

「ゴルゴムにはクライシスを滅ぼす為の駒が必要だ。怪人達を勝利へ導く為に、その捨て石とする為に」創世王が浪々と語る。「これから始まる私の世界に、クライシスの様な存在は必要ない。それを分からぬお前達ではあるまい」顔を上げずとも、射抜く様な視線が向けられていることが分かる。 5

2015-04-08 23:02:25
じょう @jou110

「わ、分かっております。その為に、ゴルゴム少年部隊を強化する為、人間の子供達を集めており……」ビシュムが弁明を行う。「そしてその任務を果たせぬまま、フグ怪人は死んだ」だが、創世王はそう切り捨てた。「も、申し訳ありませんっ……」それきりビシュムは黙ってしまった。 6

2015-04-08 23:06:45
じょう @jou110

「ダロム、お前がビシュムの任を継げ。バラオム、お前はフグ怪人を倒した者を調べるのだ」創世王が命じる。「はっ!」二人の大怪人は立ち上がると、闇に潜んでいた配下の怪人に合図を出した。「行け、ハリネズミ怪人、クジャク怪人!」2体の怪人が闇の中から地上へと解き放たれた。 7

2015-04-08 23:15:07
じょう @jou110

そしてダロムとバラオムもまた闇へと消える。残されたビシュムは未だ身動き一つ取れずにいた。玉座から立ち上がり、カツリ、カツリと創世王が降りてくる。「ビシュムよ、お前はまだ、私にとって必要な者で居てくれるな?」耳元で囁かれた言葉を最後に、ビシュムは気を失ってしまった。8

2015-04-08 23:21:20
じょう @jou110

光太郎と霞のジョーは少し早めの朝食をとっていた。健斗達から先にパンを配り、皆で頂きますと挨拶をする。それだけの事で、この非常事態の中で少しだけ日常を取り戻したかのように思えるのだった。 10

2015-04-08 23:25:14
じょう @jou110

美味しそうにパンを食べる子供達からさりげなく離れ、霞のジョーは光太郎に改めて尋ねた。「兄貴、知ってたら教えてくれ。何でクライシスが蘇ったんだ」光太郎は少しだけ逡巡し、しかし決心したように霞のジョーの目を見て話し始めた。 11

2015-04-08 23:30:10
じょう @jou110

「落ち着いて聞いて欲しい。ジョー、ここは……俺たちのいた世界じゃない、別の世界なんだ」「何を……」バカな事を、と続けようとして霞のジョーは言葉を飲み込んだ。光太郎の顔があまりにも真剣なものだったからだ。 12

2015-04-08 23:33:52
じょう @jou110

「この世界ではゴルゴムが滅ぶ前にクライシスが現れている。二つの組織が互いに争う為に、人々は帰る家を失い、尊い命が何万人と犠牲になっているんだ」「そ、そんな……!」霞のジョーは衝撃を隠せない。「こ、この世界のライダーは……仮面ライダーは一体?」 13

2015-04-08 23:40:03
じょう @jou110

「……この世界にも、仮面ライダーがいた。しかし、ゴルゴムとクライシスの挟撃に合い……」光太郎は顔を伏せた。握り締めた拳が怒りで震えている。「俺は平和になった俺の世界で、助けを呼ぶ声を聞いた。仮面ライダーを呼ぶ声を。俺はその声を聞いて手を伸ばそうとした」 14

2015-04-08 23:44:40
じょう @jou110

光太郎はその時の事を思い出す。声の聞こえた方向へと手を差し伸べると、目の前に灰色のオーロラが現れた。そして灰色のオーロラの向こう側がご徐々に破壊された町に変わってゆく。次に怪人に襲われる人々が目の前に現れた時、光太郎は思わずその中に飛び込んでいた。 15

2015-04-08 23:51:10
じょう @jou110

「そのオーロラをくぐった途端に、俺の体からエネルギーが吸い取られてゆくのが分かった。今思えば、無理やりに別の世界に入ろうとしたからかもしれない。俺はRXに変身したつもりだった。でも、気が付くと俺は仮面ライダーBLACKになっていたんだ」 16

2015-04-08 23:54:17
じょう @jou110

光太郎は戸惑いながらも、人々を襲っていた怪魔異生獣クッカパカラと戦いを始めた。クッカパカラは胴体に五つある口から糸を吐き出し人々を捕まえ攫っていた。仮面ライダーBLACKの姿でクライシスの怪人と戦うのは始めてではなかったが、やはりRXとして戦うよりも苦戦はまぬがれなかった。 17

2015-04-08 23:59:56
じょう @jou110

糸に絡め取られた人々からクッカパカラを離すため、仮面ライダーBLACKは攻撃を受け流しながら徐々に後退していく。クッカパカラを挑発し引きつけながら、仮面ライダーBLACKはかろうじて形を保っている十階だてのビルを目指していた。 18

2015-04-09 00:04:21
じょう @jou110

クッカパカラの攻撃に耐えながらビルを登る仮面ライダーBLACK。やっとの思いで屋上にたどり着いた光太郎は、クッカパカラを捕まえて諸共にビルから飛び降りた。空中でもがくクッカパカラに向かってライダーキックを放つ。落下エネルギーを加えた必殺の衝撃がクッカパカラに与えられた。 19

2015-04-09 00:09:33
じょう @jou110

立ち上る爆炎の中から現れたのはライダーただ一人だった。その後人々の元へ戻った光太郎だったが、一足遅くチャップ達にさらわれた後であった。光太郎は少しでもこの世界の事を知るために廃墟の中を駆け、何体かの怪人と交戦した。そんなある日、何者かを尾けているフグ怪人を見つけたのだった。 20

2015-04-09 00:14:33