150425 第12回 居住環境デザインフォーラム記念講演 バリー・シェルトン氏『Looking East in Urban Design - a View from the West』( #12df )

記念講演『Looking East in Urban Design - a View from the West(日本の都市から学ぶこと)』 講師:バリー・シェルトン氏 日時:2015年4月25日(土)17:10-18:25 定員:200名(当日先着順) 会費:無料 場所:大阪市立大学学術情報総合センター10F 続きを読む
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はるろ|山をおりる⛰ @kohe13

シェルトン氏:今まで話したことを簡単に言うと、日本の伝統建築では構造的に可能であるならば床と屋根だけで全体を構成したいということがあるだろう。土俵と屋根の関係に顕著である。 #12df

2015-04-25 17:50:29
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シェルトン氏:これに対して西洋の基本は壁を作り線状の構造として並べるということ。西洋では通りに面したファサードとその線が重要な構成要素。日本で重要なのは平面図で、西洋では立面図。 #12df

2015-04-25 17:51:40
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シェルトン氏:面が重要であることを念頭に置いて日本の伝統を見ると、上から見た絵が多くある。このような絵の描き方は西洋ではあまり見られない。 #12df

2015-04-25 17:53:06
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シェルトン氏:1615年徳川家康がイギリスに屏風を送ったことがある。床に置くものである屏風を、絵と判断したイギリスでは壁に掛けていた。床の文化から壁の文化への贈り物は、別の用途として受け入れられた。これらの特徴は建築だけでなく都市にも拡張できる。 #12df

2015-04-25 17:53:30
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シェルトン氏:イギリスではまずストリート番号を目処に場所を探します。ところが日本では「町」など面的要素で都市が構成されている。面の中に面で構成されている。建物を建てる前に土地を作った上に建物を置く。面で土地を構成しているということ。これは現代まで続く作り方。 #12df

2015-04-25 17:55:14
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シェルトン氏:まとめると、日本では面の中に面があり、それらが重なり合って都市を構成している。日本と西洋の構造の違いは、このふたつの地図に顕著に現れる。 #12df pic.twitter.com/Z0Bld3pUlG

2015-04-25 17:57:26
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シェルトン氏:同じ時期の同じ木造の建物でも、サンフランシスコではファサードの線的なつながりが重要であり、日本では外から見えないように中を構成する面的構成が重要である。西洋でのモニュメンタリティはパースペクティブに、日本では床と屋根の構成に現れる。 #12df

2015-04-25 17:59:53
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シェルトン氏:もうひとつ日本の面的な特徴として、路面上のサインがある。西洋ではほとんど見られない。 #12df

2015-04-25 18:01:27
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シェルトン氏:日本では漢字やかな、音読み訓読みなど、様々な文化が共存している。宗教についても同様。西洋と比べると大きな違いがある。西洋の一神教に対し、日本には何万もの神々がいる。 #12df

2015-04-25 18:05:13
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シェルトン氏:大きな神社が小さな寺を保護しているような例もある。全てのものが変化するという仏教の考えは、西洋の線的な時間感覚と比べて円的である。完璧なものは存在しないという日本の思考と永遠を捉える西洋の思想。 #12df

2015-04-25 18:05:35
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シェルトン氏:全体性がなく部分が散らばっているという神道的風景には、中心がいくつもある。自然、人工、様々なスケールで人の側に神が存在するという考え方。こうした異質なものが共存することが日本建築でよく見られる。 #12df

2015-04-25 18:07:41
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シェルトン氏:中国的なものと日本的なものの共存が、明治期における西洋的なものとの共存の準備をしていた。結果的にファサードが西洋風でもインテリアは日本的である風景を用意する。これらは今も続いていて、コルヴ風のファサードの中に日本的なものが溢れる団地の風景も同様。 #12df

2015-04-25 18:09:29
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シェルトン氏:日本の床の連続、西洋の連続。アーケードを西洋では建物とひとつのものとして作るが、日本では建物から引き離して独立した構造のアーケードが作られる。 #12df

2015-04-25 18:11:37
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シェルトン氏:槇さんの『スパイラル』はコラージュでできている。日本の空間認識の伝統があるために簡単に思われるが、概念的に作られる西洋では非常に難しくなる。 #12df

2015-04-25 18:13:32
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シェルトン氏:ここから専門の都市の話。日本の都市にははっきりとした中心がない。対してオーストラリアでは中心に高層ビルがありそこから低層ビルが広がっていく。交通網を比べると、ネットワークとして機能する日本に対して、オーストラリアでは木のストラクチャーとして接続が少ない。 #12df

2015-04-25 18:15:40
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シェルトン氏:グリッドシステムも日本では交互に高層と低層が現れるが、線的な西洋では中心が現れる。西洋は放射状、日本は網の目状の都市構造を描ける。 #12df

2015-04-25 18:17:42
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シェルトン氏:このような日本の都市構造をスーパーブロックと名付けたが、これは日本に古くから存在する構造です。日本の都市の網の目のひとつのセルを拡大すると、さらに緻密な網の目を構成している。 #12df

2015-04-25 18:19:25
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シェルトン氏:名古屋での調査では、古くから構想されたスーパーブロックの構造がある。名古屋でスーパーブロックが、成功したのは1.広い平野があった 2.戦前から革新的であった 3.戦争において大きな破壊があったという理由がある。特徴は色々なタイプの道路があること。 #12df

2015-04-25 18:21:02
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シェルトン氏:1.グローバル道路、枠を作る都市を結ぶ幹線道路 2.グローカル道路、ふたつの網の目を繋ぐ道路 3.ローカル道路、幹線道路から中に伸びる道路 4.スーパーブロック内だけで完結する道路の4つのタイプに道路が分けられる。 #12df

2015-04-25 18:23:45
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シェルトン氏:道路ごとにスケールが大きく異なる。広い道路の脇には高層ビルが建ち、狭い道路の脇には低層の建物が建つ。多様な道路システムが機能する都市構造がうまくいっている。スーパーブロック内で多様なアクティビティが可能になるということ。 #12df

2015-04-25 18:25:44
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シェルトン氏:スーパーブロック全体にビルディングタイプが拡散している。ある種の機能の分布を調べると、コンビニはグローカル・グローバル道路の交差点にあるなど特徴が浮かび上がる。 #12df

2015-04-25 18:27:50
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シェルトン氏:スーパーブロックのように見えるイギリスの例を見ると、実はスーパーブロックとして機能していない。スーパーブロック同士の接続が少ないから。東京と北京を比べても、東京ではグリッド内で活発に接続されているが、北京では幹線道路沿いに限られる。 #12df

2015-04-25 18:31:30
はるろ|山をおりる⛰ @kohe13

シェルトン氏:今までの議論を要約するとこの画像にまとめられる。一部でも破損すると機能を失うアメリカのバーコードに対し、日本のQRコードは一部の破損でも機能を保存できる。 #12df pic.twitter.com/ATXXEnx2QK

2015-04-25 18:34:00
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シェルトン氏:文化から都市構造まで通底する日本の面的構成がうまくいくならば、線的構造よりも遥かに機能的で活動的である。 #12df

2015-04-25 18:34:42
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シェルトン氏:自分自身の文化を理解できるようになったのは、異なる日本の文化を理解できたから。だからひとつ提言できるとするならば、異文化を理解することを通して自分の文化をより深く理解して欲しい。文化に深く根差したデザインではより顕著です。 #12df

2015-04-25 18:36:13