- shiotani_bot
- 5278
- 163
- 0
- 1
塩谷さんがこれまでさまざまな場所で「双対性」についてしてきた説明のなかで、一番わかりやすい説明がなされている。 #哲学表現基礎論
2015-04-23 13:20:00「記号とは何ですか?」「〈対象を記号作用を通じて、処理できるという点で扱える形にcodeしたのが記号で、その記号をdecodeしたときに処理前の対象を指すことができる〉ようにしたいがために作られたもの」「では、記号をどう考えましょうか?」 #哲学表現基礎論
2015-04-23 13:57:25記号をどう考えるか、については2つの立場がある。記号学(semiology)と、記号論(sematics)。前者はソシュール(1857-1913; スイス)、後者はパース(1839-1914; 米)。それぞれ見ていこう。 #哲学表現基礎論
2015-04-23 14:00:26ソシュールといえば、シニフィアン/シニフィエ。言語記号(signe linguistique)のあいだには、連辞関係と連合関係がある。わかりやすくいえば、言語記号のあいだには連結(syntagm)と類似(paradigm)の関係がある。気になるのは、類似。 #哲学表現基礎論
2015-04-23 14:07:17類似といったときに、ある記号と、他のすべての言語記号との比較が知らず知らずのうちに行われている(「差異の体系」!)。先に関係がある。その潜在的な関係に対して反照がなされて、初めて「AとA'が似ている」ということができる。項が先にあって関係が作られるのではない。 #哲学表現基礎論
2015-04-23 14:11:56ソシュールの発想は、①まず関係があり、②その関係(潜在的な関係,見えない関係/顕在的な関係,見える関係)が項のアイデンティティを作りだすという順番になっている。これがいわゆる、構造主義的な発想。 #哲学表現基礎論
2015-04-23 14:16:38一方、パースといえばプラグマティズム。世界のすべてのものには記号がかぶさっていると考える。彼もまた、関係から記号についての考察をスタートさせているが、ソシュールと違い、認識的な順番と、存在論的な順番を区別する。 #哲学表現基礎論
2015-04-23 14:24:50つまり、認識的には、いつくもの項が先に存在し、そのあいだに関係が作られていく・成長していくという順番になるが、存在論的には、ある項から見たすべての関係のなかで特定の項と特定の関係を結ぶことになる。 #哲学表現基礎論
2015-04-23 14:29:30パースもソシュールも、自足した項というものに関係がはりついていくという順番を否定する。両者の違いは、ソシュールはまず世界全体を覆う関係をおく。パースはこの関係もまた仮置きする。この戦略の違いがどのように効いてくるかというと、見えない,潜在的な関係の扱い方。 #哲学表現基礎論
2015-04-23 14:34:37見えない,潜在的な関係の変動は、見えている,顕在的な関係の変動よりも、バランスをとりにくいし、その範囲を暗黙に仮定することが難しい(そもそも変動の範囲が動きうる)。このとき両項の間でバランスがとれるということはどういうことなのか、を考えるときに使えるのが双対性。#哲学表現基礎論
2015-04-23 14:46:08