【伊達家が恋しい燭台切光忠bot】本丸小話パートまとめ。
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【伊達家が恋しい燭台切光忠bot】~イメージイラスト~
@date_mitsuTMR 【イメージイラスト提供:玲(審神者) @noyouly】 (アカウント実装一ヶ月記念絵より) pic.twitter.com/RKdpIUU9K4
2015-05-31 08:16:07
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2015-04-29 20:05:43光忠「うーん…これは、」 倶利「どうかしたのか」 光忠「ああ、おかえり倶利伽羅。大したことじゃないんだけどね ……ほら、これを見てたんだよ」 倶利「…『姓名判断』?」 光忠「そう。名前の画数を使って吉凶を占うんだ。 僕らは姓名が無いから、号と銘を宛がうことになるけど」
2015-04-29 20:06:15光忠「ちなみに、僕の場合はこんな感じだった…」 倶利「……」 光忠「……」 倶利「……反応に困るな」 光忠「ここまで散々だといっそ清々しいよね?」 倶利「…ああ」 (……嫌な箇所に限って心当たりがあるから余計にだ) … pic.twitter.com/xknVreoUT4
2015-04-29 20:07:32光忠「不遇とか波乱とか悲運とか、僕のは確かに散々だったけど …案外、他のみんなも大差ない結果かもしれないじゃないか」 倶利「随分と楽観的だな…」 光忠「で、興味があったから君のも調べてみたんだ」 倶利「俺は無銘刀だ。判断しようにも肝心の銘が、」 光忠「うん、だからほら…」
2015-04-29 20:09:09光忠「ちゃんと欠けた分を埋めておいたよ?」 倶利「っ…お前…!」 光忠「ん?そんなに怒らなくたっていいじゃないか 僕と違って良いことばかり書いてあるんだから」 倶利「こんなもの…」 光忠「…羨ましいよ。とても君らしい結果だ」 … pic.twitter.com/XtPjZ6Y5V2
2015-04-29 20:10:07光忠「それから、もう一つだけ調べてみたい名前があってね」 倶利「…国永か?」 光忠「いいや」 倶利「なら、貞宗か…」 光忠「残念。惜しいけど外れだよ……じゃあ、誰だと思う?」 倶利「……知るか。興味ないな」 光忠「僕も知っていて、君が誰よりも一番に知ってるはずの名前だよ」
2015-04-29 20:11:23倶利「……」 光忠「……割と当たっているように見えるだろ?」 倶利「政宗は、」 光忠「多才で剛毅で意志が強くて、部下からも慕われていた あれこそが『頭領』の器なんだろうね」 倶利「……ああ。最期の最期まで、伊達男の生き様だった」 pic.twitter.com/DVHcobRdb9
2015-04-29 20:12:53光忠「僕は、政宗公の最期を看取ることが出来なかった …けど、代わりに君は見届けてくれたんだよね。その生き様を」 倶利「俺は政宗の刀だ。主の最期を見届けるのは当然だろう」 光忠「…ああ、違いない」 倶利「……お前の分まで、俺にはそれを見届ける義務があった」 光忠「僕の分…?」
2015-04-29 20:14:51倶利「…戦場では太刀を二振り佩くことの方が稀だ あいつが戦場を駆けていた頃も、俺達は同じ太刀として 常に差料の座を競っていただろう」 光忠「うん、そうだったね」 倶利「老いて病床に伏してはいたが、政宗は最期まで戦っていた …己の体が思うように動かなくなっても」
2015-04-29 20:16:02倶利「その最期の戦場に差料として選ばれたのが俺と貞宗だった ただ、それだけのことだ。…死に目にはあえなくても お前が守った奥州の地で、政宗は眠った」 光忠「……はは、慰めてくれるのかい?」 倶利「事実を言ったまでだ」 光忠「ありがとう。…君はやっぱり優しいね」
2015-04-29 20:16:58光忠「……そっか、僕は最期まで政宗公の刀でいられたんだね」 倶利「政宗は家を出たくらいで我が子を切り捨てたりしない お前はあいつの名付け子だ。たとえ何処にいても お前の魂がそう望むなら、お前は今でも伊達の、…政宗の刀だ」 光忠「倶利伽羅…」 倶利「…そんな顔をするな」
2015-04-29 20:18:19光忠「…親の死に目にあえないのは、一番の親不孝なんだってね」 倶利「死に目にあえない子だっている お前は親より先に死ななかった。それだけで十分だ」 光忠「それでもやっぱり。最期に一目逢いたかったな…」 倶利「そう思ってやることが、あいつへの何よりの弔いだ」 光忠「……ああ」
2015-04-29 20:19:56(戦場で折れる僕の最期を見届けてもらえないなら せめて伊達の刀として、彼に名付けられた者として この世から旅立つ親の横に一緒にいたかった ただ寄り添っていることしかできなくても 僕を“刀”にしてくれた無二の主に、感謝の言葉を言いたかった それが叶うことはなかったけれど)
2015-04-29 20:21:13… 光忠「ごめん。…かっこ悪いところ見せちゃったね」 倶利「別に」 光忠「あれ…何か調べてるのかい?」 倶利「ああ、間違いを正してやろうと思ってな」 光忠「…姓名判断の?」 倶利「人の姓というのは本来『血縁集団』のことだ だったら、お前にはもっと相応しいものがあるだろう」
2015-04-29 20:22:43倶利「結果はこうだ」 光忠「…これって」 倶利「号と銘を無理やり宛がうより、こっちの方が本来の意味に近い」 光忠「すっごくバランスが悪くて驚いたよ」 倶利「だが、悪くはないだろう?」 光忠「……ああ、僕にはもったいないくらいだ」 … pic.twitter.com/vIp3UZBfey
2015-04-29 20:23:45光忠「浮沈の消長多けれども晩年慶福に至る…か」 倶利「変転不和多し、されども再起運○だ 幸せになりたいなら、せいぜい悪足掻きすることだな」 光忠「君、占いとか絶対信じてないタイプだよね?」 倶利「こういうのは良い結果の時だけ信じればいい …国永がそう言っていた」
2015-04-29 20:25:03… 光忠「今夜は久しぶりに並んで眠らないかい?布団をくっつけてさ」 倶利「掛台に並んでいた頃とは違うんだぞ」 光忠「うん。でも、そうしたい気分なんだ 頼むよ」 倶利「……」 光忠「…ねえ、倶利伽羅」 倶利「……今日だけだからな」 光忠「ありがとう」 (君がいてくれて良かった)
2015-04-29 20:26:17■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【了】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
2015-04-29 20:28:07■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ★ 君に知られた夜の話 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ (名前を占う話・後日談 SIDE光忠)
2015-05-01 20:51:28人の身を得てから、ただの刀だった頃には無かったはずの感情が 唐突に胸に湧いてくることがある それがもともと持っていたものなのか、この体を得たことで生じたものなのかは 僕自身にもわからない 鮮明で強すぎるその波を、今はただ持て余す事しかできないでいる
2015-05-01 20:52:46生まれながらに『心』と呼べるものが宿っていたから 付喪神のそれも、人間の抱えるものとそう大差ないもののはずだと思っていた けれど、実際に人の身を得て、その感情の波に晒されて気づいたのは 僕は自分で思っていた以上に、名付け親の死に目にあえなかったのを 後悔しているのだということ
2015-05-01 20:58:59