廃棄物日誌 LOG:9

廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

「支店と言う支店を駆け回って全部処分した筈なのに何でまだ残ってるんだ…？」 小道具ことカードには「いつでも何処でも中出しセックス許可証」と書いてある。 彼は何処かで拾ったリカルドの黒歴史を本物と信じきっていた。 #廃棄物日誌

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数分前、借りたDVD(成人向け、ロリータ系)の延滞料金(とDVD)を取り立てに店員であるリカルドと二人でやってきた志津江に、彼は得意気にそれを見せたのだった。 さて、これまでの彼女の活躍を知っている読者諸君ならこの後の展開が分かるだろう。 #廃棄物日誌

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「これが見えないでしゅか～wwwww？？？」小バカにしたようにカードをつき出す。 まず志津江はそのカードを取り、それを半分に折った。 更にもう一回折り畳んでその辺に捨てると、唖然とする彼の頭蓋骨を素手で粉砕した。 「ぎゃぷ」と間の抜けた声が聞こえた。 #廃棄物日誌

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頭部は首ごと身体にめり込んでいた。 膝が折れ、彼は倒れた。少なくても、自分に何が起きたかを把握する前に死んでいただろう。 「家宅捜索」それだけ呟くと、彼女は振り返ってその場から立ち去った。 #廃棄物日誌

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先週も男子高校生(太志 当時18歳)が借りたDVD(アニメ。学園催眠奴隷と学園シリーズ) を返さなかったので催促にきたら アニメで登場した催眠マシンを志津江に向け、結果彼の頭と身体は永遠に別れることになった。 #廃棄物日誌

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その催眠機械だが、元ロシア技術者のスミルノフ(43歳、養子を一人持つ)曰く 「催眠術を兵士にかけ、熟練兵として活躍させる機械」 で、実験が何回か行われたが使用者と被験者の脳に深刻なダメージが起きることが判明したので中止になったものらしい。 #廃棄物日誌

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催眠電波として使われる特殊な電磁波がどうしても使用者と被験者の脳に刺激を与えすぎてしまうらしい。 「使いすぎると催眠ものでいう所の快楽堕ちするんですが、二度と元に戻りませんでしたね。オナニー覚えた猿みたいに死ぬまでまぐわい続けますよ」 #廃棄物日誌

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その機能を制限したものが闇市場に出回ったが、やっぱり例の電磁波はどうにもならなかったらしく ある事件を機にジュアヴォ(に参加した研究関係者)が全て回収したはずだが、まだ残っていたようだ。 「お疲れ様です、まさかまた俺達の黒歴史を見ることになるなんて…」 #廃棄物日誌

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深々と頭を下げるリカルド。 「顔を上げなさい」彼を見ず志津江は歩き続ける。時々欠伸をしながら、残暑厳しい第一管区を歩く。 第二管区に着くと、山城が手を振りながらやってきた。 「提督、お疲れ様にゃん。ご飯にする？お風呂にする？それとも…」 #廃棄物日誌

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「夜戦にゃん！？」山城の前につきつけられる、S&W M500の銃口。 勿論、提督こと志津江の銃である。 「ぶっ壊れてなさい」「昼間っからお盛んにゃんね」「ぶっ壊す」 顔に向けられたM500が火を噴く。更に何回か引き金を引く。 #廃棄物日誌

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「前々から言おうと思ったけど、劣化ウラン弾を景気よく人と同じくらいの生き物にぶっ放すのはどうかと思うにゃん」 ドックに漬かりながら山城が言う。 「だってそうじゃないと死んでくれないから」提督はM500を手入れしている。 #廃棄物日誌

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「これで28件目。治安維持活動も楽じゃないのん」 彼女が男達の夢を、命を破壊している理由。 それが治安維持活動と称した、予告なしの公開処刑である。 彼女だけではない、スタッフ(ジュアヴォ)達が前もって調べた標的に、処理場の艦娘や人形が向かい、殺害している。 #廃棄物日誌

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とはいえ全員が出動してる訳ではなく、第一艦隊と他何隻かで治安維持を行っているのだ。 勿論愛宕や山城、夕立も活動に参加している。 #廃棄物日誌

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[Side:夕立 AM00:00:01] 夕立がゆらゆらと揺れながら、夜の路地裏を歩く。 焦点の合わない目に、笑みの形を作る口、返り血を浴びた服。 誰がどう見てもこの夕立は危険だと察知させている。 #廃棄物日誌

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彼女の獣の耳めいた髪が不自然に揺れる。 「あー♥♥♥♥♥あはっ♪ははは…」彼女は笑うと、ステップしながら一台の車に近づく。 車の近くには、いかにもガラの悪そうな男数人がたまっていた。 近くのビルの扉が開き、中からやはりいかにもその筋の人間が姿を現す。 #廃棄物日誌

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男は車に乗り込もうとして、前に現れた影を目にする。 夕立改二の影が近づいてくる。 男達は金属バットやトカレフを構える。 「んだテメェ！？」一人の男が威嚇した。 夕立の形をした影は立ち止まると深々と頭を下げた。 「ハロー、ジャパニーズマフィア」 #廃棄物日誌

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月の光が影を照らす。 顔にまで飛び散った返り血、血走り正気を感じられない紅い瞳、犬歯が覗く不自然なくらいの笑顔。 「お前達の命を…貰いに来た」 右手に握られた、睦月型の単装砲のような武器を前に向けた。 #廃棄物日誌

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どうんどうどう。と表せる轟音が夜の街に響く。 夕立が握る単装砲、5インチ単装速射砲がセミオートライフル並みの速度で火を噴いていた。 深海棲艦の優れた技術で製造されたそれは艦砲とは思えない速度で装填から発砲を繰り返していた。 #廃棄物日誌

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発射しているのは威力を抑えた弱装弾だが、それでも下手なライフルより威力が高い。 腕に当たれば握られた武器ごと千切れ飛び、胴に当たれば大穴が開いた。 男、この辺りでは名の知れた組の幹部は既に防弾仕様の改造車に避難していた。 それ以外は拳銃を構えて乱射していた。 #廃棄物日誌

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男たちは防弾仕様の車に隠れて迎え撃っているが、夕立は隠れもせず(そもそも隠れれる場所は見当たらないが)速射砲を連謝する。 一人、また一人と撃ち抜かれ倒れる。 誰もいなくなると、夕立は車に撃ち続ける。 車体は凹み、ガラスもべこべこに凹んでいく。 #廃棄物日誌

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一ヵ所に向けて弾丸を集中させ、強引にガラスを貫き中にいた男を撃ち殺す。 「あはっ♪あはははは！はーっはははははは！あーっはっはははははは！」 狂ったような笑い声と共に、夕立の姿が消えた。 残ったのは無惨に射殺された男と破壊された車だけになった。 #廃棄物日誌

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「ヤツは処理場では“マッドドッグ”と呼ばれてる。海軍が産み出した完璧な殺人マシーンさ」 「性格は残忍で狡猾。殺しの現場を見て生きてるのは処理場の連中だけ。それ以外は必ず殺される」 「奴は狂ったような笑顔と共に現れ、狂った笑い声と共に消えるという」 #廃棄物日誌

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線路下の道を、一人の男が護衛されながら歩く。 その前に、一人の夕立モデルが現れる。 血走った目に不似合いな笑み、全身に浴びた返り血。 四人の護衛の「解体」された艦娘が流出した武器を向ける。 電車が通過する。 #廃棄物日誌

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夕立の返り血に新鮮なオイルが追加される。 金剛は頭を素手で叩き割られ 霧島は速射砲のラッシュに耐えきれず肉塊へと変貌し 榛名は火だるまになり 比叡の下半身と上半身は永遠に別れた。 夜戦は戦艦と巡洋艦の時間ではない。 駆逐艦の時間なのだ。 #廃棄物日誌