忍殺二次創作【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】♯５（原文のみ）

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……着地したニードルシューターは、空高く舞ったガンドーを見上げた。彼はサソリ・ファイティング・スタイルを解除し、両手の拳銃を空に向ける。その視界の横を、黒い何かが掠めていった。思わず視線を向ける。カラスだ。自分の影から、カラスが飛び立っている。何羽も、何羽も。89 #4215tk

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（これは）「イヤーッ！」戸惑う彼の意識を、ディテクティブのカラテシャウトが切り裂いた。彼はハッとして頭上を見やる。空から何十もの黒い弾丸が降ってきた。「い……イヤーッ！」ガンスピンめいて拳銃ブレードを回転させ、弾く。弾く。弾く！しかし弾丸の雨は止まぬ！90 #4215tk

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（これは……！）ニードルシューターは見る。ガンドーの４９マグナムに吸い込まれていく影のカラスたち。マグナムから放たれる黒い弾丸。竜巻めいて回転を増していくディテクティヴ。無数の弾丸は軌道を変化させニードルシューターの周囲に降り注ぎ、その退路を絶っている。91 #4215tk

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ニードルシューターはかつてのセンセイを想起した。彼は不意に悟る。自分はオーテ・ツミの状況に陥っているのだと。この弾丸とカラテの嵐の中に、もはや逃げ場など無いのだと。彼は弾丸を弾きながら、屈んだ。「イヤーッ！」BLAM!！仕込み銃反動のサマーソルト・キック！92 #4215tk

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それはもはやヤバレカバレの一撃であった。黒いカラテ竜巻となったディテクティヴに、一矢報いんとするつまらぬ意地であった。「イヤーッ！」ディテクティブのスピンキック！両者のカラテが一瞬だけ交差し「グワーッ！？」ニードルシューターが弾き飛ばされる！93 #4215tk

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彼は俯けに地面に叩きつけられた。地面に亀裂が入る。彼は立ち上がろうとした。それよりも遥かに早く「イィィィヤァァァーッ！」ガンドーのカラテがその背に突き刺さる！「アバーッ！？」ニードルシューターの体が一瞬だけ跳ねた。着地したガンドーがザンシンし、銃を突きつける。94 #4215tk

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「ハァーッ、ハァーッ！」荒い息をつきながら、ガンドーはニードルシューターを見据える。「ヒヤヒヤしたぜ……じゃあインタビューだ、ニードルシュータ−＝サン」「アバッ、アバッ」呻きながらもニードルシューターが顔を上げた。「……俺の。俺のカラテが。バカな……！」95 #4215tk

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「エーリアス＝サンをどこにやった？」ガンドーは訊く。「アバッ、わかった。答える」彼を見上げたニードルシューターが息も絶え絶えに呟く。「答えよう。その前に、少しこちらに寄れ」「何？」ガンドーは身を屈めた。同時！「イヤーッ！」ニードルシューターの片足が跳ね上がる！96 #4215tk

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「オイオイ！？」ガンドーが対応するより早く、BLAM！仕込み銃から弾丸が放たれる！「アバーッ！？」悲鳴が聞こえたのは彼の背後からだ。ガンドーが振り返ると、銃を構えていたタマヤが倒れこむところだった。脳天に穴を開けられて。「あんた」ガンドーがニンジャを見やる。97 #4215tk

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「非ニンジャのクズ風情が……俺のイクサを汚すな……！」憎しみすら篭った目で、ニードルシューターは倒れたタマヤを睨む。彼は嘆息してからガンドーを見上げた。「……答えるのが、遅れたな。イモータル・ニンジャ・ワークショップ。ツキジ・ダンジョン……あの女はそこにいる」98 #4215tk

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「そうか。アー……ありがとよ」やや戸惑いつつも、ガンドーは答える。少しの沈黙。「……あんた、ハイク詠むか」ニードルシューターが意外そうにガンドーを見つめた。彼は目を閉じ、数秒黙考する。「……地を這うサソリ／空飛ぶカラスに勝てず／インガオホー」99 #4215tk

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「ポエット」ガンドーは低く呟く。そして４９マグナムでニードルシューターの眉間を狙い、BLAM！カイシャク！「サヨナラ！」ニードルシューターは爆発四散！ガンドーは小さく息をついた。振り返ると、ワイルドウェストらが屋上に現れたところだった。彼は黙って手を振った。100 #4215tk

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【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】♯５終わり。この後短いエピローグをやります。 #4215tk

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【エピローグ】 #4215tk

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ニードルシューター、及びサンガ・ピストルカラテ・ドージョーの出奔者が皆死んでから数日後のこと。ガンドーはワイルドウェストと、その背に背負われたサヤカ・サンガを見送るところだった。「なあ、サヤカ＝サン。依頼金は無理しなくていいぜ？あんたの傷は俺の落ち度で……」1 #4215tk

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「お黙り、坊や」サヤカ・サンガは一睨みでガンドーを黙らせる。体には痛々しく包帯が巻き付けられているものの、その眼光に衰えはない。「あれはあたしのウカツさ。坊やの問題じゃあない」「けどよ」「お黙り」再度の眼光。ガンドーは仕方なく肩を竦めた。「わかったよ」2 #4215tk

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そして彼はワイルドウェストから依頼金入りの封筒を受け取る。「あの、アリガトゴザイマシタ」ワイルドウェストが深くオジギ。ガンドーは居心地悪そうに頬を掻く。「アー……礼はむしろ、ジェノサイド＝サンに言った方がいいと思うんだがな」「あの人には、もう言いましたから」3 #4215tk

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ワイルドウェストがどこか寂しげに笑う。今、この場にジェノサイドの姿はない。事の終わりを確認した彼は、何処ともなく去ってしまったのだ。ガンドーも、彼に礼を言いそびれていた。「それより、私の方こそスイマセン。お友達を探すの、手伝えなくて」ワイルドウェストが言う。4 #4215tk

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死に際のニードルシューターから情報を得たガンドーは、ワイルドウェストとともに調査を行おうとした。しかし、その足取りは掴めない。途中でトランキライザーとスライハンドのものと思しき得物を発見できただけだ。「いいさ。そこまで手伝ってもらうわけにはいかねえよ」5 #4215tk

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ガンドーが笑みを浮かべる。ワイルドウェストが再度オジギした。「それでは、私たちはこれで」「わかった。気をつけてな」「ハイ。オタッシャデー」ワイルドウェストが背を向け、帰っていく。ドージョーへと。「サラバ、だね。ガンドー＝サン」背負われたサヤカが小さく笑った。6 #4215tk

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……ワイルドウェストとサヤカの姿が見えなくなった後。ガンドーは顎に手を当て思案する。エーリアスをいかにして助け出すか？そもそも、INWとやらにどうやって侵入するか……「……そういや、あいつもそろそろこっちに戻ってくる頃か」不意に、彼は思い出していた。7 #4215tk

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ドラゴン・ユカノとともに岡山県へと旅立ったニンジャスレイヤー。予定では、そろそろネオサイタマに戻ってくるはず。「迷惑はかけたかねえんだが。しょうがねえよな」彼は苦笑し、踵を返した。向かうはネオナリタ空港。友人への簡潔な説明のため、彼は脳内で情報整理を始めた。8 #4215tk

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【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】終わり #4215tk

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以上で、イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテは終了です。ニンジャを募ってから終了までかなり時間がかかってしまったことをお詫びいたします。ニンジャ・非ニンジャのアイディアをくださった皆様、そして実況してくださった皆様、本当にありがとうございました！ #4215tk

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まとめはなんか早めにやります。ウキヨエ始まる前に終わってよかった。◇以上です◇ #4215tk