- jishin_dema
- 6578
- 0
- 1
- 0
TechinsightJapan
>「ニューメキシコ州のある町に繰り出し、協力してくれるという男性たちの髭に滅菌綿棒をいく度もこすり付け、採取された菌の培養を行ったゴロビック氏。ほとんどの人の髭に常在菌が多数付着していたことは想定の範囲内であったというが、中にはトイレの便座、いや便器ほどの量の細菌が付着している男性も何人か確認され、これには驚くばかりだったという。」
各種ニュース配信サイトやまとめブログなどに転載されてそこそこ話題になっている模様。
ソースはアメリカの地方局による企画
タイトルは「ヒゲがトイレ並に汚い人もいる」。
注意すべきは
-
科学的な調査ではなく、TV局の企画
「ニューメキシコ州のある町に繰り出し、協力してくれるという男性たちの髭に滅菌綿棒をいく度もこすり付け、」←ここまで主語はTV局。ゴロビック氏は受け取った綿棒から菌を培養してコメントする事しかやってない。ゴロビック氏自身の研究ではないし発表したのもTV局。
不特定多数の人を調査したわけでもなく道行く人に声をかけただけなので、せいぜい「町でたまたまヒゲが汚い人を見つけた」という程度の話に過ぎない。 -
量の事は何も言っていない
「トイレにいるのと同じ細菌(腸内細菌)がいる」というのを「トイレ並」と表現しているが、菌の量については何も言っていないので、「トイレと同じくらいたくさんの菌がいる」という意味ではない。 -
腸内細菌はどこにでもいる
「普通腸内にいる細菌」と言ってもそれが腸以外の所にいるのは別に珍しくはない。皮膚上にもいるし、トイレ以外の空気中にも普通にいる。
KOAT-TVの動画ではドアの取っ手や洗面所の蛇口からなどからも菌を採取しているが、その辺の英語は聞き取れなかったのでどういう風に言っているかは不明。
Metro
Techinsightが直接のソースとして提示しているのはイギリスの代表的タブロイド紙(日本でいうところのスポーツ新聞的な大衆紙)であるMetro。
Some beards are so full of poo they're as dirty as toilets metro.co.uk/2015/05/03/som… pic.twitter.com/U0lh0J3QbU
2015-05-04 20:02:04記事タイトルは「ヒゲがウ○コまみれでトイレ並に汚い人もいる」。
「ウ○コまみれ」は完全にタイトル詐欺で、見つかったのはウ○コそのものではなく腸内細菌。
字数制限なのか何なのか分からないが、リンクを表示させたりTwitterで共有したりするとなぜかタイトルが変わって「ヒゲにはトイレよりも多くののウ○コが含まれている」になってしまう。
「同じくらい」のはずが「よりも多い」になってるし、「そういう人もいる」が「一般にヒゲはそういうものである」の意味に変わっていて輪を掛けて不正確。
同様の記事は他のタブロイド紙や海外ニュースサイトでも紹介され大きな話題になっているが、同じように不正確な部分が多い。
この点に関してはTechinsightJapanではちゃんと修正されている。
参考
The Guardian
「排泄物の事で男はヒゲを剃り落とさなくていい」
The Huffington Post
「そう、確かにあなたのヒゲは便座と同じ程度に汚いかもしれない。しかし否、剃る必要は無い」
Science of Us
「ヒゲだけじゃない。この世はウ○コに覆われている」