PODリアの軌跡

サムクサイヌ_fateUM／PL:hinoe @hinoe_uma2

@yoshikacrazy 「……ああ」 道の先に目をやったまま、頷く。 「だが、今生の別れってわけじゃない」 リアに向き直り、俯く彼女の頬を撫でた。 「少しだけ、離れるだけだ」

よ鹿 @yoshikacrazy

@hinoe_uma2 「はい…絶対に会いに行きますね」 微笑んでみせる。精一杯の笑顔で。 「だから会ったら、答え合わせです。条約が勝ったのか勝ってないのか。もし私の知ってる結果と違ければ未来は変わってることになるんです」（続）

よ鹿 @yoshikacrazy

@hinoe_uma2 そっとキス。 「なので、あなたの居場所がわかるように…」 そっと手を差し出して彼の手を掴む。そして目を閉じた。

サムクサイヌ_fateUM／PL:hinoe @hinoe_uma2

@yoshikacrazy 「お前が何処にいてもわかるように」 己の掌の中に、光の旗を生み出す。大樹の紋が描かれた、小さな白い旗。それを彼女の手の中に握らせ、目を閉じたままの彼女に口付けた。 「お前の危機には参じよう。迷ったときには標になろう。――この誓いは、決して破らない」

よ鹿 @yoshikacrazy

@hinoe_uma2 目を開け、じっとユベールのことを見つめた。 「……帰ったら２ヶ月分、私にぶつけていいですから……今も、ユベールがしたいこと、してほしいこととかってありませんか？だから２ヶ月も待たせてしまいますけど……どこにも行かないでください。約束です」

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@yoshikacrazy 「そうだな……」 しばし考える。ふいに、悪戯っぽく笑ってリアを両腕の中に包み込んだ。 「しばらくはお前をこの腕に抱けないからな」 この温もりを、感触を、忘れないように。彼女の華奢な身体を、強く抱き締める。 「どこにも行かないよ。約束だ」

よ鹿 @yoshikacrazy

@hinoe_uma2 「はい……」 されるがままにユベールに抱きしめられ、彼の背中に手を回す。温かな腕の中に包まれ、そっと寄り添った。 「愛してます。ユベール」

サムクサイヌ_fateUM／PL:hinoe @hinoe_uma2

@yoshikacrazy 「愛してる、リア」 どれほどそうしていただろうか。時はすぐに過ぎていく。一抹の寂しさを覚えつつ、身を離した。踵を返して、歩く。分かれた道の左へと。 「またな」 分かれ道の入り口で、青い瞳が名残惜しげに彼女を見つめながら。振り返って手を挙げた。

よ鹿 @yoshikacrazy

@hinoe_uma2 「絶対！絶対会いに行きますから！」 リアの言葉にユベールは片手を挙げて答える。リアは彼の背中が見えなくなるまでその場で見送った。見えなくなると踵を返し、リアも自分の来た道へと向かった。少し歩くと、よく知る場所へと出た。（続）

よ鹿 @yoshikacrazy

@hinoe_uma2 手に持ったマイナーフラッグはある一方向へと光を放っていた。町の方角だ。そっちのほうに歩いていく。きっと会えなかった２ヶ月分意地の悪いことをされるのだろう。そのことを想像して顔が赤くなる。 「まあ…やっぱり、男性が積極的だと……嬉しいですし、いいかな」

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@yoshikacrazy 町の片隅にある一軒の酒場――”条約酒場”と呼ばれるそこで、一人の旅装の男が、麦酒の杯を傾けていた。 「初めてあいつと飲んだの、この席だったんだよな」 鮮明に思い出す。暗殺者に襲われたところを、彼女の加勢によって救われたのだ。その後ここで話をして……。続

サムクサイヌ_fateUM／PL:hinoe @hinoe_uma2

@yoshikacrazy ふと、顔を上げた。間違えるはずも無い、己の旗の気配。それは、彼女に分け与えたもの。席を立ち、入口へと歩く。目の前で扉が開いた。その向こうには最愛の人の姿。目を丸くした彼女を抱きすくめ、万感の思いを込めて、耳元で囁いた。 「やっと会えた。リア」

よ鹿 @yoshikacrazy

@hinoe_uma2 突然抱きかかえられ、びっくりしたがこれも予想していたうちだ。こっちからも彼のことを抱き返す。 「……待たせてごめんなさい。ユベール」 （こちらも締めで大丈夫ですよー）