少年アジェンは槍を取った。

美々丞 @BB_rongesuki

どうして生きてるのかは、こちらが聞きたいくらいだ。あの餓鬼が何かしたと思うが。 頭を抱えた。視界を塞ぎたかった。でも怖かった。今、目の前が真っ暗にでもなったらそれこそもう一度死んでしまいそうだった。「はっ…。どれくらい震えたら俺は乗り越えられるんだか」 #少年は槍を取る

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俺は捨て駒にされた。そう、餓鬼の居た軍を掻き乱す為に殺された。拘束され、水に沈められた。「あいつは、俺を知っている」俺が昔、同じ方法で殺されかけたことを知ってる。楽しそうに引きつらせた口が、あの男と重なって抵抗なんて出来るわけ無かった。そして、死んだ。 #少年は槍を取る

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少年と別れて、自分だけの足音しかしなくなったことを数分かけて確認した。震える息を吐いて、壁に背を預けた。すると自然に足から力が抜けて、ズルズルと背中を壁に擦らせながら床に腰をついた。「クッソ…」一人になった途端、再び体が震えた。「戻れるわけないだろう、捨て駒が」 #少年は槍を取る

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言葉だけはしっかりしていて、自分の不安はただの世話焼きだと思わされた。「そ、そうですか。俺はまだ調べたいことがあるので…」そう言って、二人は真逆の方に歩いて行った。 #少年は槍を取る

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部屋を出て、「あ、あの、ヒヅマさん」これからどうするんですか。そう見上げた。アジェンの存在を確認した以来ヒヅマは、アジェンを見ることもせず瞳にも映させることもしなかった。それが不安でたまらなかった。 「俺はとりあえず自軍に戻り、誤解だと伝えます」 #少年は槍を取る

美々丞 @BB_rongesuki

この人も、巻き込まれた？「は、初めましてヒヅマさん。アジェン・バンビーノです。そしてごめんなさい、恩師に貴方とよく似た方が居るんです。」嘘をついた。 そうでしたか。と敬語で返したその低い声はやはり。でも彼は、未来なのか、今なのか、もしかして過去のなのだろうか。 #少年は槍を取る

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アジェンは幾度も助けてくれた男の言葉を思い出した。「俺だけが戻って来てる…？」彼はそれを含め、時間に関することを自分に聞いてきた。まさか、と思ったが。本当にそうだとしたら、この人もそうなのだろうか。この戦いがかの大戦で、自分を含めたくさんの人が巻き込まれてる。 #少年は槍を取る

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「何処かで会ったか少年」え。目の前の男から発せられた言葉は、ヒヅマだと肯定しながら、お前は誰だ。とそう簡潔に述べていた。唖然として何も言葉が出ず、固まっていたアジェンを横目に水滴の滴る全身を見て、「ふっ」とヒヅマが笑った。「…捨てられたか」震えた声で呟いた。 #少年は槍を取る

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思わず手を離すと、動くはずのない死体がビクリと大きく揺れた。すぐに上半身を起こして床に飲み込んだ水を、腹を膨らませていた水を全て吐き出した。咳と嗚咽を繰り返した死体だった男は、アジェンを横目で見た。 「ヒヅマ…さん？」灰色の目に、アジェンはやはりと思った。 #少年は槍を取る

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腕に触れた。冷たく、皮膚は水分を含み始めぶにぶにと心地の悪い感触が脳に伝わった。 死体だ。死んでる。 冷たさが指先を通じて全身に回り、体が震えた。手を離すことが出来ないまま、死体の左胸、心臓の真上に手を流して行った。 バチリ、電気音と共に指先に刺激が走った。 #少年は槍を取る

美々丞 @BB_rongesuki

顔を覗き込むと、左頬には邪紋が刻まれて居た。ヒヅマさんだ。アジェンはそう認識し、確信した。しかし死体の顔はアジェンが知っている「ヒヅマ」より若い。そして美しい髪が伸ばされていなかった。他人の空似か。ビショビショに濡れ、大量に水を飲み込んで少し腹の膨れた水死体。 #少年は槍を取る

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「ッ！！！」息を飲んだ。台に寝かせられた死体の体には歪に走った邪紋、剥がれた指先の爪紅、深い青緑の髪と眉と睫毛。 ひーづま、さん？ 声は出なかったゆっくりと、ゆっくりと恩師によく似た死体に歩み寄った。後ろで青年が「お知り合いですか」といったような気がした。 #少年は槍を取る

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濡れている？今さっき死んだのか？それなら敵軍は。頭にぐるぐると思考が巡る。何を考えれば良いのかそれすら分からないまま。 扉に手をかけ、開いた。部屋はとても寒かった。そして部屋に入ってすぐに死体を一時的に置いておくのであろう台があって、その上に死体があった。 #少年は槍を取る

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そして暫くして青年の口から「使者の死体がありました。」と言葉を聞いた。まだ敵軍に渡してはいないようで、来てください。と死体を一時的に保管させる部屋に来た。「死体はとても新しいものでした。死因は溺死で、死体は濡れて居ます。」そう言われ、思わず青年の顔を見た。 #少年は槍を取る

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「敵軍の重圧に屈してはいけません。自分て良ければ共に調査をいたしましょう。」青年の優しく丁寧な言葉と声は、パニックを起こして居たアジェンに冷静さを思い出させた。「お、お願いしてもいいですか」そう聞けば、「お安い御用ですよ」と青年は頷いた。 #少年は槍を取る

美々丞 @BB_rongesuki

送った使者が死者となって帰ってきたぞ。そんな言葉がアジェンを罵った。しかし、心当たりなんてないのだ。使者が居たことも、使者を送った軍の存在も。 「もし」戸惑って居たアジェンの後ろから優しい青年の声が届いた。振り返れば、条約の邪紋使いだと丁寧に名乗った。 #少年は槍を取る

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単語はよく知っていたが、実態はよく分からない謎の組織。何が目的で、何を求めているのか。少年と少女には、パンドラの何もかもが知らなかった。 「なんなんだろう。パンドラって」少年が遠くを見つめながら言った。「わからないから、知ろうとするんだよ」「そう、だね」 #少年は槍を取る

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掠れたんじゃない。拭われた。何も言わなかったが、少女の行動そのものがそう語っていた。少年も一緒になってしゃがみこんだ。 「ぱ、ん、ど」「ら」パンドラ。ようやっと読み取れた拭われた血はそう書かれていたように思われた。 #少年は槍を取る

美々丞 @BB_rongesuki

「こいつ…」「リンたちをいじめた魔法師さん…」少年も少女も同じようなことを口にした。あんなに人を嘲り、自分が頂点だと断言していた男が数日後にはこの有様であった。 「ねぇ、アジェンくん」少女が死体の指先にしゃがみこんだ。じっと変に掠れた血を見つていた。 #少年は槍を取る

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「敵同士じゃ、なかったね」顔を見合わせた二人の少年と少女は嬉しそうに笑った。 そして同じタイミングで床に横たわる人間の死体に視線を落とした。死体の表情は酷く歪んでいたが、その顔にとても見覚えがあった。少年が眉間に皺を寄せた。少女も何か言いたげの表情だった。 #少年は槍を取る

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「また、この箱…」「アジェンさんはよくその箱に恵まれてますね。」「そ、そうですね」 アジェン/同盟/ロード(マローダー) HP 66 SP 58 調査点 25(19+6) OP 《希望の箱》《危険を楽しむ邪紋使い》《希望の箱》←new #GC2_POD

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【パ／入手／調査点６】アジェン@同盟はアジト最奥で封印された扉を発見！《奇妙なメダル／陰》《奇妙なメダル／陽》が揃えば（この診断に支援した者が持つものも含む）それらは失われ《希望の箱》を得る（１つまで… appli-maker.jp/analytic_apps/… #GC2_POD

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【パ／戦闘／調査点５】アジェン@同盟は戦いの中、両軍の混乱を煽ろうと暗躍する謎の闇魔法師と遭遇。ＨＰ－４、ＳＰ＋３。支援を得られれば調査点＋１。支援した者はＨＰ－３、調査点＋４。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #グランクレスト大戦 #GC2_POD

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【パ／内政／調査点６】アジェン@同盟は魔法都市エーラムに赴き、パンドラの情報を集めた。もしやメイジアカデミーにもパンドラの影響力は広がっているのだろうか……？　ＨＰ－１、ＳＰ＋３。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #グランクレスト大戦 #GC2_POD

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@BB_rongesuki 調査点10使って、オプションに危険を楽しむ邪紋使いを追加して OP 《希望の箱》、《危険を楽しむ邪紋使い》