「ハンター・インストラクション」
「咆哮系提督の吹雪」第3章
「戦いに必要なものを教えよう」
「エゴとは、何なんでしょう?」
- entry_yahhoo
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Ricardo Berenguer
@entry_yahhoo
4発の砲撃がニ級の頭蓋を穿った。ニ級は抵抗を止め、倒れた。「イヤーッ!」吹雪は飛び離れる。刹那、ニ級の体は爆発四散した!ナムアミダブツ!同時刻、海の側でも爆発四散の音と光が轟いた。 56
2015-06-16 01:00:26
Ricardo Berenguer
@entry_yahhoo
「イヤーッ!」吹雪は危なげなく着地し、爆発四散したニ級を見た。不思議と、先程の怒りは鳴りを潜めていた。あの怒りは何だったのだろうか?吹雪は一瞬疑問を抱いた。「終わったか」だが、リカルドの声が吹雪を現実に引き戻す。「しかし、酷い目に合ったな」リカルドはドック内を見渡した。 57
2015-06-16 01:03:48
Ricardo Berenguer
@entry_yahhoo
吹雪もつられてドック内を見渡す。ドック内では未だに炎が燻り、戦闘による爆発や砲撃により、あちこちが荒れ果てていた。「こりゃ酷い」「そうですね…」吹雪はふと、顔を上げた。「どうした?」「今、声が」「何?」「助けて…誰か…」聞こえただろうか?確かに、瓦礫の中から呻き声が! 58
2015-06-16 01:07:13
Ricardo Berenguer
@entry_yahhoo
「生存者か!」リカルドと吹雪は瓦礫に向かって駆ける。「イヤーッ!」「イヤーッ!」二人は両腕を嵐めいて動かし、瓦礫を取り除いていく!やがて、埋もれていた整備員の姿が、瓦礫の中から現れた。「ゲホ…ゲホッ…」「大丈夫ですか!」吹雪が整備員を助け起こす。 59
2015-06-16 01:10:15
Ricardo Berenguer
@entry_yahhoo
「ありがとう…ありがとう…」整備員は譫言めいて礼を言い続けた。「他にも生存者がいるかもしれん…モシモシ!こちらリカルド!深海棲艦の鎮圧完了!火消しと救護班を寄越してくれ!」リカルドは通信装置に向けて叫ぶ。吹雪は、助かったその整備員を見て、何故か泣きそうになった。 60
2015-06-16 01:12:46
Ricardo Berenguer
@entry_yahhoo
何故泣きそうになったのか?吹雪は自分の中の感情を明文化できなかった。沈みゆく太陽だけが、吹雪の心に何かを訴えるかのようであった。 61
2015-06-16 01:14:00