後藤寿庵さんの、言語の話。

まとめました。
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後藤寿庵 @juangotoh

ふと思ったのだけど、50音表のや行とわ行はひどく物足りない。「やゆよ」だと2つ足りない。「わを」だと3つ足りない。なんとなく「わおん」で一塊に覚えてる人も多いのではないかと思うけど、「ん」はわ行ではない。

2015-05-29 04:31:08
後藤寿庵 @juangotoh

わ行にはかつて「ゐ、ヰ」(wi)「ゑ、ヱ」(we)というかながあった。ウィスキーを「ヰスキー」と書く用例がある。その段で言えば、ウェイターは「ヱイター」と書くこともできよう。そういう用例があるかどうかは知らない。

2015-05-29 04:36:20
後藤寿庵 @juangotoh

わ行は「わゐうゑを」だったのである。「う」についてはわ行独自のかながあったという話は聞いたことがないが、万葉仮名とかなら区別してるのかな?

2015-05-29 04:38:08
後藤寿庵 @juangotoh

そういう意味では、や行も「Ya Yi Yu Ye Yo」を表すかながあってもよさそうなものである。どうもや行でもむかしは「え段」の発音は「え」ではなく「Ye」ぽいものだったらしいのだが

2015-05-29 04:40:02
後藤寿庵 @juangotoh

戦後「ゐ」とか「ゑ」とかが消されたのは、日本語の「50音」として発音するときに、もはや「い」「え」と区別がつかなくなっていたからだと思う。同じ音を表す表音文字が二通りあっては混乱するもんな。

2015-05-29 04:42:35
後藤寿庵 @juangotoh

「ヰスキー」は現在では「ウィスキー」と表記されるが、これはもう「ウイスキー」と発音上違いはないだろう。おそらく明治時代とかにあえて「ヰ」の字を当てた人は英語のWhiskyの発音は「う+い」でも「い」でもなく、わ行い段の「ヰ」だと感じたのだろう

2015-05-29 04:45:31
後藤寿庵 @juangotoh

ウィスキーに「ヰ」をあてたのは、すでに発音の差異は失われていても、論理的に「ヰ」は「Whi」の発音に近いと思ったんじゃないかと思う。

2015-05-29 04:47:13
後藤寿庵 @juangotoh

そういえば「ヴ」ってのは、英語の「V」音を表すために発明された文字だよね。これ考えたの福沢諭吉らしいけど。なんかマンガで変なメカが起動するときに「ヴヴヴ」とか「ヴーン」とか書けないと雰囲気でないから、これは福沢先生えらいよな。

2015-05-29 04:50:41
後藤寿庵 @juangotoh

「ヴ」はもともと英語の発音を表現するためのかなであることもあり、基本カタカナで使われるものなのだ。なのでJIS文字コードでも「ヴ」は早い時期から収録されてたけど「ゔ」は2000年まで収録されてなかった。

2015-05-29 04:54:04
後藤寿庵 @juangotoh

ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4 ほほう。かつてはわ行の「ワ、ヰ、ヱ、ヲ」に濁点を付けてV音を表現するという試みもあったらしい。定着せず、「ヴァ、ヴィ、ヴェ、ヴォ」が使われるようになったわけだけど

2015-05-29 04:56:42
後藤寿庵 @juangotoh

論理的には、「ウ」は母音であって子音ではないし、日本語では子音単独の文字って「ン」以外ないので、「ウ」に濁点つけて「V」の代わりにするのは実は筋が悪くて、ワ行に濁点つけたほうがそれっぽくはあるな。

2015-05-29 05:00:25
神凪あゆり @kry_nng

@juangotoh 万葉仮名でも"う"の音はuでありwuは存在してないですね。

2015-05-29 04:47:40
後藤寿庵 @juangotoh

@kry_nng ふむふむ、すると奈良時代以前も「わ行のう」みたいな発音はなかったんですね。まあ、どうしても僕らが考えると「うぃ」は想像できるけど、「うぅ」は想像できないしなあ。

2015-05-29 05:04:17
後藤寿庵 @juangotoh

んー、でも、「う」とナチュラルに発音するのに比べて、ちょっと唇尖らせて「wu」って発音するのはなんかありそうな気もする。いやこれはラテン・アルファベットと、英語の印象から勝手に想像するだけかもしれないけど

2015-05-29 05:06:48
後藤寿庵 @juangotoh

そういえばアルファベットというのは、ギリシャ文字の頭2つが「α(アルファ)β(ベータ)」であることが語源なのだけど、一見まるで違う文字みたいなヘブライ語の頭二文字が「アレフ、ベート」なのは偶然ではない

2015-05-29 05:12:04
後藤寿庵 @juangotoh

エジプトのヒエログリフを表音文字として数十文字だけ抽出したのが原カナン文字。これは子音だけを表すものだったらしい。ここからフェニキア文字と古ヘブライ文字が分化。フェニキア文字からギリシャ文字への変化でギリシャ人が自分たちの使わない子音を表す文字を母音に使用。

2015-05-29 05:15:38
後藤寿庵 @juangotoh

ローマのラテン文字でもそんな感じでAは母音に、Bは子音に使われて、現代に至る。ヘブライ文字はそのまま子音だけの文字だったので、YHVHの発音がわからなくなって「エホバ」なのか「ヤハウエ」なのかみたいなことになった

2015-05-29 05:17:36
後藤寿庵 @juangotoh

それにしても「印欧語族」ってやたら広くて研究も進んでてうらやましいよな。日本語って他の言語との親戚関係良くわかんないじゃん。北方系のアルタイ語族と南方のオーストロネシア語族との関係もはっきりしない。文法が近いのは朝鮮語だけど語彙が違いすぎてさっぱり。

2015-05-29 05:22:13