稲川淳二のつぶやき怪談　2015年5月30日投稿分

稲川淳二 @Junji_Inagawa

いや～、びっくりしましたね！！ ちょっと長く揺れてましたね・・・・。 Ｍ８.5震度５強だそうですね。 私は何ともないんですが、みなさんは、大丈夫ですか？

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ついこの間、いよいよ５月だなァと思っていたら、 もう６月ですか。　早いですね。 みなさん、お変りないですか？　稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

５月は個人的にも、いろいろとありました。 テレビ朝日アフタヌーンショーの同窓会で懐かしい人達との再会。 ２年に１度の神田祭のインターネットの世界同時中継の毎回コメンテーターをしてまして。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

友人の勝野洋さん、勝野雅奈恵さん父娘の舞台公演があって。 毎年５月の恒例のデザイナーの表彰式の司会進行として。 高校の同窓会で、４９年振りに会った顔もありました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

活動するには、いーい季節ですね。 で、６月に入ると、第１３回「稲川まつり」なんです。 何所へ行くのかわからないんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それがまた楽しみなんですが。 皆がひとつにまとまって、賑やかな大家族といった感じがいいですね。 そして毎回嬉しい時間と、パワーをいただいて、 いよいよ夏本番のツアーに向けて、日本各地でのパブリシティの開始です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

こんな状況なんで、「つぶやき怪談」やめようかと思ったんですが、 毎度、楽しみにされてる方もいらっしゃるので、 やっぱり、今夜、「つぶやき怪談」やらせていただきま～す。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

途中で何かあるとお困りますので、スピードアップで行いますね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それでは、早速「つぶやき怪談」始めましょうか。 節電のために、部屋の明かりを消して、 怖ーい噺で楽しんで下さい。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

稲川淳二の「つぶやき怪談」、怖・楽しい時間を、共有しましょう。 何が起こっても、責任はとれませんけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

九州のほぼ中央にある高架橋は、近年自殺者が後を絶たない。 と言うのも、この橋が出来たから、自殺者が増えたという。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

清流を見下ろす、深い峡谷をまたいで架かるこの橋の上からの眺めが、 四季折々美しい事から、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

昼間はこの絶景を見ようと遣って来る人もいるんですが、 全てが、黒一色の夜の闇に包まれると、 一変して自殺者を呼び寄せるらしい。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

橋の上から、黒い闇へ向かって飛び降りれば、 何も見えないし、３秒後にはもうこの世にはいない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ただ落下の途中で、 電線か何かのケーブルに接触すると状況は変わってくる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

弾かれて、岩に叩き付けられるか、首を切断される事もあって、 かつて、下の清流で、渓流釣りを楽しんでいた釣り人が、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

釣り糸に髪の毛が絡み付いたんで、引き上げてみると生首だった、 という話もあって、高架橋の下には誰も寄り付かなくなった。 そして、いつかしら、この橋には幽霊が出るという噂が広まった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そんな或る日、夜遅くにふたりの若者が、 果たして、噂どおり本当に幽霊が出るのか確かめようと、 クルマでやって来た。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

橋の手前でクルマを停めると、歩いて真ん中辺り迄やって来た。 仮にふたりを、Ａ君とＢ君としておきましょうか。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

欄干から身を乗り出して下を覗くと、底の見えない黒い闇が広がっている。 濃い霧も出て来た。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ヒュュ―――ヒュゥゥ―――― 谷間を吹きぬける風の音だけが聞えてくる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

と、Ａ君が、 「なぁ、ここで、しばらく様子をみてみないか？」 と、言った。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「そうしようか」 と、Ｂ君が答えて、 ふたりが橋の上で、何か起るのを、待つ事にした。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そうして、時間が過ぎていったんですが、一向に何も起らない。 と、Ｂ君が、携帯電話を取り出して彼女に掛けた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「なあ、今、何処にいると思う？　風の音聞かせてやるよ」 と橋の上から、ぐーっと身を乗り出して、めいっぱい腕を伸ばすと、 谷底に向けて、携帯電話をかざした。