- AlmaObtener
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@R_l_eqta 「不可思議な心地だろうか。 鮮やかに、艶やかに、きっとそれはル・レクタ、君の心に新たな色を見せる」 エピカは小さく笑って。 「──物語(じんせい)は、まだ終わっていないのだから」 囁きのような声音は、届いたかどうか。
2015-06-06 11:30:11「猫か……」 たしか、あの娘の飼っていた猫は黒かったな。 バケツの馬車に繋がれた猫を見ているうちに、そんな思考が浮かび上がる。 「う……ッ」 軽く脇腹が痛み始めた。 長机に置かれたままのナイフに目を遣る。
2015-06-06 11:31:46「みんなもまた明日。良い夜であることを願うよ」 また明日、なんて口にするなんてどれぐらいぶりだろうと何となくくすぐったい。 こんなににぎやかな時間が一度過ぎ去るのも名残惜しい。 でも語る時間はあるから暖かい。 「レクタは鞘なのに不思議だな」 それもこれから聞けるだろうし。
2015-06-06 11:32:02そうしてから、エピカはくるりと振り返る。 各々が準備を始めているのを目の当たりにすると、鼓動が高鳴るような錯覚を覚えた。 人に似せたこの身体が、ついぞ人のような機能を擁する事は無かったけれど。 「──さ、私たちも行こうか、今宵の舞台へ」
2015-06-06 11:34:46幼き純な赤を見て、澄んだ水色を見て、眩き金色を見て、──夕空は双眸を細める。 「ああ、そうだ。夜の場所なのだけれど、」 少し悩むような素振り。 「良い場所があるんだ。──楽しみにしていて」 自分の唇に人差し指を当てれば、楽しげに首を傾ける。 「きっと気に入って貰えると、」
2015-06-06 11:34:50「──そう思う」 エピカの眼前には、白く大きな扉がひとつ。 何時の間にか現れて。 エピカは金のノブに触れ、回す。 「さあ、行こう。夜の帳が、私たちを閉じ込めてしまう前に」 三人に、告げて。 「皆、太陽が帳を捲る頃に、また」 周囲に、告げて。 一歩先へ、踏み込んで──
2015-06-06 11:34:55@pende_ao ——『色無し』は、突然の事に何度も灰色を瞬かせていた。 ぶかぶかの袖から覗く白い手が額を押さえて、白い身体がゆらゆらと揺れる。何かを言いたいのに、言葉にならない、といった具合に。翼がぱさりと一度羽撃く。 「……えへ。ペンデも、良い夜で、ありますように」
2015-06-06 11:37:08「おう、ペンデもエクスィもエピカもヌシもセリアもルーもまだ話して無い奴らも楽しんでこいよ。」 ひらひらっと、体液を正しく五本指の手の形にして左右にふる。 その形のまま、猫たちへ振り返り 「なにこれー。」
2015-06-06 11:38:28別の夜を過ごす皆に手を振り、白い扉へと歩む。 「良い場所、どんな場所かなぁ」 楽しみだ。 そんなことを独り言ちる。 詩人の後を追い扉の中へ。
2015-06-06 11:52:53「さて、オレも準備しますかね……って、トゥリアお前大丈夫かよ?! あー、えーと……ジイさんズィオエプタ、ちょっと頼んだ!」 ぐっと親指立てながら、夜へと移り行くーー
2015-06-06 11:54:24