寧々さんは知性を持っているか ~ゲームAIと「知性」~

ラブプラスはチューリングテストに合格するのか、という疑問から、ゲームAIにおける「知性」とは何かについて議論が深まります。 (追記:時間順が逆でしたので反転させました)
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三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

一番簡単な方法は、やはり、ポリゴン人間に、銃を持たせて、ユーザーに向かって撃たせることだと思うのです。その瞬間、人間が本来持っている防衛と攻撃の本能が、ポリゴン人間を「敵」だと認識してくれる、わけです。 @hiyokoya6 (独断口調ですいません)

2009-11-15 02:34:47
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou つまり、人間の知能の不完全性にハックを仕掛けること自体もまた、チューリングテストのキモである、と。

2009-11-15 02:38:34
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou 攻撃をしてきたから知性がある、という判断が正しいかどうかは「わからない」。けれども、人間の脳みそは、そういう相手には知性がある、と忖度せよ、ととりあえず命令をくだしてしまう。だから、チューリングテストがある程度<成功してしまう>

2009-11-15 02:39:56
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

ゲームがあるキャラクタを知性だと認めさせる為にそういった衝動を利用して来たことは確かだと思うのです。2Dシューティングでさえスプライトが自分を撃ってくると敵だと感じられる。ゲームAIは人間の攻撃衝動を利用しつつ自身の存在を人間の展開する主観世界に介入して来た @hiyokoya6

2009-11-15 02:42:10
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

人間の知性が不完全というより、チューリングテスト、さらに、それに輪をかけてゲームAIが不完全だということだと思います。 RT:@hiyokoya6 つまり、人間の知能の不完全性にハックを仕掛けること自体もまた、チューリングテストのキモである、と。

2009-11-15 02:43:56
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou 逆に、ものすごく頭が悪い(?)試験官がチューリングテストの試験官であった場合とか。なんか、「人間っぽさ」を感じる感覚がやたら特殊な人が試験官だった場合も、チューリングテストの成功の仕方はいろいろと変わってくる…と。

2009-11-15 02:44:26
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou ただ、そうなってくると、やはり心の理論が機能する条件の話と、チューリングテストの問題を、どう分けて理解すればいいのかが、少し混乱してきました。

2009-11-15 02:45:15
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou っていうか、人間が無機物とか、人の顔をしたものに、「こころ」を見いだしてしまう、という話と、チューリングテストの話は、焦点化しているところが違うだけで、分けられないものなのかしら

2009-11-15 02:46:57
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou 三宅さん的に言えば、こころの理論ハックというか、人間の環世界へのハック、といった感じでしょうか。

2009-11-15 02:48:53
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

ラブプラスのAIが利用しているのは認識の次元の知的機能ではなくて男性の性衝動や声優の生音声による錯覚だと思うのです。 @hiyokoya6

2009-11-15 02:49:22
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

制服、お決まりの言動といった記号を通して男性的な欲求を喚起することで、あのロー3Dモデルは知性であるかという判断を通ることなく男性の主観世界に女性として存在を獲得するわけです @hiyokoya6

2009-11-15 02:49:33
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou 確かに不完全、という言い方はあまし適当でないですね。

2009-11-15 02:49:55
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

「知性としての判断をかいくぐって、プリミティブな衝動から知性として認識させる」というのがゲームAIの常套手段であって、だからこそゲームAIは illusion of intelligenceであると同時に、ユーザーにとってリアルな「知性体験」であるわけです @hiyokoya6

2009-11-15 02:53:15
Akito Inoue @hiyokoya6

そういう分類を前提にするのなら、確かによくわかります RT@miyayou ラブプラスのAIが利用しているのは認識の次元の知的機能ではなくて男性の性衝動や声優の生音声による

2009-11-15 02:53:19
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

チューリングテストには、何か、知性を非常におとなしい性質のように捉えている所があります。ところが、ゲームAIは、ダイナミックな世界の中で主観的なユーザー体験の中で知性を現そうとします。ではラブプラスにチューリングテストを仕掛けるということはどういうことか? @hiyokoya6

2009-11-15 02:57:00
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

いや、すいません。先生の疑問はもっと深淵なのだと思うのですが、あまりうまく言えませんでした。お時間取らせて申し訳ありませんでした。また、いろいろご指導ください。 @hiyokoya6

2009-11-15 02:59:50
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou や、「チューリングテスト」の想定する知性の範囲をうまく僕が理解できていなかったので、ありがたかったです。

2009-11-15 03:02:01
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

チューリングテストが規定しているのは、理性的な人間と機械的なインタラクションであり、逆に、ゲームにおいてはユーザーをパニックにして、その状況の中で、知性の幻影を知性と思い込ませる、ということをやっていると思います。つまり、そこには、チューリングテストが仮定する前提が欠けている。

2009-11-15 03:04:32
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou 1.どういう「環境」で、2.何を「知性」として 3.「観察」するのかという問題の難しさは、面白いですね。ほんとうに。

2009-11-15 03:04:47
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayou ゲームAIの場合、環境の多様性自体が、チューリングテストとはだいぶ違っているので、想定される議論もそもそも違ってくる、みたいな、そんな話になってくるのかな、などとぼやぼやと思い至りました。

2009-11-15 03:06:24
たかひろ @itohtak

@miyayou @hiyokoya6 「知性を感じる」という事について勉強になりました

2009-11-15 03:06:34
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

いや、まさに先生のおっしゃる通り面白いです。それは、人間が原初から現段階の知性へ発展した過程を辿る旅でもあります。RT:@hiyokoya6 1.どういう「環境」で、2.何を「知性」として 3.「観察」するのかという問題の難しさは、面白いですね。ほんとうに。

2009-11-15 03:07:04
Akito Inoue @hiyokoya6

@miyayouさんから先生と呼ばれるのはこそばがゆい…

2009-11-15 03:08:46
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

客観的知性、主観的知性の問題も難しい。主観的な知性、これをillusion of intelligenceという。では客観的知性とは何か?機能のことか?チューリングテストのことか?AI開発者がチューリングテストを口にしたがるのは何か客観的な評価の知性の指標が欲しいからだと思います

2009-11-15 03:11:32
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

ありがとうございます。 ^^ RT: @itohtak @miyayou @hiyokoya6 「知性を感じる」という事について勉強になりました

2009-11-15 03:12:31