前鼻道(ET1)基底細胞の等価線量について

2015/6/9:前鼻道(ET1)基底細胞の等価線量に関連した呟きをまとめました。 2015/6/21:Bad Gasteinの空気中ラドン娘核種(Po218,Pb214,Bi214)濃度の測定結果に関する議論を追加しました。
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

この呼吸気道モデルでは、前鼻道(ET1)→環境中に移行する生物学的な半減期を17時間として評価しているので、1週間もすれば前鼻道に沈着したI-131は鼻の外にほとんど排泄されることとなり、これ以上、前鼻道で被曝を受けることはなくなる(故に上述の表のET1の値は7daysでサチる)

2014-05-06 23:34:48
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

pic.twitter.com/df6DBubr2Pの値に基づいて、成人がI-131吸入摂取することで、前鼻道等価線量が500mSvに達するようなヨウ素131の摂取量のオーダーを求めてみると約70万ベクレル→wolframalpha.com/input/?i=70000…

2014-05-06 23:42:55
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

UNSCEAR2013ソースターム(pic.twitter.com/tbUstZ41wz )に基づいて、I-131の次に総放出量の多いTe-132(その娘核種I-132は放射平衡状態)についても調べておくと

2014-05-06 23:55:11
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki 前鼻道等価線量の換算係数[Sv/Bq]は、桁が変わる程でないが、Te132のほうがI-131よりも1.4倍ぐらい高い。なお、UNSCEAR2013大気中への総放出量でみると、I-131/Te132比≒4.4 pic.twitter.com/jYgRDfTuDQ

2014-05-07 00:04:03
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

希ガスであるXe133については、沈着は無く、サブマージョンによる外部被曝を考えることになる。 これについては、twitter.com/hyd3nekosuki/s…の文献が参考になるが、前鼻道等価線量は評価されていないので、皮膚等価線量の値でオーダーエスティメイトする。

2014-05-07 00:19:33
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

メモ:External Exposure to Radionuclides in Air, Water, and Soil→ordose.ornl.gov/documents/fgr1… のTable III.3(93~109頁) IAEA-TECDOC-1162,Table E.3の係数の元

2011-10-30 19:28:03
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki Xe133サブマージョンの外部被曝により受ける線量換算係数[(Sv/sec)÷(Bq/m^3)]は以下のような値。皮膚等価線量の換算係数は4.97×10^(-15) [(Sv/sec)÷(Bq/m^3)] pic.twitter.com/Gk4HkdrKFv

2014-05-07 00:23:29
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki 仮に、ある1時間のあいだに、人の周りの大気中Xe133濃度の値が10万 [Bq/m^3]であったとしても、サブマージョンにより単位時間あたりに受ける皮膚の等価線量率はたかだか2 [マイクロSv/時]→wolframalpha.com/input/?i=10000…

2014-05-07 00:48:39
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

I-131の蒸気:粒子の割合を1:1として、twitter.com/hyd3nekosuki/s…報告書の表7に記載された組成比の空気を成人が吸入摂取した場合、実効線量1mSvに対応するET1等価線量は73mSvで甲状腺等価線量は16mSv→ pic.twitter.com/0rNVuoSlyT

2014-05-17 00:26:49
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

メモ:「事故初期のヨウ素等短半減期による内部被ばく線量評価調査」成果報告書等 clearinghouse.main.jp/wp/?p=774

2013-09-02 12:12:14
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki 同様の条件で5歳児が吸入摂取した場合、実効線量1mSvに対応するET1等価線量は48mSvで甲状腺等価線量は18mSv→ pic.twitter.com/5PcckMwDMH

2014-05-17 00:32:43
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

pic.twitter.com/0rNVuoSlyTpic.twitter.com/5PcckMwDMH の表に示されたET1・甲状腺等価線量&実効線量の比率を利用して、ET1等価線量を概算するのであれば、少なくとも、「吸入摂取で受けた実効線量or甲状腺等価線量の値」に対して推定して下さい

2014-05-25 19:15:52
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

例えば、pic.twitter.com/0rNVuoSlyTの表に示された組成の空気を成人が吸入摂取し、仮に、「吸入摂取のみの預託実効線量として25mSv受けてしまった状況」であれば、ET1等価線量は1.8Svと概算できます。

2014-05-25 19:35:16
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(2012年のWHO推定値に基づいたET1等価線量の見積もり)

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

2012年に公表されたWHO評価(twitter.com/hyd3nekosuki/s… )の場合、Table3に実効線量評価値のざっくりした内訳が示されている。地域だけでなく、当各個人個人の行動パターンにも依るのであくまで参考値 pic.twitter.com/rVDmrCTOxm

2014-05-25 20:50:29
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

メモ:【WHO】Preliminary Dose Estimation from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami→who.int/ionizing_radia…

2012-06-02 13:24:34
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki Fig6には、最も影響を受けた地域&10歳児の場合について、1F事故後4カ月後までの線量内訳の経時変化が図示されている。最初の1ヵ月で受けてしまった実効線量のうち、15%が吸入摂取による寄与と評価されている pic.twitter.com/wIRmZd5H7s

2014-05-25 21:01:12
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki WHO評価値pic.twitter.com/rVDmrCTOxmの実効線量幅10~50mSvについて、全実効線量のうち吸入摂取の割合が15%として、pic.twitter.com/0rNVuoSlyTの比率でET1等価線量の幅を概算すると110~550mSv

2014-05-25 21:13:23
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(2013年UNSCEAR報告書に基づいたET1等価線量の見積もり)

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

メモ:UNSCEAR 2013 REPORT Vol. I SOURCES, EFFECTS AND RISKS OF IONIZING RADIATION→unscear.org/unscear/en/pub…

2014-04-02 20:51:00

http://www.unscear.org/docs/reports/2013/15-0285_Report_2013_AnnexA_Ebook_web.pdf#page=63

吸入摂取だけの寄与を精査しきれていないが、表6に示された成人・甲状腺吸収線量[mGy]の「事故直後の1年間の合計」は以下の通り。
① 予防的避難地区:7.2~34
② 計画的避難地区:16~35

以上の成人・甲状腺吸収線量[mGy]の全てが吸入摂取だった場合、ET1預託等価線量[mSv]のオーダーは以下のように推定できる
① 予防的避難地区:33~160
② 計画的避難地区:73~160
(計算例:吸入による甲状腺等価線量35[mSv]の場合、35×73÷16≒160[mSv])
※実際には、吸入摂取分だけの寄与で考える必要があるので、上述の見積もりよりさらに低くなると考えられる。

ET1基底細胞が単位時間当たりに受けた等価線量率の推定は、摂取状況を仮定するとオーダー推定できます。物理学的半減期としてI-131は8.0252日、Te-132は3.204日ですが、ET1→環境中への移行による生物学的半減期は17時間です。仮に、ET1基底細胞の預託等価線量として160 [mSv]あった場合、瞬間的な急性吸入摂取であれば、摂取時点(t=0)のET1等価線量率のオーダーは約7 [mSv/h]です(計算式→https://www.wolframalpha.com/input/?i=solve t=0, D=ln(2)/(17)*160*0.5%5E%28t%2F17%29)。[注:分かりやすさのため、実効半減期ではなく、生物学的半減期17時間のみで考えています]
このET1等価線量率は時間とともに指数関数的に減衰します(図→https://www.wolframalpha.com/input/?i=plot ln(2)/17*160*0.5%5E%28t%2F17%29%2C+%7Bt%2C0%2C100%7D;図の横軸は時間)
慢性摂取状況であれば、線量率のオーダーはさらに下がります。

なお、世界的にみると、屋内ラドン濃度が100 [Bq/m^3]のオーダーとなっている国(例:チェコ140、メキシコ140、フィンランド120、ルクセンブルク110など)もあります。この場合、屋内ラドンの平衡ファクタFを0.4と仮定すると、ラドン&娘核種によって1時間当たりにET1基底細胞が受ける等価線量率は0.6 [mSv/h]のオーダーと推定できます。

CTBT高崎放射性核種観測所で測定された、大気中の核種組成比に基づいた、「吸入摂取」による(ET1等価線量)÷(甲状腺等価線量)、(ET1等価線量)÷(実効線量)の比

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki [誤字訂正] CTBT高崎の観測結果の組成比に基づいて、1F事故後に成人が吸入摂取した場合を想定して、(ET1等価線量)÷(甲状腺等価線量)および(ET1等価線量)÷(実効線量)の経時変化を図示してみると→ pic.twitter.com/6dPFXetSJr

2014-05-27 15:30:59
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

[訂正] 表pic.twitter.com/0rNVuoSlyTの評価結果だと(ET1等価線量)÷(甲状腺等価線量)=4.6、(ET1等価線量)÷(実効線量)=73。pic.twitter.com/6dPFXetSJrを見ると、時期によって比率は異なるけれど、大体オーダーとしては同程度か

2014-05-26 19:18:52
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参考:Gastein Heilstollenの場合

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

Radon exposure and the influence of aerosol dust concentration and ventilation conditions→othes.univie.ac.at/27440/ Bad Gasteinのラドン&娘核種の測定結果あり

2015-06-18 12:52:17
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki 測定場所はラドンセラピーが行われているGastein Heilstollen(gasteiner-heilstollen.com/en/home.html )の、Station 1の地点→gasteiner-heilstollen.com/en/heilstollen…

2015-06-18 12:59:13