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ミイラレ!第三話:青行燈のこと(実況付き)

怪異に好かれる少年と退魔師の少女がなんかするお話。何やら物騒な怪異が接近中。 こちらは実況付きとなります。
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

それを感じ取ったか、彼女が補足を入れてきた。「たぶん外部から街に入り込んだんだと思う。すでに被害者も出てるから注意せよ、って」その言葉に、四季の顔がやにわに青くなった。妖怪が怖いから……ではもちろんない。もし知り合いだったらどうしよう、という危惧のためだ。32 #4215tk

2015-06-11 22:24:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

自慢ではないが、地元にいた妖怪のほとんどとは顔見知りだ。何人か後を追ってきそうな奴にも心当たりがある。それが何かの間違いで人間に危害を加えていたとしたら……どうすればいいのか?四季が懸念を怜に投げかけようとしたその時、部屋が唐突に暗闇に包まれた。33 #4215tk

2015-06-11 22:27:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

それを感じ取ったか、彼女が補足を入れてきた。「たぶん外部から街に入り込んだんだと思う。すでに被害者も出てるから注意せよ、って」その言葉に、四季の顔がやにわに青くなった。妖怪が怖いから……ではもちろんない。もし知り合いだったらどうしよう、という危惧のためだ。32 #4215tk

2015-06-12 21:50:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

自慢ではないが、地元にいた妖怪のほとんどとは顔見知りだ。何人か後を追ってきそうな奴にも心当たりがある。それが何かの間違いで人間に危害を加えていたとしたら……どうすればいいのか?四季が懸念を怜に投げかけようとしたその時、部屋が唐突に暗闇に包まれた。33 #4215tk

2015-06-12 21:52:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ひゃっ!?」小夜子が驚きの声を上げる。「……停電?」四季は首を傾げて立ち上がった。懐中電灯が必要だ。「外は普通に明かりがついてるみたいだけど」そう言う怜の声は硬い。開かれたカーテンから外のわずかな光が差し込んでいる。だとするとこの事態はいったい?34 #4215tk

2015-06-12 21:57:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

その時、部屋を青白い光が照らす。暗闇に閉ざされたときと同じくまったくの唐突に。頭上?四季たちは揃って天井を見上げる。そして見た。こちらを見下ろすように張りついた怪異の姿を。羽織を着た鬼。頭から生えた一対の角の先に、それぞれ青い炎が灯っていた。35 #4215tk

2015-06-12 22:00:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(あいつは)四季は息を呑む。知り合いではない。しかし見覚えがある。あのときの。「あ……」怜の呻く声。四季は弾かれたように幼馴染を見る。彼女は極限まで目を見開き、怪異を凝視していた。その体が震えている。鬼女の目が笑みに歪んだ。そして身を躍らせ、落ちてくる。36 #4215tk

2015-06-12 22:03:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

慌てて怜が飛び退く。彼女の立っていた場所に音もなく着地した怪異は、ゆらりと顔を上げ退魔師を見る。「これはこれは。木っ端退魔師の気配は感じていたが」鬼女はにやり、と口角を吊り上げた。「まさか見知った顔とは思わなんだ。あんた、あのときの嬢ちゃんだろう?」37 #4215tk

2015-06-12 22:06:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

怜は答えなかった。代わりにポケットから布の塊を取り出す。彼女の手の内に入るやいなや、それは魔法のように解けて一本の帯となった。やがて燐光を放ち始めたそれを、怜は鞭のごとく振り回し怪異を打ち据えんとする!「あのときから、ええと……ちょうど十年かねえ?」38 #4215tk

2015-06-12 22:09:09
たいむしふたーまくず @znntmk

トラウマの相手か。四季も何か知ってる風だけど。一体何が… #4215tk

2015-06-12 22:11:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

不敵に呟く怪異は腕組みし、避ける素振りすら見せない。その額を狙って飛んだ帯が中空で静止した。怜が硬直する。「あれから今まで退魔師の修行かい。まあ頑張ったほうだと思うよ」退魔師の得物に軽く手を触れ、怪異は嗤った。「だがあたしには届かない」そして足を踏み出す。39 #4215tk

2015-06-12 22:12:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「や……やだ」怜が後ずさる。「やめて。こないで」その言葉にも表情にも、ありありと恐怖の色が浮かんでいた。怪異は歩みを止めない。少女はやがて壁に突き当たる。恐怖の色が濃くなった。そのままずり落ちるようにへたり込む彼女に、怪異はゆっくりと腕を振り上げ、40 #4215tk

2015-06-12 22:15:04
たいむしふたーまくず @znntmk

フィ…ゴホン!姐さん強すぎ!ヤメロー!ヤメロー!#4215tk

2015-06-12 22:16:55
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

不意に怪異は動きを止める。なぜか?振り上げた腕を後方から掴まれたからだ。少年の手によって。「やめろ」四季は低い声で言った。「おや」怪異が面白がるように眉を上げる。四季は怪異を乱暴に怜の側から引き剥がし、その間に割って入った。そしてまっすぐに鬼女の目を見つめる。41 #4215tk

2015-06-12 22:18:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

鬼女は微笑を浮かべて彼の視線を受け止めた。「相変わらずの度胸。お変わりないようで。喜ばしいですねえ」「……ちょ、ちょっと四季さん!?危ないですよ!」ようやく事態を把握したらしい小夜子がにわかに騒ぎ出した。鬼女が呆れたように幽霊を冷たく一瞥する。42 #4215tk

2015-06-12 22:21:27
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ま、余分なものが憑いてることには目を瞑るとしましょう。どうも、お久しぶりでございます」打って変わって愛想のよくなった鬼女を、四季は油断なく見つめる。「何の用?……えっと」「宿直巡と申します。あのときは名乗りませんでしたからねえ。覚えておられないのも当然です」43 #4215tk

2015-06-12 22:24:15
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

巡はにこにこと四季を見下ろした。彼より若干背が高いのである。「安心してよろしい。別にあの退魔師に用はありませんので……ついでにいたんでね、ちょいと脅かそうと思っただけです」しかめ面の四季を見て、怪異はさらに笑みを深めた。「用があるのは貴方ですよう。日条四季殿」44 #4215tk

2015-06-12 22:27:18
たいむしふたーまくず @znntmk

ゴブサタです。つーか、偶然じゃなくて四季に会いにきたのか? #4215tk

2015-06-12 22:27:23
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