忍殺二次創作【クイーンビー・ダイビング・トゥ・ペイルファイア】前編(原文のみ)

(これまでのあらすじ:ひょんなことからニンジャとなったハイスクールの女学生、キサキ。彼女が得た力は『同性から好かれる』というどうしようもないものだった……) こちらは原文のみとなります。実況付きはこちら→ http://togetter.com/li/835208
1
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「カラテ・レッスンかぁ」キサキは考え込む。「私もフェネクス=サンの意見には賛成だな」メジャーアントがぽつりと会話に混ざる。「私が言えた義理ではないが、カラテあってこそのニンジャだ。簡単なインストラクションを共有するのも悪くないだろう」そしてアカネを見やる。21 #4215tk

2015-06-16 23:08:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「無論、私も同席するぞ」「そう言うだろうと思ったよ」アカネが肩を竦める。「好きにすればいい。カラテで決着をつけるいい機会だ……で、どうする?キサキ=サン」笑顔を向けられ、キサキは迷うことなく頷いた。「行く。ヨロシクオネガイシマス」22 #4215tk

2015-06-16 23:10:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

レンタル・ドージョー!「「イヤーッ!」」アカネとメジャーアントのカラテが交錯する!審判役とのキサキは目を白黒させていた。動きを捉えるのでやっとだ!(これが、ニンジャのカラテ……!)「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ゴジュッポ・ヒャッポ!24 #4215tk

2015-06-16 23:12:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ピピピピ!備え付けのコケシ・タイマーの音にキサキは我に帰った。「ソコマデ!」声を張り上げると、二人のニンジャはお互いにカラテを寸止めした。「「イヤーッ!」」そして同時にバック転し、着地ざまに奥ゆかしくオジギを交わす。25 #4215tk

2015-06-16 23:15:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「なかなかやるね、メジャーアント=サン」フェネクスの口調は苦い。どこか不服そうに彼女は続けた。「そこまで強いとは思わなかった」「当然だ。年季が違う」平然と返したメジャーアントは、それでも感心したように腕組みする。「お前も筋がいい。ニュービーでそのカラテとは」26 #4215tk

2015-06-16 23:18:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「これでもカラテは習ってたんだ。護身術代わりにさ」フェネクスは足をブラブラと振る。「とはいえ、ニンジャになってから多少型は変わったけどね」「だろうな、あのジツでは変えざるを得まい」納得したように頷いたメジャーアントは、思い出したようにキサキを見る。27 #4215tk

2015-06-16 23:21:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

突然注目されたキサキはたじろいだ。今の彼女は似合わぬジュー・ウェア姿である。そのバストは豊満であった。「次は……あたしの番?」「そうだな。さっきのカラテにはついてこれたか」「な、なんとか」メジャーアントの問いに緊張の表情で頷き、タタミの上へ。28 #4215tk

2015-06-16 23:24:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「まあ、いきなりあそこまでやろうと思わなくて大丈夫だよ」フェネクスが気楽な笑顔で言った。「まずは基礎からだ。ところで、今のキサキ=サンのカラテはどんななの?」「どんな……って言われても」キサキは首を傾げる。当然、彼女は今までカラテをしたことなどない。29 #4215tk

2015-06-16 23:27:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

戸惑いに気づいたか、フェネクスが両手を前に差し出す。「とりあえず、一回カラテを打ち込んでみてよ」「アイエッ……ダイジョブ、それ?」思わずキサキは確認する。不慮の事故で非ニンジャだったころのフェネクスを殺しかけたのは、そう昔のことではない。「ダイジョブダッテ!」30 #4215tk

2015-06-16 23:30:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

フェネクスは笑顔のままだ。キサキは深呼吸して、見よう見まねのカラテを構える。そして「イヤーッ!」カラテ・シャウトとともに拳を繰り出した!スパァン!いい音を立ててフェネクスの掌に直撃!「……ど、どうかな?」少しの沈黙のあと、おずおずとキサキはフェネクスを見る。31 #4215tk

2015-06-16 23:33:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ンー……」フェネクスは難しい顔をしていた。「なんというか……もう少し本気出していいよ、キサキ=サン。そんな遠慮しないで」「エッ」「僕がニンジャになったときのことを気に病んでるのかもしれないけど、そんな手加減されても」「今の、本気だったんだけど……」「エッ?」32 #4215tk

2015-06-16 23:36:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

フェネクスがまじまじとキサキを見る。ついで彼女は笑い出した。「ハハ、まさかそんな……キサキ=サンだってニンジャなんだし、これだけってことは」が、俯いてしまったキサキを見て彼女は表情を改める。「…………本当に、本気だったの?」「……うん」「……その、ゴメン」33 #4215tk

2015-06-16 23:39:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ウーム」いたたまれないアトモスフィアになる二人の横で、メジャーアントが唸る。「私もこう見えてヨゴレニンジャの一員。サンシタ以下のニンジャなどごまんと見てきたが」「見てきたが?」「ここまでカラテのなってないニンジャは初めて見た」容赦のない一言!34 #4215tk

2015-06-16 23:42:25
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

さらに落ち込むキサキを尻目に、フェネクスは口を引きつらせる。「も、もうちょっと言い方ってもんが……手心をさ……」「そんなものを加えていたら実戦で死ぬぞ。ニンジャのイクサとはそういうものだ」メジャーアントは冷徹にそう言い捨て、腕組みした。「これは骨が折れるな!」35 #4215tk

2015-06-16 23:45:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ゴメンナサイ……」蚊の鳴くような声で謝るキサキに、メジャーアントは肩を竦めた。「気にするな。しかし、実際キサキ=サンでなければ見捨てている」あっさりと言った彼女はフェネクスを見やる。「どこまでできるかはわからんが、インストラクションをやる。お前もだ」36 #4215tk

2015-06-16 23:48:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

フェネクスはなにか言いかけ、諦めたように肩を竦めた。多少は相手のワザマエを認める気になったのか。彼女は落ち込むキサキの肩を励ますように叩く。「ガンバロ、キサキ=サン。僕も教えられることなら教えるからさ」「……アリガト」キサキの返事はいかにもミジメだった。37 #4215tk

2015-06-16 23:51:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ウー……」痛む身体を引きずり、キサキはレンタル・ドージョーを後にする。メジャーアントのインストラクションはとにかく厳しかった。『ひとまずはイクサでの立ち回り方……避け方だな。攻撃を教えるより手っ取り早い』そう言った彼女と、何度組手をしたことだろうか?39 #4215tk

2015-06-16 23:54:02
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「オツカレ、キサキ=サン。ダイジョブだよ、上達してきてるって」隣を歩くアカネが元気付けるように言った。その優しさだけが身に沁みる。「……まあ、マシにはなってきている。ひとまず護身の手段は身につけてもらわねば」後ろのメジャーアントの言葉に、キサキは身を竦めた。40 #4215tk

2015-06-16 23:57:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ウー……」痛む身体を引きずり、キサキはレンタル・ドージョーを後にする。メジャーアントのインストラクションはとにかく厳しかった。『ひとまずはイクサでの立ち回り方……避け方だな。攻撃を教えるより手っ取り早い』そう言った彼女と、何度組手をしたことだろうか?39 #4215tk

2015-06-17 21:32:54
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「オツカレ、キサキ=サン。ダイジョブだよ、上達してきてるって」隣を歩くアカネが元気付けるように言った。その優しさだけが身に沁みる。「……まあ、マシにはなってきている。ひとまず護身の手段は身につけてもらわねば」後ろのメジャーアントの言葉に、キサキは身を竦めた。40 #4215tk

2015-06-17 21:36:26