／龍の加護編／

【極】記憶がない燭台切光忠bot @shositu_mitubot

「…………だいろくわ……くりからタイガー……むにゃ……」 「……ふむゃー…………」 「…………しゅーめーえーとーあーらーばー…… なーんーでーもーしーまーしょーおーぅー……♪」

近侍当直部屋 @bury_ido

鶴丸「いやはや、……まさかこんな驚きが待ってるとはな。普段から天井裏で寝落ちしててよかったぜ、部屋にいずとも怪しまれない。…………。…………あの桜の子は折れた刀から顕現させたために、五感の半分を失ったんだよな。なら、日記の付喪神である光忠は、…………おいおい……冗談じゃないぜ」

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鶴丸「…………（じー）」 倶利「なんだ」 鶴丸「美味いか、その玉子焼き。俺がつくったんだぜ。ちょっと焦げてるが」 倶利「食べられないことはない」 鶴丸「お前はちょっとしょっぱめの玉子焼きが好きだったよなあ」 倶利「光忠のならな」 鶴丸「……わるいな。それを作ったのは光忠だ」

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光忠「ついに僕の味が分からなくなっちゃったんだね倶利ちゃん……ぐすっ」 鶴丸「泣くな嫁よ……俺だってあいつに料理の味を覚えられてなくてショックだぜ」 倶利「あんたは料理したことないだろ」 鶴丸「まあな！　俺が料理できると思ったか！」 光忠「いばっていいのかなあ、そこは」

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光忠「というかあれだね、君の食事は大体いつも僕が作ってるから、もう慣れちゃったんだね」 歌仙「毎度手間をかけてよくやるよ。今日だって大倶利伽羅のためにわざわざ別の椀で卵を溶いてるんだからね。砂糖の消費は早いし」 光忠「やっぱり味の好みが合うしね。お味噌汁も仙台味噌だよ♡」

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光忠「今日から夏だねえ」 倶利「暦の上ではな」 光忠「暑いとアイスがはかどるよ」 倶利「ダッツがある。食べていい」 光忠「ありがとう！ 半分こしよう」 倶利「俺はいい」 光忠「そう言わずに。あーん」 倶利「むぐ」 光忠「これ美味しいねえ。幸せだなあ」 倶利「秘密にしておけよ」

近侍当直部屋 @bury_ido

鶴丸「五感が欠けているのは大倶利伽羅の方だ」

近侍当直部屋 @bury_ido

鶴丸「味覚と……嗅覚もか？ …………俺はいよいよ、自分の選択が不安だぜ。あの時新しい燭台切光忠を折らなければ、…………」

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光忠「あは、……あははははは」 倶利「…………」 光忠「ふぅ……。んー……倶利ちゃんー……もうちょっとくっつこう？」 倶利「ああ」 長谷「これは」 鶴丸「完全に」 青江「酔っぱらってるねえ」 光忠「……あはは」 鶴丸「光忠、水だ。あと大倶利伽羅が潰れそうだぜ」 光忠「んー」

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青江「それにしても……飲ませすぎちゃったかな？」 光忠「男たるものっ……飲む酒は一種類に絞るのが、……かっこいいって……。？？　何いおうとしたんだっへ……ふにゃ」 倶利「いい。気にするな」 青江「……甘いカクテルがお気に召したようで嬉しいけど、……それで男らしいと言われてもねえ」

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倶利「光忠、」 光忠「んー……」 鶴丸「待て待て待てそれ以上は大倶利伽羅が潰れる（物理）」 倶利「み、光忠一匹くらい……俺なら……一人で支えられる……」 鶴丸「いやいやもう分かったから布団行け。な？」 光忠「大倶利伽羅くんと一緒がいい」 倶利「光忠……」 長谷「いいから帰れ」

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光忠「あは、ははは」 倶利「手を引っ張るな。ちゃんと歩け」 光忠「長谷部くん怒ってたねえ、……書斎がたまり場になってるって。あはは」 倶利「……何かあったのか」 光忠「んー……？　わかる？」 倶利「あんたは弱いくせに酒が好きだが、そんな無茶な飲み方はしない」 光忠「そう……」

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光忠「大倶利伽羅くんさ、…………」 倶利「……」 光忠「…………なんでもないよ」 倶利「…………そうか」 光忠「部屋戻って飲みなおそうか。秘蔵の梅酒を……。…………なんだい？」 倶利「…………。玉子焼きを焦がしたのは、わざとか」 光忠「………………うん」

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光忠「……試してごめんね」 倶利「…………」 光忠「だけど、君が僕の料理の腕を信用してくれてるのが……嬉しいよ。僕はそう失敗しないもんね。焼き魚を少し焦がすくらいで」 倶利「別に、……当たり前だとは思ってない」 光忠「あはは、ねえなんだかこの会話、新婚半年くらいな感じじゃない？」

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倶利「……なんでもいいが、分かってるなら料理で冒険するのはやめろ」 光忠「ああ、ピーマン入り餃子のこと根に持ってるのかい？　君、苦いのはあまり好きじゃないもんね」 倶利「……」 光忠「OK,　これからも信頼に応えられるように、美味しい料理を作るよ。君に喜んでもらいたいからね」

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倶利「もう戻って寝るぞ」 光忠「うん。……うん。ねえ、…………どこにもいかないでね。大倶利伽羅くん」

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光忠「…………やっぱり………………」

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光忠「うーん眠いね……」 倶利「茶でも淹れてくる」 光忠「君は先に寝てていいんだよ。……。でも、そうだね、お言葉に甘えようかな。戸棚のフレーバードティーのところにね、チョコレートの香りのがあるんだ。長谷部くんも好きなやつ。それがいいなあ。……まちがえないでね」 倶利「わかった」

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倶利「これでいいんだろう」 光忠「……ん？　あ、お茶来たね。ありがとう」 長谷「……ずずず」 光忠「やっぱり目が覚めるよ。そういえば君はカフェインに弱いんだっけ」 倶利「紅茶くらいなら飲める」 光忠「それじゃあ一杯付き合ってくれるかい。体が温まるよ。……先に寝ててね」

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@bury_ido 光忠「…………やっぱり」 長谷「……ずず」 光忠「これはね、アールグレイだよ、倶利ちゃん」 長谷「箱を入れ替えておいたのか」 光忠「……間違えてしまいこんだみたいだね。僕としたことがうっかりしたよ。うっかり光忠」 長谷「……お前のそういうところは気に食わん」

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@bury_ido 光忠「味覚、嗅覚。……五感でいえば、他の三つはまあ、……僕の実験からすれば、正常かな」 長谷「（やはり”龍の加護”の意味は、）」 光忠「……」 長谷「……お前はどうして気がついたんだ」 光忠「愛があるからだよ」 長谷「……」 光忠「問題は君だ」

【極】記憶がない燭台切光忠bot @shositu_mitubot

@bury_ido 光忠「長谷部くん、……君は何を知っているんだい」

【極】記憶がない燭台切光忠bot @shositu_mitubot

@bury_ido 長谷「…………その可能性は、主も分かっていた。完全な刀以外のものの付喪神にも、同じように肉体を与えられるとは限らないと。……大倶利伽羅は一度も相談に来なかったそうだ」 光忠「なんで僕じゃなくて大倶利伽羅くんが欠けるんだい」 長谷「あいつが願い出たんだろう」

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@bury_ido 長谷「俺は詳しくは知らん。ただあいつが、……おまえに現れるかもしれない失敗を引き受けることにしたんだ」 光忠「…………そう。わかったよ。それじゃあ続きをしようか」 「（……矛盾してるよ、長谷部くん。その話はおかしい）」

蓋の開いた箱 @kiokuno_shiniba

（……この話が奇妙なのは事実だ。あの子”たち”は何かがおかしい。）