【さざ波インプレス】 福間健二 #2factory93

「表現する、外に押しだす」(express)と「印象づける、内側に刻みこむ」(impress)の関係が気になってきた。最初のヒントは、ジャン=リュック・ゴダールの言葉だったと思う。それとは別に、自分の表現が絵画の後期印象派に追いついていないという気持ちもずっと抱いてきた。express は「急行」でもある。impress を走らせるとするとどうなるか。それをできるだけ抽象的にならないようにやりたかった。 音楽は、(後期じゃないだろうけど)いちおう印象派の音楽ということで、‪JOHN IRELAND: Elegy - City of London Sinfonia (演奏、City of London Sinfonia & Richard Hickox)。 https://www.youtube.com/watch?v=Qyw4GNR_z7I
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福間健二 @acasaazul

机の上におかれた神様の両手と自殺ノート。燃えないゴミと燃えるゴミ。残った夜の匂いはどうする。唇と舌でなんとかしようと思った。若かかった。キスは取り消せない。相手が孤独で無口な人ならとくに。でなくても、針金の手。これは模様じゃなくてキズ。(さざ波イムプレス1)#2factory93

2015-06-16 08:43:58
福間健二 @acasaazul

悪党たち。一本のロープにつかまって居眠りしている。死ねと思いながら、こっちも欠伸する。なにか落ちてないか。あるのは中身のない殻ばかり。空咳レポート、ありがとう。そしてここでも人は、でたらめな順序で死ぬ。だれが辛抱づよい次郎吉さんなのだ。(さざ波インプレス2)#2factory93

2015-06-17 08:57:15
福間健二 @acasaazul

青いページ。自信のなさそうな月が出番をうかがっているが、夜にはなりそうにない。つみかさねられた構造の、とくに前後をはねまわる魂の準備ができていない。てれかくしに言った。足が痛くてもなんでも、せめてこのオフィスの維持費くらいは稼いでくれ。(さざ波インプレス3)#2factory93

2015-06-18 09:12:32
福間健二 @acasaazul

つまり、ひびわれた皿のような舞台だ。恐怖の日々の証人たち。発見される前に存在の一部が少しずつこぼれている。いいか、忘れるなよ。貼りつけられた空の下。ヒョウの降った午後。その日々は。ジャリジャリ、自他を責める歩き方。終わっていないんだ。(さざ波インプレス4)#2factory93

2015-06-19 07:38:27
福間健二 @acasaazul

かれらのドアは一瞬開いてすぐに閉じる。何をあざむきたいのか。口もとの動き、もっとよくわかるとよかったのだが。湿地帯。異世界にしないで、握ってくれ。破れた大袋のなか、グッドヴァイブレーションからは遠ざかるばかりの六月を這うぼくのこの手を。(さざ波インプレス5)#2factory93

2015-06-20 09:56:05
福間健二 @acasaazul

死んでいた。すべる平面だけの帝国をさまよい、安らぎなどなく、倒れると靴下をはいた足に踏まれ、つぶれた部分からいくつもの通りにこぼれ、流れない溝にフォークで掻きおとされた。ばったり。その苦しさを思えば。トンネルの次郎吉さんは笑って言う。(さざ波インプレス6)#2factory93

2015-06-21 08:32:42
福間健二 @acasaazul

嵐の街からどこへ、ではない。人類の、泥の、手続きを省略しても、抜け道なし。罪深き者のまま、ここに立ちつくして、からっぽになる。決済日、晴れたね。韓国かぼちゃ、まっちゃんと鹿児島の旅するイワシのパスタ。連帯保証の捏造はこれを食べてから。(さざ波インプレス7)#2factory93

2015-06-22 08:30:23
福間健二 @acasaazul

考えると眠くなる。背中の東京が、重さと軽さ、傷痕と波動に分解して。当たり前すぎるけど、天使になれない下半身に作用して。雨の季節のメドレー。少年と少女が助けおこされるまで。いつのまにか人類のさびしさ、ジャムの壜をもつ人たちに囲まれている。(さざ波インプレス8)#2factory93

2015-06-23 10:11:27
福間健二 @acasaazul

どうしましたか。温情的な、でも差し迫ったメッセージのさざ波。感じただけではだめ。かたくなったパンはちぎってスープに入れる。生きる媒体の、言い分をもった不自然さの構造。思い出した事情とともに。絶望からの線を何本もまたいで。急性の、求愛だ。(さざ波インプレス9)#2factory93

2015-06-24 08:34:17
福間健二 @acasaazul

おおぜいが、おおぜいに、滝。テーブルも椅子もない人民食堂。キスと要求。順番の数字とそれが暗示する特権はよけいだが、傍観したぼくのなかでは心臓が静かに打ち、空はまた積乱雲である。不安定、言い分があるのだ。動けなくなった次郎吉さんにも。(さざ波インプレス10)#2factory93

2015-06-25 08:47:45