足立透の変容過程-八十稲羽市を震撼させたトリックスターの救世主的逆転劇(P4G・P4U2考察)-

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タト @Leethoo_Tat

ジョルジュ・バタイユ風に言い換えれば、それは非連続的な個々人の間にある引き裂かれた深淵の解消、即ち非連続性から連続性への過程だということができる。

2015-08-15 18:58:10
タト @Leethoo_Tat

バタイユは「生き物が非連続性から引き離されることこそ最も暴力的だ」と述べ、さらに「我々にとって最も暴力的なものは、[我々が我々非連続の存在を維持するのに必要な粘り強さからまさに我々を引き離してしまう]死である」と述べている。

2015-08-15 18:58:28
タト @Leethoo_Tat

先に記した「ウロボロス近親相姦」としての神秘的融即における一体化が、「快楽の海と愛による死の中で消滅することである」ということを思い起こしていただきたい。

2015-08-15 18:58:48
タト @Leethoo_Tat

トリックスター元型の憑依状態となった足立が爆発させた欲望は、まさにアメノサギリに依り代とされ、乗っ取られることで自我意識を失うまでのものであったが、この足立に見られた欲望の爆発状態における力の行使と活力の歓喜とは、まさにバタイユが最も暴力的だというところの死を目指すものであった。

2015-08-15 18:59:10
タト @Leethoo_Tat

足立において見られた欲望の爆発、即ち過剰な力の行使とそれによる活力の歓喜、それはバタイユの言及に基づけば、もはや暴力的なものだと言わなければならないものである。

2015-08-15 18:59:24
タト @Leethoo_Tat

非連続性から連続性への過程の中で活を入れられるのは、根本的な存在の全体なのだ。暴力だけが、暴力と暴力に関係した名づけがたい混乱だけが、全てに活を入れることができるのである!(ジョルジュ・バタイユ『エロティシズム』)

2015-08-15 18:59:38
タト @Leethoo_Tat

ただ暴力だけが、理性に還元可能な世界の限界を破る一つの狂気的な暴力だけが、我々に連続性への道を開いてくれるのだ!(ジョルジュ・バタイユ『エロティシズム』)

2015-08-15 18:59:48
タト @Leethoo_Tat

「死ぬこと」と「限界の外へと出ること」とは同じ一つのことだとバタイユは述べている。

2015-08-15 19:00:18
タト @Leethoo_Tat

ここでもうひとつ付け加えなければならないことがある。それは、我々が「「死」を思い浮かべる」と、つまり「我々の中にある非連続の個体性が突如として消滅するということを思い浮かべる」と、通常はその過程をへる度胸がなく、「死」の恐怖から我々の勇気が挫けてしまうということである。

2015-08-15 19:00:49
タト @Leethoo_Tat

果たして欲望を爆発させていたトリックスター元型の憑依状態にあった足立において、本当にこの「死ぬこと」即ち「大衆的な神秘的融即ないしウロボロス近親相姦という非連続性から連続性へという過程」を、「自力でたどる度胸や勇気」が通常時からあっただろうか。著者はなかったと考える。

2015-08-15 19:01:25
タト @Leethoo_Tat

それは自称特捜隊のメンバーである天城雪子や白鐘直斗が図星をついた言葉を放ち、それに動揺する足立という描写に基づいている。

2015-08-15 19:01:41
タト @Leethoo_Tat

足立「これからの世界、お前らみたいなメンドくせーガキこそ、要らねーんだよ!!」

2015-08-15 19:02:01
タト @Leethoo_Tat

天城「ガキはあなたよ!生きるのも面倒、死ぬのもイヤ…、そんなの理解されないに決まってるでしょ!!ダダコネてるだけじゃない!!」

2015-08-15 19:02:11
タト @Leethoo_Tat

白鐘「人は一人では生きられない。だから社会と折り合うことを投げたら、生き辛いに決まってるんだ。なのにお前は立ち向かわず、去る度胸もなく、人であること自体から逃げてごまかそうとしている。世の中を面倒と言ったくせに、大勢の他人を巻き込んでな!

2015-08-15 19:02:25
タト @Leethoo_Tat

お前の理屈は全部、コドモ以下の、単なるわがままだ!」 足立「う、うるせえ!強がってんじゃねえよ…、俺を否定しないと、お前らが立ってられないんだろ!何も苦労していない、ケツの青い高校生に、お、俺の何が分かんだよぉぉ!!」

2015-08-15 19:02:31
タト @Leethoo_Tat

「生きるのも面倒であり死ぬのも嫌である、しかし大勢の他人を巻き添えにして「死ぬこと」を望む」というところからは、

2015-08-15 19:02:56
タト @Leethoo_Tat

通常時の足立が「決定的な一歩を踏み出さずに、絶対的な時空の中に分化している非連続的な個々人の自我意識の集積である「この世」にとどまりながら、大衆的な神秘的融即ないしウロボロス近親相姦の相対的時空連続性の世界に到達することを欲していた」という様を露呈している。

2015-08-15 19:03:08
タト @Leethoo_Tat

我々は死の鼻息を浴びながら、強制でもされなければ自分から極限[=「死ぬ」こと]まで歩き通そうなどとはしない。(バタイユ『エロティシズム』)

2015-08-15 19:03:51
タト @Leethoo_Tat

クロウリーが欲望のアルカナについての項で「インスピレーション」というところのそれは、欲望のアルカナが『法の書』において最重要とされる「汝の欲するところを為せ」という格言が具現化されたものであるという点からして、その格言そのものと捉えることができる。

2015-08-15 19:04:11
タト @Leethoo_Tat

足立はトリックスター元型の憑依状態、ないしアメノサギリとその背後にいるイザナミの手引による「死」のインスピレーションによって欲望を爆発させでもしなければ、自分の意志で決定的な一歩を踏み出して「死ぬ」こと、即ち「非連続性から連続性へと至る過程」を最後まで歩き通そうとはしなかった。

2015-08-15 19:05:04
タト @Leethoo_Tat

天城雪子や白鐘直斗らから図星を突かれて動揺する足立からは、無意識から侵入してくる内容が自我意識を完全に圧倒し、自我意識が無意識内容に対して独自の立場を保たず、自我意識がその内容と同一化している分だけ心を奪われてしまっている状態(つまり憑依状態)にでもならない限り、

2015-08-15 19:05:28
タト @Leethoo_Tat

その過程を自力で最後まで歩き通そうなどとすることはできなかったという度胸や勇気のなさが露呈していると言わざるをえないのである。

2015-08-15 19:05:47
タト @Leethoo_Tat

だが、足立はトリックスター元型の憑依状態となり、欲望を爆発させたことで、「死ぬ」ことへの決定的な一歩を踏み出した。足立はこの「「死」のインスピレーション」によって、肉感的なまでの、連続性の中で引き裂かれ消滅していくことに伴う活力の歓喜の充溢を体験した。

2015-08-15 19:06:44
タト @Leethoo_Tat

しかし、結局鳴上悠率いる自称特別捜査隊との戦いで自身及びアメノサギリの双方を打ち倒され、大衆的な神秘的融即ないしウロボロス近親相姦の世界のしゅったいを挫かれ、精根尽き果てて如何ともしがたくなるほど消耗してしまった(バタイユの言葉を流用すれば「焼尽」ということになるだろうか)。

2015-08-15 19:07:25
タト @Leethoo_Tat

これが「なんだよ、これで終わりか…」以下の、自称特別捜査隊との戦いの前の驕り高ぶった発言とは打って変わった気の抜けた言葉が発せられたことと、欲望のアルカナについてのクロウリーの記述との布置連関である。

2015-08-15 19:08:23
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