歯科医師法第17条違反(無免許歯科医行為)の判例から保健衛生上危害を生ずる「おそれ」を裁判官がどう判断したかを考え、医業類似行為で問題になる、人の健康に害を及ぼす「おそれ」を考える。
- binbo_cb1300st
- 4343
- 2
- 1
- 1
印象採得など、行為が限定されている歯科医行為と、さほど特定されてない医業類似行為では一緒くたに判断できぬ、というのは8人の裁判官の考えとしてはあったのではないか?全く無害なものまで禁止処罰すべきではないと。
2015-07-01 03:11:41ならば医業類似行為として禁止処罰する場合、虞が全くない、と判断できるもの以外は禁止処罰可能ではないかと。
2015-07-01 03:13:06で、歯科医師法の最新の最高裁の判決では「明らかに患者に対し保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為のみに適用されるとの限定解釈を施さなくても、右憲法条項に違反するものでないことは、いずれも当裁判所の判例の趣旨に徴し明らか」と述べている。
2015-07-01 03:14:33昭和33年(あ)411号
主文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人松浦武、同塩見三俊の上告趣意第一点について。
思うに、印象採得、咬合採得、試適、嵌入が歯科医業に属することは、歯科医師法一七条、歯科技工法二〇条の規定に照し明らかであるが(なお、昭和二六年(あ)四四七六号、同二八年六月二八日第二小法廷判決、集七巻六号一三八九頁参照)、右施術は総義歯の作り換えに伴う場合であつても、同じく歯科医業の範囲に属するものと解するを相当とする。
けだし、施術者は右の場合であつても、患者の口腔を診察した上、施術の適否を判断し、患部に即応する適正な処置を施すことを必要とするものであり、その施術の如何によつては、右法条にいわゆる患者の保健衛生上危害を生ずるのおそれがないわけではないからである。
されば、歯科医師でない歯科技工士は歯科医師法一七条、歯科技工法二〇条により右のような行為をしてはならないものであり、そしてこの制限は、事柄が右のような保健衛生上危害を生ずるのおそれなきを保し難いという理由に基いているのであるから、国民の保健衛生を保護するという公共の福祉のための当然の制限であり、これを以て職業の自由を保障する憲法二二条に違反するものと解するを得ないのは勿論、同法一三条の規定を誤つて解釈したものとも云い難い。
所論は、右に反する独自の見解に立脚するものであつて、採るを得ない。
同第二点について。
所論は単なる法令違反の主張を出でないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
よつて、同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和三四年七月八日
最高裁判所大法廷
裁判長裁判官 田中 耕 太 郎
裁判官 島 保
裁判官 斎藤 悠輔
裁判官 藤田 八郎
裁判官 河村 又介
裁判官 入江 俊郎
裁判官 池田 克
裁判官 垂水 克己
裁判官 河村 大助
裁判官 下飯坂 潤夫
裁判官 奥野 健一
裁判官 高橋 潔
裁判官 高木 常七
裁判官 石坂 修一
HS式無熱高周波療法の上告審を審理した裁判官
昭和三五年一月二七日
最高裁判所大法廷
裁判長裁判官 田中 耕太郎
裁判官 小谷 勝重
裁判官 島 保
裁判官 斎藤 悠輔
裁判官 藤田 八郎
裁判官 河村 又介
裁判官 垂水 克己
裁判官 河村 大助
裁判官 下飯坂 潤夫
裁判官 奥野 健一
裁判官 高木 常七
裁判官 石坂 修一
全体で12人おり、歯科医師法の裁判を担当した裁判官が11人
3人が反対意見である。8人は歯科医師法の裁判とHS式無熱高周波療法の裁判は矛盾してないと思っているのだろう。
2016/02/14追加
歯科技工士による歯科医師法違反事件、この最高裁判決の控訴審判決が素晴らしい。courts.go.jp/app/hanrei_jp/…
2016-02-12 20:16:15最高裁判所第三小法廷昭和56(あ)275
どんなに研鑽積んでいて、健康被害が生じていなくても歯科医師じゃないかぎり、印象採得とかしちゃあかん。 技工士が印象採得してもよいという考えがあってもそりゃ立法権に属すことじゃ、という控訴審判決。 札幌高裁昭和55(う)195
2016-02-12 20:23:39