【４月２６日　狭間とハイジ　死を知る】

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】首を傾げる。ぎし、とベッドを鳴らして上体を起こす。見えた横顔が一向にこちらを向かなくてどうしたろう、と視線を向ける。「・・・シュン？」

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ハイジ】時計の音が驚くほどはっきりと聞こえる。こんな音がしたのかと思う程に。耳に入り込んで心臓をゆっくり叩く。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】「ん……考え事、」呼ばれた名前に、振り返って苦笑を向ける。痛切な表情、は、していないだろう。…言うかどうかをすら、ここにきてさえなお、まだこうして迷っているのに、いたずらに、彼の不安だけをかき立てることはできない。

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】（………バレるまで、） 隠されるのは、オレだったらいやだ…って、ブライアンは言ってたなあ、と、ぼんやり思う。言おう、と、さっきは、思ったはずだった。玉兎が死んだ、と聞いて、死んだことを聞いて、自分がこれから向かうつもりのことも思って、…言おう、と、決めたはずだった。…でも、

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】（…玉兎が死んで、ブライアンが言わずにいてくれて、天明が知らないっぽくて、桐生さんが死を認めてはいなくて、……、） それなら、自分以外には一体誰が、彼女が死んだことをハイジに伝えるだろう。天目赤鴨だろうか。市松天雄だろうか。彼らがそれを知る機会が、はたして、あるだろうか。…

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】……それなら。 …知らせなかったら、知らないまま、だろうか。………彼女の携帯に連絡をしても、きっともう、繋がらない。伽椰玉兎も、死んだ。

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】「なんの？」興味本位で訊ねる。自分がいるのにいきなりこんな難しそうに考えるモノはなんだろうと、苦笑を向けた相手に首を傾げる。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】「…んー、……、」曖昧に濁す。シゴト、だと嘘をつくことはしたくない。ヒミツ、だとも、まだ決定したくない。首を傾げる相手の仕草を、子どものようだ、と感じる。…突き落としたくない、と思う。相手の頭を撫でたいな、と思うけれど、いま自分が触れていいとも思えない。

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】言うことと言わないことの、どちらがより深く突き落とすのか、それも、分からない。測りきれない。　…彼女が、死んだ彼女が、悼んでほしいのかどうか、…悲しんでほしいかどうか、知らせないでほしいか、知らないままでいることを望むのか。そういうことは、…悪いけれど、考えてやれない。

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】「言えねえコト？」仕事のことだろうか、それとももっと別のことだろうかと考える。「アブねえコト考えてねえ？」からかう様に、けれどどこか本気で心配もして下から覗き込むように顔を近づける。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】「考えてないよ、」今悩んでいることとは別に、思いきり、危ないことは想定している。津田異心。けれどそれは、報せないと決めている。さらりと平然と、嘘をつく。嘘をついたから、触れることも嘘であるように、こつ、と相手の額をかるく、気軽く叩く。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】言えないこと？　という質問は、意識してさらりとスルーする。

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】「いで、」大げさに肩を竦めてから「んならイーケド、」ふんと鼻を鳴らして身を引く。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】「…………、………、」ぼんやりとそれを見送る。…聞きたいことは、ある。死について。どう思うのか。けれどそれを、不安を抱かせずに、零さずに訊くには、自分だけ知っている彼女の、…それからもしかするとあの男の、実際の死は重い。離れる相手を眺めている。

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】「ヘンなカオ」相手の表情の掴めない顔を見て肩を竦めてからベッドから立ち上がる。ずっと考え事をしているから彼はまだ寝ないかもしれない。何か教科書か持って来て横で読んでいようかと思ってふらりと部屋を見渡そうとする。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】部屋は普段通りで、特段何も、変わったところはない。立ち上がるときに、ベッドが軋んで一度下がって、ふっと上がるのを感じる。相手の横顔を、今度は自分が、斜め下から見る。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】「……こないだ、ブライアンに、会ったよ」　ふっと思いついて、…思いつくというよりもなんとなく無意識に、そう言う。話題でも探すような感じで。

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】表情は特に変わらず、目についた英文法の教科書を手に取って帰ってくればベッドに座る彼の足の間に潜りこみ、床に腰を下ろしてベッドの側面に背を預ける。彼から自分を見下ろせる場所に落ち着く。

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】「お、まじで？グーゼン？」考えなく教科書を開いて内容も確認する前にキョロと見上げる。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】足の間に座り込んで、きょろと見上げてくる動作に、なぜかちょっと狼狽える。グーゼン？　という切り返しも、そうではないと言うとでは何故かを説明せねばならない気がして、「…んー、お茶した、」ポイントをずらしてそう答える。

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】なんでこの話題を出したんだろうな、と、自分で自分に即座にやわく後悔する。繋がるきっかけに、なるかもしれない図が、緩やかに見える。ゆっくりまばたきをし、つむじの見える相手の額を見おろし、

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】「…ベンキョすんの？」えらいな、と、ちょっと笑う。

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】「ずりぃ、俺も呼べよ」素直にそう思ってむすりと口を尖らせる。

ーーー @HaKo_723

@c_yu_n ハイジ】「だぁって、おめえまだ寝ねえだろ」教科書を掲げて見せてから、べんきょべんきょと口ずさむ。

狭間 駿 @c_yu_n

@HaKo_723 狭間】「呼ばれたがぁり、」苦笑して、