情景描写練習_吹雪と司令官

あるイラストを見ての練習です
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ラスカる@固定に新作 @Not_Araiguma

初夏の朝陽が穏やかに射し込んでいる鎮守府の廊下を、半袖のセーラー服と膝丈より少し上のスカートを履いた少女が走っていた。 横の壁紙には"廊下は歩こう"と書かれているが、彼女はそれを気にすることなく走っていた。 彼女は両腕になにかふわっとしたモノを抱えている。 急いでいるのだろうか。

2015-07-02 20:11:37
ラスカる@固定に新作 @Not_Araiguma

窓から入る風に煽られないよう大事そうにそれを抱えているが、セーラー服と髪は遠慮なくはためいている。 セーラー服とスカートの境界線あたりからは背中のえくぼがばっちり見えているし、赤い髪留めで一本結びにした髪と耳の両脇に垂れたおさげにも見える髪はあっちへこっちへと揺れていた。

2015-07-02 20:14:52
ラスカる@固定に新作 @Not_Araiguma

「おーい吹雪」 そんな風に走っていた彼女を俺は呼び止めた。 「あ、司令官」 はぁはぁと息を少し荒げながら、彼女は俺の方に振り向いた。 走ったせいだろうか。 その頰はほんのりと赤く染まっていた。 いや、照れ臭そうな感じを見るに、嬉しそうな表情にも見える。

2015-07-02 20:19:30
ラスカる@固定に新作 @Not_Araiguma

「そんなに急いで、どうしたんだ?」 素直な疑問を彼女、吹雪へとぶつけてみる。 答えはすぐに返ってきた。 「内緒です」 にっこりと目を細め、口元をほころばせながら吹雪はそう言うと、また先ほどと同じように廊下を駆けていった。 ……角を曲がって吹雪の姿が見えなくなった頃、俺は気づく。

2015-07-02 20:24:36
ラスカる@固定に新作 @Not_Araiguma

「あれ、開発に失敗したときに出る綿アメだよな?」 実際には綿アメというよりホコリの塊のようなものだし、一度舐めてみてえらい目に遭ったので綿アメではないのだが、とにかく、吹雪が大事そうに抱える代物でないのは確かだ。 疑問は尽きないが、あの子の笑顔に悪い予兆は決して無かった。

2015-07-02 20:28:15
ラスカる@固定に新作 @Not_Araiguma

「……綿アメ食べたくなってきたな」 昼食後のコーヒーと一緒に楽しもうと胸中にて誓いつつ、俺は吹雪が走ってきた方向、工廠へと足を向けるのだった。

2015-07-02 20:32:34
ラスカる@固定に新作 @Not_Araiguma

@Not_Araiguma 以上、終わり。 先ほどRTした吹雪のイラストで情景描写練習です

2015-07-02 20:33:23
ラスカる@固定に新作 @Not_Araiguma

@Not_Araiguma 追記: 服がはためいていたので「風が吹いている」と判断。 両腕に抱えたモノの正体は分かりませんでしたが、艦これでふわふわと言えば……と思い、失敗綿アメと判断しました。 髪を揺らしながら走る吹雪ってかわいいですね

2015-07-02 20:35:49